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この記事はラジウムと肺がんの話(岡山大学の研究)(azure blue)から続いています。
さて、例のフェリチン小体とラジウムの蓄積に関する記者会見用のスライドを見つけました。
まあ、なんとなくあると思ったんだよね。
英文読んでくださった方々には本当に感謝です。
私は英文を読みたくないので必死になって日本語文を探す人です(笑)
スライドって結局詳しい内容ではないですし(ただ研究者自身が作ったものならそうズレはないはず)、対外的な発表のときは嘘にならない程度に大きくいう場合がありますが、スライドを見ても特に言いすぎ!ってところはないと思います。
ちなみに、前回の記事のコメント欄のcounterfactualさんの発言もチェックですよ。
私も同意見です。
以下ほぼまる写し。引用の範囲を超えてる気もしますがプレゼンってそういうもんだしなぁ…。
問題がある場合はリンクへの誘導に切り替えますね。
赤字は私による疑問および補足
目的
・なぜ肺組織中に含鉄タンパク質が形成されたのか
・なぜ吸い込んだアスベスト繊維や粉塵が毒性を呈するようになるのか
6名の悪性中皮腫患者の肺試料から、
・アスベスト小体
・アスベスト繊維を含まない含鉄タンパク質小体
を分離し、鉱物学的観察と44元素の定量分析を行った。
方法と解剖結果
・各患者でそれぞれ約50本のアスベスト小体を解析
・茶石綿、青石綿は検出されたが白石綿のアスベスト小体は検出されなかった
・6名中1名の患者(喫煙者)からはほとんどアスベスト小体が検出されなかった
■鉱物学的観察結果
・アスベスト小体を構成するアスベストは鉄分の多い角閃石(青石綿・茶石綿)
×白石綿(鉄分の少ない蛇紋石)はなかった
・繊維を伴わない含鉄タンパク質小体(フェリチン)の量は喫煙者に多い
考察
・鉄を含まないアスベストは含鉄タンパク質を伴わない
・継続的な喫煙は肺中に過剰鉄を供給する
・鉄鉱山やウラン鉱山の鉱夫の肺にタンパク質小体が認められる
※実は今回の内容はこの部分からのインスピレーションが大きいのでは?
■44元素の定量分析結果
・Ra(ラジウム)、Ba(バリウム)、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)が顕著に濃集している(単位がよくわからない…)
・1名だけGd(ガドリニウム)値が高いが、これはMRI検査に由来するものが排出されずに小体にトラップされていた
考察
・アスベスト小体は極めて高い重金属の吸着力を示す
※繊維を含まないフェリチン小体の方はどうなのか。
含鉄タンパク質小体のラジウム吸着による肺組織内ホットスポット形成メカニズム(観察結果からの考察)
1.鉄に富む物質(タバコの煙成分や青・茶石綿など)を吸引しそれが肺に沈着
2.それによってフェリチンの発現が誘導される(臓器に炎症・腫瘍形成など異常が出ると血中フェリチン濃度が上がることが知られている)
3.含鉄タンパク質(フェリチン)小体の形成・成長・微量元素(重金属)との共沈
4.酸化的環境下におけるフェリチン中のフェリハイドライト(Fe5HC8・4H2O)により経時的な微量元素(重金属)の吸着が起こる
・吸入物質の形状はそこまで重要ではなく、鉄を多く含んでいるかが重要。これがフェリチン小体を誘導する
・フェリチン小体の中にはラジウムなどの微量元素が濃集される
・悪性中皮腫は、肺に起因するがん細胞によって引き起こされる?
