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2.5MのMgSO4を50 ml溢しちゃいました……。どんだけのMgSO4・6H2O7H2Oが入ってたかとかはなるべく考えないようにしています…。(4/27追記:どうでもいいけどMgSO4は6水和物じゃなくて7水和物だったことに気づいた…もうダメダメー)
ちなみに捨てるとか言いやがるので10%SDS(ラウリル硫酸ナトリウム)を40 mlほどもらいました!(喜)
ちゃんと重さを量ってメスアップしたので以前より10%に近いです。
というわけでこれを使って石油系界面活性剤+食塩=固体???をやってみたよ。
結果から先に言いますと、透明だった溶液は白濁しました。
でも残念ながら固い固形物はできませんでした。
シャンプーに入っている量も10%より多いとは考えられないのでこの結果はまあ妥当だと思うんですよね。
それには理由があって、SDSの溶解度が15 g / 100 ml(20℃)なんですね。つまり15%まで溶けるのが精一杯です。また、冬場なんかは10%SDSは結構析出しています。
つまり、気温が下がると析出してきます。
いくらお風呂場の室温が下がりにくいからって析出する量までは入れないと思います。
なんでかというと、製品の質が変わるから、です。
また、NaClは溶解度は36 g / 100 ml(25℃)でそんなに低くないんですね。つまりイオン化しやすいNaClが水に溶け込むせいで溶解度の低いSDSは反対に析出しちゃうと考えられます。さらに、NaClを氷に振りかけると凝固点降下が起きるといいますが、実際に吸熱反応なんです(‐4 kJ/molですが^^;)
まとめると、SDSに塩を加えると固体ができる現象は、
・NaClによる塩析
・NaClの溶解による凝固点降下による析出(考慮しなくてもいいと思います)
不溶性のポリマーができてるわけじゃないんだぞっていう反証は、析出した白い液体を大量の水に溶かしたら簡単に解けたことから推測することができます。
つまり、水溶性の高いSDSは毛穴に詰まることなく大量の水に溶けて流れて行きます。
残念ながら石鹸+食塩でできた固形物は水に溶けにくかったです。水に溶かしても溶けにくいしほとんど泡立たないことから食塩の不純物、つまりミネラルにより生成された石鹸カスだと思うんですよね。
このへんは分析することができないので物性から考えるしかないんですけど、そんなに外れてないと思います。日常的に使っている石鹸が泡立ちにくくなる理由も表面に石鹸カスのコーティングがなされるからなんですよね。
あとは、純NaClと食塩での違いを詳細に比較すべきなんでしょうけど、うちの食塩がなくなってしまったので(苦笑)また今度補足実験をするということでお許しください。
さて、これで一通りの実験は終わりです。
SDSが石油原料じゃなかったらお笑いです。
うーん、植物原料の方が精製に手間やお金がかかるからそんなことをしないと思うんですが、詳しい人がいたら教えてください。
一通り結果に照らし合わせながら当初の疑問『「石油系界面活性剤の見分け方」は正しいの?』に対して答えて行きましょう。
ということでまとめてみました。
どうでしょうか。何か不備があったらできる範囲で(^^;)実験してみます。
ちなみに、現在「化粧品原料と製品技術」を読みかけています(ああ、積み本がいくつになったのかしら)
これ、私が生まれたころ(1985年)に出版されたものを普及版として2003年に再版したものですが、なんと中身に手を加えていません。
このころから自然化粧品には人気があり、国、大学、大手メーカーなど産学官の人たちがそれぞれデータを出し合って一つの本になっています。20年経っても手を加える必要がない、ということは20年以上前に化粧品原料とその性質に関する調査はほぼ終わっているということですね。
私は~エキスとか~抽出成分とかいう表記が嫌いなんですが、それについても詳しく書いてある(第17章154ページ)ので今後まとめてみたいです。
また、アミノ酸系界面活性剤についての記述もあります。結構古くからあるんですね!味の素の人が書いているのがなんともそれらしいです(笑)うーん、普通に今気づいたけど、普通の界面活性剤に対する記述がほとんどない……買わねばならないのかorz
5/21追記:内容を変更しない程度に記述を一部修正しました。
ちなみに捨てるとか言いやがるので10%SDS(ラウリル硫酸ナトリウム)を40 mlほどもらいました!(喜)
ちゃんと重さを量ってメスアップしたので以前より10%に近いです。
というわけでこれを使って石油系界面活性剤+食塩=固体???をやってみたよ。
結果から先に言いますと、透明だった溶液は白濁しました。
でも残念ながら固い固形物はできませんでした。
シャンプーに入っている量も10%より多いとは考えられないのでこの結果はまあ妥当だと思うんですよね。
それには理由があって、SDSの溶解度が15 g / 100 ml(20℃)なんですね。つまり15%まで溶けるのが精一杯です。また、冬場なんかは10%SDSは結構析出しています。
つまり、気温が下がると析出してきます。
いくらお風呂場の室温が下がりにくいからって析出する量までは入れないと思います。
なんでかというと、製品の質が変わるから、です。
