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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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カテゴリ分けに超悩みましたがこれは血液型性格判断の話ではないので雑感にしました。

なにげにABO FANさんってすごいや!から続いています。

某ABO FAN氏のコメントを見ていたら十二国記の図南の翼を思い出したのでちょっと長いけど引用してみる。
ちなみに「心理学者と同じ方法を用いています」というようなコメントです。

時系列順に必要なところだけ抜き取ってるので少し意味が通らないかも。

黄海に入り、煮炊きをしていたところに妖魔の襲撃があり数人が犠牲になった。

『頑丘は火が危ないことを知っていたのに、教えなかった(中略)頑丘は黄海の専門家(なのに)』
「火は危ない。だが、それが必要なこともあるんだ。なまじ危ないからよせ、などと言ってみろ、次には必要があって使うときにも、やめろだ何だと騒ぐに決まっている。そもそもそれさえ知らないような素人が、黄海に入ること自体が無茶なんだ。俺は確かにお前に雇われちゃいるが、ここにいる人間の全部の無謀のつけを払ってやる気はないからな」

(中略)

『室さんと聯さん。特に室さんって、妙な人だわ』
(中略)
『だって今もほら、同じように倒木のそばに天幕を張ってるじゃない?あの人、必ずあたしたちの真似をするのよね』
「そのほうが安全だと思ってるんじゃないかな」
『それは分かるけど。でも、室さんの集まりなんて、随従だけでも四十人からいるんじゃない。あんな大所帯が、あたしたち三人の真似をしてどうするのかしら』
珠晶は賑やかな(室)季和たちの一行を見やる。頑丘がこの場を野営地に選んだのは分かる。常にこうやって物陰に隠れるようにして野営地を定めるのだ。だが、さすがに季和の一行は、大人数なだけに隠れるも何もない。
「そうだねえ……」
『訊けばいいと思うの。この大所帯をどうすればいいんだ、って頑丘なり剛氏なり誰かに。でも、室さんって、常にこっちの動きを気にして真似をするくせに、絶対にどうしよう、なんて訊いてこないのよね』
「珠晶なら訊くかい?」
『もちろんよ。慣れた人のほうが、どうすればいいのか、分かってるに決まってるもの。黄朱はみんな少人数の旅だけど、大人数がどうすればいいか、知らないわけじゃないと思うの』
(中略)
「だから、訊けば教えてくれるわけだ、剛氏たちも。私もどこかの州師から来たって人たちが剛氏に道を訊いているのを見かけたよ。室さんは訊かない。聯さんも訊かない」
『……そういうことになるわね』
「頑丘は秘密にしたいわけじゃないと思うよ。訊く気のない人に言うのが嫌なんだよ」
『それ、教えてくれ、って乞われるまで教えないってことでしょ?だったらやっぱり、勿体をつけてる、って言わない?』
「少し違う気がするけどね」

(中略)

道中の沼には人を咬む蛭がいる。だから皮で足を保護して渡らないと痛い思いをする。室さんの随従も怪我をした。

『室さんはどうして、剛氏にどうやって渡ればいいか訊かなかったの?』
珠晶が言うと、季和は驚いたように瞬いた。
「いや、もちろん、剛氏たちが布や皮を足に巻いていたのは知っていたよ。だから、こちらも見よう見まねで布で覆ったのだけど、なにしろ剛氏の持ってるような、あんな皮の帯なんてのはそもそも用意してなかった。それで怪我人を出してしまったわけだけどね」
(中略)
『あたしなら、頑丘よりも黄海に詳しい人がここにいたら、その人にどうすれば安全に旅をすることができるのか、訊くわ』
「教えてくれないんだよ、剛氏は」
(中略)
「訊くだけなら、それとなく家生(使用人)に訊かせてみたよ。けれども剛氏の言うことは要領を得ない。(中略)まあ、剛氏の気持ちも分かるがね。誰もが黄海を行く智恵を身につけてしまえば、剛氏の値打ちは下がる。商売はあがったりだ。こう言っちゃあ何だが、剛氏はね、我々のような素人が横で多少苦労してくれないと、主人に対して面目をなくすのさ。誰もが造作もなく蓬山に行って帰ってきたんじゃ、主人だって残りの半金を払い渋るだろう」
『そういうものかしら』
「珠晶には汚らわしく見えるかもしれないが、それが商売というものだよ」

(中略)

道を塞ぐように木が倒されていた。どうやらその先に妖魔がいるため迂回しなければいけない。また人の気配や血の臭い、焚き火は妖魔を呼び寄せる可能性があったため煮炊きは禁止された。しかし馬車や荷を捨てることを嫌った室さんは倒木を除けて突き進んだ。