が結論。
※中皮腫は肺ではなく胸膜にできる悪性腫瘍(がん)を指す。
ううん…肺がんの一種だと思ってたよ、勉強不足。→埼玉医大の竹本教授2(azure blue)悪性中皮腫の勉強をしたら考察し直しますね。
今までにも青石綿や茶石綿の方が白石綿よりも発がん性が高いと考えられていた。つまり今回の結果はその仮説の根拠となりうる。
うーん。
だからといって喫煙もなぁ。
しかも6人だしなぁ。
怖くてこれから鉄吸えないなぁ。吸わないけどさ(笑)
さて、この内容が事実起こっていたとして、
喫煙はやっぱり肺がんの一因子じゃないか!!!
つまり喫煙が肺がんを引き起こすメカニズムが解明されたってことよね??
と思ったのは私だけですか?
実際には前回の記事で言ったとおり、これだけでは何とも言えないでしょう。
もしこの研究が正しいとして、これは喫煙と肺がんの因果関係を示す疫学調査の結果と矛盾していないです。
もし矛盾していると考えているのなら……お気の毒ですが……
uzukitさんは「岡山大学の研究結果を見てて、色んな事に合点が行きました」っておっしゃるぐらいだから論文は読まずとも最低限プレスリリース(上のpdf資料)ぐらいは読んだのよねぇ?
ということでトラックバックを送ってみます。
失敗するかもなぁ。まあいいや。
8/7追記:
目的を追加しました。
今回の議論を受けてのことではないと思いますが、8/3にアスベストと中皮腫に関する論文の邦訳版がアップされていました。それぞれpdfファイルですので気をつけてください。
原著論文:Nakamura E., Makishima, A., Hagino, K., Okabe, K., Accumulation of radium in ferruginous protein bodies formed in lung tissue: association of resulting radiation hotspots with malignant mesothelioma and other malignancies, Proc. Japan Acad. Ser. B, 85, 229-239, 2009.
邦訳版:中村栄三、牧嶋昭夫、萩野恭子、岡部和倫 「肺組織中の含鉄タンパク質小体へラジウムが蓄積し、そのラジウムの蓄積がホットスポットとなって局所的な内部被ばくを引き起こし、悪性中皮腫やほかの悪性腫瘍の原因となる」
いくらかはてな?と思うところはありますが、やはり読んでみてもアスベストと喫煙は単独で考察されている気がします。
この推論の妥当性はともかくとして、筆者らはアスベストだとかタバコの成分だとか形や鉱物相とは無関係に肺に沈着した物質が鉄に富むことが重要であると考えているのだと思います。
喫煙がアスベストの影響を強めているとか弱めているとかそういう議論は積極的にしていません。
患者M(喫煙者)についてお聞きしたのもここに理由があります。
ホットスポット被ばくに関する妥当性の検証は正直私には手に余るのでmobanamaさんのこの「ホットスポット」の放射線で本当にがんが出来るの?(mobanama69号)を参照してください。
ああ、すみません、「もうちょっと続くぞい」が一番上にあったので下を読まずに「続きを期待します」なんて馬鹿なコメントを残してしまいました。ああ穴を掘って埋まってしまいたい(恥)
ただ、論文を読んでいるとホットスポット説もありえるかもなーなんて思ってしまうのは素人だからでしょうか。
ただし肺からの鉄分の摂取は推奨していませんのであまり試されませんように。
むしろ連続的な喫煙(習慣的な喫煙と言ってもいいと思います)は肺胞マクロファージの処理能力を超えて鉄を含む粒子の蓄積を招くと言っています。その後は上記のメカニズム(仮説)をご覧ください。
特に要約内容を訂正する必要性を感じないのですが、解釈を間違えてる部分等ございましたらご指摘ください。
さて、例のフェリチン小体とラジウムの蓄積に関する記者会見用のスライドを見つけました。