また、NaClは溶解度は36 g / 100 ml(25℃)でそんなに低くないんですね。つまりイオン化しやすいNaClが水に溶け込むせいで溶解度の低いSDSは反対に析出しちゃうと考えられます。さらに、NaClを氷に振りかけると凝固点降下が起きるといいますが、実際に吸熱反応なんです(‐4 kJ/molですが^^;)
まとめると、SDSに塩を加えると固体ができる現象は、
・NaClによる塩析
・NaClの溶解による凝固点降下による析出(考慮しなくてもいいと思います)
不溶性のポリマーができてるわけじゃないんだぞっていう反証は、析出した白い液体を大量の水に溶かしたら簡単に解けたことから推測することができます。
つまり、水溶性の高いSDSは毛穴に詰まることなく大量の水に溶けて流れて行きます。
残念ながら石鹸+食塩でできた固形物は水に溶けにくかったです。水に溶かしても溶けにくいしほとんど泡立たないことから食塩の不純物、つまりミネラルにより生成された石鹸カスだと思うんですよね。
このへんは分析することができないので物性から考えるしかないんですけど、そんなに外れてないと思います。日常的に使っている石鹸が泡立ちにくくなる理由も表面に石鹸カスのコーティングがなされるからなんですよね。
あとは、純NaClと食塩での違いを詳細に比較すべきなんでしょうけど、うちの食塩がなくなってしまったので(苦笑)また今度補足実験をするということでお許しください。
さて、これで一通りの実験は終わりです。
SDSが石油原料じゃなかったらお笑いです。
うーん、植物原料の方が精製に手間やお金がかかるからそんなことをしないと思うんですが、詳しい人がいたら教えてください。
一通り結果に照らし合わせながら当初の疑問『「石油系界面活性剤の見分け方」は正しいの?』に対して答えて行きましょう。
Q1.石油系界面活性剤と食塩を混ぜると塩化ビニル(ポリマー)ができるの? |
A1.確かに塩化ビニル(モノマー)は石油と塩から作られます。 しかし私たちが日常的な生活をしていれば石油と塩を混ぜただけでは塩化ビニル(モノマー)はできません。 また、塩化ビニル(モノマー)は気体(水に不溶性)ですので毛穴に詰まることはありません。むしろ吸引するととても危険な物質です。しかし塩化ビニル(ポリマー)は反応性が低くとても安定した物質です。 詳しくは→「石油系界面活性剤の見分け方」の嘘(azure blue)をご覧ください。 |
Q2.じゃあ石油系界面活性剤と食塩では固まらないの? |
A2.その回答は本エントリにあります。 ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)と食塩を実際に混ぜてみました。 結果だけを言いますと、固まりますが大量の水にすぐに溶けます。 ここから考察すると、食塩が溶けたことによってラウリル硫酸ナトリウムが析出して(固体として出てきて)しまいましたが、水溶性の高いラウリル硫酸ナトリウムは大量の水を加えることによって溶解しました。 よって、塩化ビニル(ポリマー)およびそれに類する難溶性の固形物はできませんでした。 |
Q3.石油で固まったんじゃなかったら何で固まったの? |
A3.食塩にはNaClが入っています。 石鹸のNa(ナトリウム)塩は固形なのをご存じでしょうか。液体石鹸はK(カリウム)塩です。 つまり、シャンプーやボディソープの中にミリスチン酸K、ステアリン酸K、オレイン酸Kなどがあった場合、また、Naと反応して固形の塩を作るものが入っていれば石油原料だろうと100%植物性だろうと固まります。 また、特に釜炊きで製造した食塩にはミネラル成分が不純物として多量に入っています。 この量はNaCl量からしたらごく少量なのですが、石鹸カスを作るには十分なMg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)量です。 これらMgやCaで固体の塩を作る成分が入っていても固まります。 詳しくは→ニュースキンの指導?(azure blue) (ミネラルの影響の計算) →無添加純石鹸と塩を混ぜると固まります。(azure blue) |
ということでまとめてみました。
どうでしょうか。何か不備があったらできる範囲で(^^;)実験してみます。
ちなみに、現在「化粧品原料と製品技術」を読みかけています(ああ、積み本がいくつになったのかしら)
これ、私が生まれたころ(1985年)に出版されたものを普及版として2003年に再版したものですが、なんと中身に手を加えていません。
このころから自然化粧品には人気があり、国、大学、大手メーカーなど産学官の人たちがそれぞれデータを出し合って一つの本になっています。20年経っても手を加える必要がない、ということは20年以上前に化粧品原料とその性質に関する調査はほぼ終わっているということですね。
私は~エキスとか~抽出成分とかいう表記が嫌いなんですが、それについても詳しく書いてある(第17章154ページ)ので今後まとめてみたいです。
また、アミノ酸系界面活性剤についての記述もあります。結構古くからあるんですね!味の素の人が書いているのがなんともそれらしいです(笑)うーん、普通に今気づいたけど、普通の界面活性剤に対する記述がほとんどない……買わねばならないのかorz
5/21追記:内容を変更しない程度に記述を一部修正しました。
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