『火は焚かないほうがいいって』
珠晶は止めたけれども、季和は驚いたようにするばかり。
「火がないと、何も食べられない」
『でも、剛氏たちが焚き火はするなって言ってたでしょ?倒木を超える前』
「もう私たちはあそこを越えてしまっているんだよ」
驚いたようにされて、珠晶のほうが目を丸くしてしまった。
道の先に妖魔がいる。(中略)人の気配や焚き火や、血の臭いがその妖魔を呼んでしまうかもしれないから。だったらその妖魔に近づいている今、同じようにしなくてどうするのだろう。
『あれは――あそこでは、倒木の下の、あの場所では煮炊きをするな、という意味じゃないのよ。火は危険なの。だから』
「火が危険?」
『だから剛氏はあんなに火を小さくして、すぐに消していたじゃない』
「もちろん、すぐに消すとも、珠晶」
『でも、こんなところで――』
季和は馬車を道沿いの木の下に停めている。それにさしかけるようにした天幕は、広くなったその場所に完全に露出しており、そこから少し離れた場所に焚いた火は、光を遮るものがない。それは剛氏たちがするように木の枝で囲まれていたけれども、そうやって囲うことに何の意味があるのか分からなかった。
ああも頑丘が気をつけていれば、説明されなくても意図は明らかだ。木の下に寝るのは、梢が明かりや人や騎獣の姿を隠してくれるからだ。特に妖鳥(空を飛ぶ妖魔)の目を遮るため。だから隠してくれる枝が高い位置にあれば、縄で枝を引き下ろしてでも軒を作った。焚き火の周りに枝を置くのは、火の明かりができる限り見えないようにするため、いくら焚き火の周囲を囲っても、露天で焚いていたのでは意味がない。
『室さん、焚き火の周りの枝は……』
季和は先を遮った。
「ああ、あれか。珠晶は見ていなかったかい?珠晶のところの猟尸師もああしていただろう。風避けだろうか、それとも何かの呪いだろうかね。猟尸師は妙なことをする。(しかし)ああする以上は、何か意味があるんだろうね」
この男は、と珠晶は愕然とした。剛氏の後をついて歩いて、いろんなことを真似しながら、どうして剛氏がそんなことをしているのか、理由や目的を何一つ考えていないのだ。ただ、やみくもに真似さえすれば安全なのだと思っている
『室さん、お願いよ、あれを消して』
(中略)
『黄朱が火を消すのは、火が危険だからよ。妖魔は、焚き火があれば、そこに人がいるんだってことを知っているの。焚き火を目掛けてやってくるのよ……!』
季和は目をまんまるに見開いた。ぽかんと口を開けて、それから大声を上げる。
「――火を消せ!すぐに消しなさい!!」
(中略)
周囲が真っ暗になり不安になった者が季和の元に集まった。

『大きな木の下なら(焚き火をしても)大丈夫よ。できるだけ葉の繁った、しかも低いところに枝のある木を選んでその下で――』
「冗談じゃない」
季和は恐ろしいことを聞いたように震え上がった。
「妖魔は焚き火を目掛けてくるのだろう?」
『そうよ。だから、木の下で、小さく焚いて、見えないように枝で囲って――』
「そんなことで火の明かりが遮られるわけがないじゃないか!」
『でも』
「枝を通しても明かりは見えるのじゃないかね。それでなくても妖魔は夜目が利くのだろう?だめだ、だめだ、火は絶対に焚くんじゃない」
『それじゃあかえってあたりが見えなくて危険だわ。今夜みたいに月の光がないときには、寝場所から離したところに一晩じゅう火を焚いておくのよ。上に枝を被せて、消えないよう、燃えすぎないようにしておくの』
「あたりが見えるということは、あたりからだって火が見えるということじゃないか」
『そうなんだけど』
「ということは、みすみす妖魔に襲ってくれと言うようなものじゃないか」
『だから寝場所からは離して――』
「だめだ。そんな危険は御免だよ、私は」
珠晶は懸命に説明しようとしたが、季和は火を目掛けて妖魔が来るのだ、という考えに取り憑かれたようで、まったく聞く耳を持たなかった。
『呆れた。……何て分からず屋なの』
強調は引用者による。また、(括弧)の中および斜体は引用者による補足。

以下のように置き換えると理解しやすいかな?
黄海=研究対象
火=方法(統計)?ちょっと置き換えが難しい。
室さん=A氏
珠晶=『』のセリフ=論者のみなさん
黄朱=科学者・研究者
剛氏=心理学者
頑丘=猟尸師=物理学者

本当に書きたかったのは強調部分だけなんですが、そこだけだと伝わらないので必要な部分をいろいろ引っ張ってきました。
これは結構論じなければただの転載になってしまうのですが、正直語ることはありません。
ABO FANさん用:Interdisciplinaryな掲示板を読めば理解できると思います。ああ、でもそれは負担が大きいなぁ。
たぶん、ほとんどの人が『呆れた。……何て分からず屋なの』と思ってるし『いろんなことを真似しながら、どうして剛氏(=心理学者)がそんなことをしているのか、理由や目的を何一つ考えていないのだ』と思ってることでしょう。理由や目的が一番大事なのにね。
おそらく氏は『ただ、やみくもに真似さえすれば安全(=正しい)なのだと思っている。』のでしょう。
だからそれは安全じゃない、正しくないという人の言い分が理解できないのだと思います。
氏は室さんのように火を捨てなかったけど、たぶん火の使い方を理解していないから妖魔を呼び寄せてるんだと思う(笑)今はまだ心理学者の真似さえすればそれでいいんだと思ってるんだしね。


十二国記は超おすすめなのでぜひ読んでください。と宣伝してみる。
特に図南の翼は大好きな話なのでもう数十回読んでます。これを読むと今まで小生意気な!と思っていた人でも珠晶が好きになるはず(笑)
というか、今日本屋さんで講談社文庫版の十二国記を手に取ってみたのですがもう二十刷まで行ってるのですね!すごい!でも私は山田章博さんの挿絵が好きなので講談社x文庫(ホワイトハート)派です。
でも図南はアニメにはなってないんだよねぇ。残念だ。

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