まあ、なんとなくあると思ったんだよね。
英文読んでくださった方々には本当に感謝です。
私は英文を読みたくないので必死になって日本語文を探す人です(笑)
スライドって結局詳しい内容ではないですし(ただ研究者自身が作ったものならそうズレはないはず)、対外的な発表のときは嘘にならない程度に大きくいう場合がありますが、スライドを見ても特に言いすぎ!ってところはないと思います。
ちなみに、前回の記事のコメント欄のcounterfactualさんの発言もチェックですよ。
私も同意見です。
以下ほぼまる写し。引用の範囲を超えてる気もしますがプレゼンってそういうもんだしなぁ…。
問題がある場合はリンクへの誘導に切り替えますね。
赤字は私による疑問および補足
目的
・なぜ肺組織中に含鉄タンパク質が形成されたのか
・なぜ吸い込んだアスベスト繊維や粉塵が毒性を呈するようになるのか
6名の悪性中皮腫患者の肺試料から、
・アスベスト小体
・アスベスト繊維を含まない含鉄タンパク質小体
を分離し、鉱物学的観察と44元素の定量分析を行った。
方法と解剖結果
・各患者でそれぞれ約50本のアスベスト小体を解析
・茶石綿、青石綿は検出されたが白石綿のアスベスト小体は検出されなかった
・6名中1名の患者(喫煙者)からはほとんどアスベスト小体が検出されなかった
■鉱物学的観察結果
・アスベスト小体を構成するアスベストは鉄分の多い角閃石(青石綿・茶石綿)
×白石綿(鉄分の少ない蛇紋石)はなかった
・繊維を伴わない含鉄タンパク質小体(フェリチン)の量は喫煙者に多い
考察
・鉄を含まないアスベストは含鉄タンパク質を伴わない
・継続的な喫煙は肺中に過剰鉄を供給する
・鉄鉱山やウラン鉱山の鉱夫の肺にタンパク質小体が認められる
※実は今回の内容はこの部分からのインスピレーションが大きいのでは?
■44元素の定量分析結果
・Ra(ラジウム)、Ba(バリウム)、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)が顕著に濃集している(単位がよくわからない…)
・1名だけGd(ガドリニウム)値が高いが、これはMRI検査に由来するものが排出されずに小体にトラップされていた
考察
・アスベスト小体は極めて高い重金属の吸着力を示す
※繊維を含まないフェリチン小体の方はどうなのか。
含鉄タンパク質小体のラジウム吸着による肺組織内ホットスポット形成メカニズム(観察結果からの考察)
1.鉄に富む物質(タバコの煙成分や青・茶石綿など)を吸引しそれが肺に沈着
2.それによってフェリチンの発現が誘導される(臓器に炎症・腫瘍形成など異常が出ると血中フェリチン濃度が上がることが知られている)
3.含鉄タンパク質(フェリチン)小体の形成・成長・微量元素(重金属)との共沈
4.酸化的環境下におけるフェリチン中のフェリハイドライト(Fe5HC8・4H2O)により経時的な微量元素(重金属)の吸着が起こる
・吸入物質の形状はそこまで重要ではなく、鉄を多く含んでいるかが重要。これがフェリチン小体を誘導する
・フェリチン小体の中にはラジウムなどの微量元素が濃集される
・悪性中皮腫は、肺に起因するがん細胞によって引き起こされる?
が結論。
※中皮腫は肺ではなく胸膜にできる悪性腫瘍(がん)を指す。
ううん…肺がんの一種だと思ってたよ、勉強不足。→埼玉医大の竹本教授2(azure blue)悪性中皮腫の勉強をしたら考察し直しますね。
今までにも青石綿や茶石綿の方が白石綿よりも発がん性が高いと考えられていた。つまり今回の結果はその仮説の根拠となりうる。
うーん。
だからといって喫煙もなぁ。
しかも6人だしなぁ。
怖くてこれから鉄吸えないなぁ。吸わないけどさ(笑)
さて、この内容が事実起こっていたとして、
喫煙はやっぱり肺がんの一因子じゃないか!!!
つまり喫煙が肺がんを引き起こすメカニズムが解明されたってことよね??
と思ったのは私だけですか?
実際には前回の記事で言ったとおり、これだけでは何とも言えないでしょう。
もしこの研究が正しいとして、これは喫煙と肺がんの因果関係を示す疫学調査の結果と矛盾していないです。
もし矛盾していると考えているのなら……お気の毒ですが……
uzukitさんは「岡山大学の研究結果を見てて、色んな事に合点が行きました」っておっしゃるぐらいだから論文は読まずとも最低限プレスリリース(上のpdf資料)ぐらいは読んだのよねぇ?
ということでトラックバックを送ってみます。
失敗するかもなぁ。まあいいや。
8/7追記:
目的を追加しました。
今回の議論を受けてのことではないと思いますが、8/3にアスベストと中皮腫に関する論文の邦訳版がアップされていました。それぞれpdfファイルですので気をつけてください。
原著論文:Nakamura E., Makishima, A., Hagino, K., Okabe, K., Accumulation of radium in ferruginous protein bodies formed in lung tissue: association of resulting radiation hotspots with malignant mesothelioma and other malignancies, Proc. Japan Acad. Ser. B, 85, 229-239, 2009.
邦訳版:中村栄三、牧嶋昭夫、萩野恭子、岡部和倫 「肺組織中の含鉄タンパク質小体へラジウムが蓄積し、そのラジウムの蓄積がホットスポットとなって局所的な内部被ばくを引き起こし、悪性中皮腫やほかの悪性腫瘍の原因となる」
いくらかはてな?と思うところはありますが、やはり読んでみてもアスベストと喫煙は単独で考察されている気がします。
アスベスト繊維はなくても肺に鉄が沈着することによって含鉄タンパク質の生成が誘発されるのかもしれない。すなわち肺組織に沈着した鉄に富む物質が、形や鉱物相とは無関係に、分解してフェリチンを生成するようになるか、あるいは含鉄タンパク質の形成の核となると考えられる。 |
この推論の妥当性はともかくとして、筆者らはアスベストだとかタバコの成分だとか形や鉱物相とは無関係に肺に沈着した物質が鉄に富むことが重要であると考えているのだと思います。
喫煙がアスベストの影響を強めているとか弱めているとかそういう議論は積極的にしていません。
患者M(喫煙者)についてお聞きしたのもここに理由があります。
ホットスポット被ばくに関する妥当性の検証は正直私には手に余るのでmobanamaさんのこの「ホットスポット」の放射線で本当にがんが出来るの?(mobanama69号)を参照してください。
ああ、すみません、「もうちょっと続くぞい」が一番上にあったので下を読まずに「続きを期待します」なんて馬鹿なコメントを残してしまいました。ああ穴を掘って埋まってしまいたい(恥)
ただ、論文を読んでいるとホットスポット説もありえるかもなーなんて思ってしまうのは素人だからでしょうか。
ただし肺からの鉄分の摂取は推奨していませんのであまり試されませんように。
むしろ連続的な喫煙(習慣的な喫煙と言ってもいいと思います)は肺胞マクロファージの処理能力を超えて鉄を含む粒子の蓄積を招くと言っています。その後は上記のメカニズム(仮説)をご覧ください。
特に要約内容を訂正する必要性を感じないのですが、解釈を間違えてる部分等ございましたらご指摘ください。
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無題
お疲れ様です。
アスベストには、発がん性を持つ物質は含まれていないので、なぜ発がんするのか謎だったんです。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~haruo/techo/katusanso.htm
/
典型的な発がん物質と違って、アスベストの繊維はDNAに結合しないため、DNAの障害が癌の原因という通常の考え方が通用せず、長い間、謎になっていたのです。
近年の研究から、アスベストが活性酸素を生成し、これが発がんにかかわることを示す事実がいろいろと見つかったため、現在では「活性酸素発がん説」が有力となっています。
/
なお、もし、喫煙によって、ラジウムが濃縮されて発がんするなら、原因は喫煙ですよ。
アスベストには、発がん性を持つ物質は含まれていないので、なぜ発がんするのか謎だったんです。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~haruo/techo/katusanso.htm
/
典型的な発がん物質と違って、アスベストの繊維はDNAに結合しないため、DNAの障害が癌の原因という通常の考え方が通用せず、長い間、謎になっていたのです。
近年の研究から、アスベストが活性酸素を生成し、これが発がんにかかわることを示す事実がいろいろと見つかったため、現在では「活性酸素発がん説」が有力となっています。
/
なお、もし、喫煙によって、ラジウムが濃縮されて発がんするなら、原因は喫煙ですよ。
無題
なるほど。ベースの知識があるとどこが面白くてどこが問題かが見えてきますね。
アスベストの発がん性は繊維状の形状であればOKなんだと思ってました。メカニズムは考えたことがなかったですね。
個人的には活性酸素発がん説と今回のフェリチン小体説は矛盾しないような気がします。
メカニズムの1【鉄に富む物質(タバコの煙成分や青・茶石綿など)を吸引しそれが肺に沈着】が起こった後にいくつか経路が分かれていると考えることもできます。
しかし
>悪性中皮腫は、肺に起因するがん細胞によって引き起こされる?
とするとアスベストを抜きにしても喫煙と中皮腫の相関関係ぐらい見えてもいいんじゃないかなと思います。
ここの部分をもう少し明確にしてほしいですね。
というわけでメカニズムの解明という観点で考えるのならばこの報告はまだ保留しておくべきでしょう。
>なお、もし、喫煙によって、ラジウムが濃縮されて発がんするなら、原因は喫煙ですよ。
私にもそう読めるんですけどね…。
アスベストの発がん性は繊維状の形状であればOKなんだと思ってました。メカニズムは考えたことがなかったですね。
個人的には活性酸素発がん説と今回のフェリチン小体説は矛盾しないような気がします。
メカニズムの1【鉄に富む物質(タバコの煙成分や青・茶石綿など)を吸引しそれが肺に沈着】が起こった後にいくつか経路が分かれていると考えることもできます。
しかし
>悪性中皮腫は、肺に起因するがん細胞によって引き起こされる?
とするとアスベストを抜きにしても喫煙と中皮腫の相関関係ぐらい見えてもいいんじゃないかなと思います。
ここの部分をもう少し明確にしてほしいですね。
というわけでメカニズムの解明という観点で考えるのならばこの報告はまだ保留しておくべきでしょう。
>なお、もし、喫煙によって、ラジウムが濃縮されて発がんするなら、原因は喫煙ですよ。
私にもそう読めるんですけどね…。
ラジウムは肺がんになるのでしょうか
ラジウムは肺がんを誘発するのでしょうか 私肺がんで5年前手術しました 再発を心配してラジウム岩盤を風呂に入れ入浴していますが研究発表を知り心配になりました 即中止しをしたほうがよいのでしょうかよろしくお願いいたします
Re:ラジウムは肺がんになるのでしょうか
コメントありがとうございます。
ごく微量の放射線は逆に体に良い、というホルミシス効果を期待してのことですね。
ラジウム岩盤浴は程度の一過性の被ばくはそう問題ないと思われますが、後ほど詳しく調べて返答させていただきます。
ごく微量の放射線は逆に体に良い、というホルミシス効果を期待してのことですね。
ラジウム岩盤浴は程度の一過性の被ばくはそう問題ないと思われますが、後ほど詳しく調べて返答させていただきます。
無題
>土倉正行さん
現在、エントリを書いているのですがどうも時間がかかりそうなので先に結論だけお伝えしておきます。
ラジウム自体には放射能がありヒトに対しての発がん性が確認されています。
土倉さんがどのようなものをお使いかわかりませんが、ラジウム岩盤が「基準を守っていれば」発がんの心配をする必要はありません。
むしろ不安でいることは身体にとってあまり良くないので、あまり気負わずに無理せずに自然体でいることが一番だと思います。
また、湯船に浸かって身体の芯まで温まりリラックスすることはとても良いことです。
最後に、本エントリでは説明を省いたホットスポット仮説については次のエントリで詳しく書こうと思っていますが、この論文のいう「ラジウムの発がんメカニズム」とラジウム岩盤浴の「極微量の放射線被曝」は全然違う話です。
通常、体内に入ったラジウムは数日で排出されますが、論文では蓄積・濃縮され、高濃度のラジウムからの放射線が10年、20年かけてゆっくりと肺の細胞をがん化する可能性がある、と言っています。
ラジウム岩盤浴はせいぜい1日に1時間程度ですよね。
濃度とか、被曝量が全然違うのです。
ちゃんと返答になっているか怪しいのですが、他にも疑問点がありましたら私に答えられる範囲でお答えします。
現在、エントリを書いているのですがどうも時間がかかりそうなので先に結論だけお伝えしておきます。
ラジウム自体には放射能がありヒトに対しての発がん性が確認されています。
土倉さんがどのようなものをお使いかわかりませんが、ラジウム岩盤が「基準を守っていれば」発がんの心配をする必要はありません。
むしろ不安でいることは身体にとってあまり良くないので、あまり気負わずに無理せずに自然体でいることが一番だと思います。
また、湯船に浸かって身体の芯まで温まりリラックスすることはとても良いことです。
最後に、本エントリでは説明を省いたホットスポット仮説については次のエントリで詳しく書こうと思っていますが、この論文のいう「ラジウムの発がんメカニズム」とラジウム岩盤浴の「極微量の放射線被曝」は全然違う話です。
通常、体内に入ったラジウムは数日で排出されますが、論文では蓄積・濃縮され、高濃度のラジウムからの放射線が10年、20年かけてゆっくりと肺の細胞をがん化する可能性がある、と言っています。
ラジウム岩盤浴はせいぜい1日に1時間程度ですよね。
濃度とか、被曝量が全然違うのです。
ちゃんと返答になっているか怪しいのですが、他にも疑問点がありましたら私に答えられる範囲でお答えします。
無題
先生お忙しいところありがとうございました 世の中には本当に親切な方がいられること知り大変に嬉しく勇気ずけられました とくにガンになったものは不安感がなかなか消えなく神経質になります 今回忙しい中早急にアドバイスをいただき安心いたしました 心より感謝申し上げます
無題
いえ、先生と呼ばれる身分ではないもので、本当に素人に毛が生えたようなものですので、定期健診の際にお医者さんにお聞きになるのがよろしいかと思います。
がんは治療が難しく、また再発率の高い病気ですので手術が成功しても不安な日々を過ごされてきたかと思います。
ですが、せっかく手術も成功されたのに心配ばかりしていてはもったいないです。
私など足もとにも及ばないほど親切な方はたくさんいらっしゃいますし、がんに関する相談を(無料で)受け付けてくれる医療機関もあります。
http://ganjoho.ncc.go.jp/pub/hosp_info/index_03.html
不安を感じたら相談してみて下さい。
がんは治療が難しく、また再発率の高い病気ですので手術が成功しても不安な日々を過ごされてきたかと思います。
ですが、せっかく手術も成功されたのに心配ばかりしていてはもったいないです。
私など足もとにも及ばないほど親切な方はたくさんいらっしゃいますし、がんに関する相談を(無料で)受け付けてくれる医療機関もあります。
http://ganjoho.ncc.go.jp/pub/hosp_info/index_03.html
不安を感じたら相談してみて下さい。
無題
鉄カルボニル、ニッケルカルボニルという物質は蒸気の毒性が高いですが、もしかすると同じ原理で発がん性があるのではないか、と思いました。
ただ、タバコなどよりはるかにまれな物質ですので、あまり研究されることはないと思いますが。
ただ、タバコなどよりはるかにまれな物質ですので、あまり研究されることはないと思いますが。
Re:無題
コメントに気付かなくて失礼しました。
鉄カルボニルやニッケルカルボニルは急性毒性がものすごく強いですね。
蒸気になると皮膚からも吸収されることがあるとなると取扱いは厳重になり動物実験もしにくいでしょうし、そうすると一般的に曝露する人が限定されますのでなかなか知見は集まりにくいでしょうね。
ただ、肺に取り込まれやすい二価の陽イオンを作る微量金属元素ならば原理的には十分考えられます。
また、鉄の鋳造環境や、ニッケル化合物はIARCの発がん性リスクとしてGroup1に含まれているようですので、気化した鉄やニッケル、イオン化したニッケルの大量摂取なんかには発がんリスクがあるんじゃないかな、とは思います。
鉄カルボニルやニッケルカルボニルは急性毒性がものすごく強いですね。
蒸気になると皮膚からも吸収されることがあるとなると取扱いは厳重になり動物実験もしにくいでしょうし、そうすると一般的に曝露する人が限定されますのでなかなか知見は集まりにくいでしょうね。
ただ、肺に取り込まれやすい二価の陽イオンを作る微量金属元素ならば原理的には十分考えられます。
また、鉄の鋳造環境や、ニッケル化合物はIARCの発がん性リスクとしてGroup1に含まれているようですので、気化した鉄やニッケル、イオン化したニッケルの大量摂取なんかには発がんリスクがあるんじゃないかな、とは思います。
微生物観察好き人
私も微生物観察が好きです。超常現象やオカルトにも興味があります。人や動物は生まれる前は何だったのか、死んだ後にはどうなるのか?そうした問いには現代科学は全く答えてくれませんね。微生物の中には不死のものもいます。そうした微生物から進化して多細胞生物になったら、死んでしまえばお仕舞いだと言う現代思想はおかしいと思っています。癌なども、現代科学を根本から破壊して、新しい科学を作り直さなければ完全な治療方法は見つけられないと思っています。
Bergkristallさんへ
お返事が遅くなって申し訳ありません。
ヒトや動物は精子と卵子が受精して卵割を始めたときに初めて生命としての活動をするのではないかな、と個人的には考えています。ここの部分も人によって解釈は違うのでとても難しい問題ではあります。
たとえば「死産」という言葉一つをとっても、医学的な定義では妊娠22週以降のことを指しますが、法律の上では妊娠12週以降ということになります。しかし、ではそれ以前には人として認められないのか、どこから人として認められているのか。これに関してはとても興味があります。
ただ、哲学的な問い、あるいは、魂が存在するものとしての問いに関して答えるすべは今の科学にはありませんし、おそらく魂が科学の範疇にならなければ将来的にもその問いには答えられないでしょう。
>微生物の中には不死のものもいます。そうした微生物から進化して多細胞生物になったら
大きな勘違いをされていると思うのですが、進化の道筋は一本道ではありません。
微生物と動物、植物はおそらく同じ生物から枝分かれしたものです。しかし、微生物は微生物なりに「進化している」のです。決してその場で足踏みをしているわけではありません。ヒトと微生物は枝分かれした瞬間から別々の道を歩き出し、その距離はもう何千万年分も離れているのです。
たとえば、私たちは卵(子)や精子などの一つの細胞を凍結保存し、その後に融解させて受精させる技術を持っています。しかし、その技術をもってしてもヒト一人を凍結させることはできないのです。
ヒトと、ヒトの細胞でも同じものとして扱えません。
同様に、ヒトと微生物も同じものとして扱えません。
それとはまた別に、人と人は別個の存在です。
人の数だけ考え方があります。
「死んでしまえばおしまい」と考える人もいるでしょうし、「肉体の死は生命としての死ではない」と考える人もいるでしょう。しかし現段階において死者と生者を分けるのは社会的には正しいです。すでに死んだ人に年金が支給されるなら生きてる人に回してくれ、と誰もが思うでしょう。
一つ言えることは、自らの思想の正しさの根拠に科学的な正しさを求めてもしょうがないということです。
現代科学を根本から塗り替えるような「新しい科学」というのを、それこそ私は待っているのです。超常現象では「現代の科学では解明できない」というフレーズがよく使われます。しかし、解明できるような「新しい科学」は本当に存在するのでしょうか。それは私たちの妄想の中にだけあるものかもしれません。
科学者は「新しい科学」を恐れていませんよ。医療従事者であれば「どんな科学でもいいから一人でも多くの人を治せる治療法」を求めるでしょう。
しかし「新しい科学」の確からしさが示されない限りは「現代の科学」がもっとも確からしい、もっとも信頼性が高いという事実は揺るぎません。
私は科学に万能さは求めていませんが、より多くの事象を説明できる柔軟さは強く求めています。
このコメントで「ヒト」と「人」を明確に区別して使いました。
それがどういうことか、少し考えてみてほしいのです。
ヒトや動物は精子と卵子が受精して卵割を始めたときに初めて生命としての活動をするのではないかな、と個人的には考えています。ここの部分も人によって解釈は違うのでとても難しい問題ではあります。
たとえば「死産」という言葉一つをとっても、医学的な定義では妊娠22週以降のことを指しますが、法律の上では妊娠12週以降ということになります。しかし、ではそれ以前には人として認められないのか、どこから人として認められているのか。これに関してはとても興味があります。
ただ、哲学的な問い、あるいは、魂が存在するものとしての問いに関して答えるすべは今の科学にはありませんし、おそらく魂が科学の範疇にならなければ将来的にもその問いには答えられないでしょう。
>微生物の中には不死のものもいます。そうした微生物から進化して多細胞生物になったら
大きな勘違いをされていると思うのですが、進化の道筋は一本道ではありません。
微生物と動物、植物はおそらく同じ生物から枝分かれしたものです。しかし、微生物は微生物なりに「進化している」のです。決してその場で足踏みをしているわけではありません。ヒトと微生物は枝分かれした瞬間から別々の道を歩き出し、その距離はもう何千万年分も離れているのです。
たとえば、私たちは卵(子)や精子などの一つの細胞を凍結保存し、その後に融解させて受精させる技術を持っています。しかし、その技術をもってしてもヒト一人を凍結させることはできないのです。
ヒトと、ヒトの細胞でも同じものとして扱えません。
同様に、ヒトと微生物も同じものとして扱えません。
それとはまた別に、人と人は別個の存在です。
人の数だけ考え方があります。
「死んでしまえばおしまい」と考える人もいるでしょうし、「肉体の死は生命としての死ではない」と考える人もいるでしょう。しかし現段階において死者と生者を分けるのは社会的には正しいです。すでに死んだ人に年金が支給されるなら生きてる人に回してくれ、と誰もが思うでしょう。
一つ言えることは、自らの思想の正しさの根拠に科学的な正しさを求めてもしょうがないということです。
現代科学を根本から塗り替えるような「新しい科学」というのを、それこそ私は待っているのです。超常現象では「現代の科学では解明できない」というフレーズがよく使われます。しかし、解明できるような「新しい科学」は本当に存在するのでしょうか。それは私たちの妄想の中にだけあるものかもしれません。
科学者は「新しい科学」を恐れていませんよ。医療従事者であれば「どんな科学でもいいから一人でも多くの人を治せる治療法」を求めるでしょう。
しかし「新しい科学」の確からしさが示されない限りは「現代の科学」がもっとも確からしい、もっとも信頼性が高いという事実は揺るぎません。
私は科学に万能さは求めていませんが、より多くの事象を説明できる柔軟さは強く求めています。
このコメントで「ヒト」と「人」を明確に区別して使いました。
それがどういうことか、少し考えてみてほしいのです。
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