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血管に付着したカルシウムを食事で除去することは可能なのでしょうか?(Yahoo!知恵袋)
に対する回答。
カルシウムは動物性でプラスイオン系ですから、マイナスイオン系の食品で、カリュウム・マグネシューム・を含んだ野菜類が良いですね。 |
ど…どこから突っ込んだらいいですか?
へー。カルシウムは動物性なんだー、とか、カリウムもマグネシウムはマイナスなんだー、とか?
そもそもプラスマイナス、酸性アルカリ性で安易に分けられるものじゃないでしょうに。
Ca2+の沈着というよりはCa化合物の沈着でしょう。
それを取るのにK+やMg2+を?
まあ確かに「かそうかなまああてにするな~」だと、MgよりCaの方がイオン化しやすそうですけど、Kは無理じゃないかなー。
水溶性のところ(血液)で沈着してるってことはそう簡単には剥がれないんじゃないかなぁと思うんですが……うーん、情報が溢れててどれを信じたらいいかわからないなぁ。
あとちょっと検索した中で、キレート療法(キレーティング療法)を勧めているクリニックがいくつかあったのだけど、キレート療法ってのはイオン化してない金属にも有効なのだろうか。血液中に流れていて沈着する前の金属イオンになら効果はありそうだけど、すでに沈着しちゃったものも除去してくれるんだろうか。
……今度調べてみよう。
こればっかりで課題が積み重なってくわ。
首都圏在住の20~59歳までの男女の喫煙者・非喫煙者各400人ずつ(計800人)に対して行われたアンケート。
約1か月前の調査なのですが今日知りました。
livedoorでも何回もニュースになってるのに誰も騒いでくれないから気づきませんでした。
結構興味深いです。
多くの喫煙者は非喫煙者が喫煙を迷惑だと感じていることを理解しており、それに対して最大限の配慮をしている。
非喫煙者には当たり前だというかもしれないけれど、当たり前のことを当たり前だと自覚するのは結構難しい。喫煙者は周囲の目を常に意識していなければいけない環境にあるのかも。早急に分煙環境を整える必要がある。
Q1:JRの前面禁煙に関して、非喫煙者の98.7%、喫煙者の41.1%が賛成している。圧倒的多数の非喫煙者は公共の場での禁煙の流れは迎合すべきものであると言えるだろう。
Q2:賛成する理由として、85.4%の喫煙者は「周囲の人に迷惑がかかるから」と回答している。
Q3:非喫煙者が喫煙しない理由として「健康に悪いから」が81.0%である。非喫煙者に対しては能動喫煙の害は広く知られていることがわかる。喫煙者に対してはどうなのか。
Q4:喫煙者の51.0%はこれからも喫煙し続ける。10.5%は喫煙を止めると答えた。
Q5:禁煙場所で喫煙したくなった場合95.8%は我慢すると答えた。多くの人はルールを守って喫煙している。
Q6:有効回答数17人は少ないと思う。
Q7~9:省略
Q10:タバコが増税されれば喫煙者が減るとする回答が喫煙者・非喫煙者ともに最多だった。興味深いのは条例で「喫煙禁止場所での喫煙に罰金を科す事を徹底する」という選択肢で、非喫煙者の60.3%が有効であると考えているのに対して非喫煙者では26.0%が有効であると考えているにとどまる。
つまり、喫煙禁止場所での喫煙による罰金は抑止力にはならないと考える喫煙者が多いのではないか。
それよりもタバコが違法になる、タバコが高くなることの方が喫煙をやめるかどうかに大きく影響する。
Q11、12:多く(半数以上)の非喫煙者が公共の場が禁煙・分煙になってないことがおかしいと感じている。いくらかの喫煙者はプライベート空間が禁煙・分煙になっていることをおかしいと感じている。
これらは相反するものではない。プライベート空間では存分に喫煙し、公共の場では禁煙にすることが分煙の第一歩ではないのか。
Q13:喫煙場所が少なくなり、見つけにくいと考える喫煙者が多い。喫煙場所の案内はわかりやすくすべきだと感じる。特に分煙を心掛けるのであれば喫煙者への配慮は不可欠だろう。
Q14から。タバコ増税の限界は927.6円とあるが、実際のグラフを見ると500~599円と1000~1999円に大きなピークがあるのが見て取れる。つまり、タバコが900円になったら喫煙者の30%がタバコをやめ、2000円を超えたらさらに30%の喫煙者がタバコをやめるということだろう。
※増税と書いてあり、さらに日本のタバコ税は61.1%らしいが、計算が面倒くさいのでタバコ代300円+増税分で考えた。
血液をサラサラにした |
そもそも私は血液サラサラというのに懐疑的なわけですが。
in vitroでサラサラだからといって身体の中でどうなってるかはわからないじゃないですか。
また、in vitroのサラサラと血管の詰まり具合ってのは何か統計学的な調査がされているんでしょうか?
というかWikipediaに記事があったことに吃驚です→血液サラサラ(Wikipedia)
脳梗塞になりかけているということは、血液ドロドロ、サラサラの問題というよりも、血管が狭くなっているところを広げる手術をするとか、血栓を溶かす薬を処方してもらうとか、そういうことが必要なんじゃないかと思うんですけど。
玉ねぎでなんとかなるなら、サラサラにすると言われている食べ物を摂取すればなんとかなるなら、脳梗塞の人の半分は病気になってないんじゃなかろうか。
なんだかものすごく不安です。
親御さんは大丈夫なんでしょうか。
この記事は
喫煙と肺がんの因果関係を調べるのに疫学以外に何を用いろと??(azure blue)
埼玉医大の竹本教授(azure blue)
から続いています。
今度はアスベストと喫煙と発がん性物質の話です。
実は、竹本氏の名前だけがわかっている状態でPubMed検索しました。
今回はそこからスタートです。
……PubMedでTakemoto Kazuoでヒットしないってどういうことなの。1970年代の論文も引っかかるし、1986年以降の論文なら結構引っかかってくるのに。
あんまり論文検索しないけどPubMedで医療系の論文引っかかってきますよね…?
CiNiiで引っかかってきた。CiNii初めて使ったよ。
なるほど。論文要旨集もあるけど、農芸化学大会の要旨はほとんどヒットしないのね。そりゃ1回であんなに発表があるもんなぁ。あの時点で石ころばっかりだしね(内容的に)。
一つ便利なのは自分の大学のOPACの検索結果とつないでくれることだね。医学部図書館にあるらしいけど、遠いし入れないし無理。
石綿によるラット肺・胸膜腫瘍発生に及ぼす喫煙およびN-bis(2-hydroxypropyl)-nitrosamine(DHPN)の影響:Japanese journal of industrial health;産業医学, 33(2),pp.81-93(1991)
職業性肺癌 : 症例と動物実験成績の対比から:Japanese journal of industrial health:産業医学,29(5),pp.345-357(1987)
あたりが関連性がありそう。
完璧に斜め読みですが、石綿の論文において教授は喫煙は肺がんのプロモーター(促進に寄与している)であると言っています。石綿に比べて喫煙の影響は小さいって言ってますが、投与方法がそもそも、
・喫煙:石綿投与1ヶ月後から、煙の充満した箱で1日10本分の煙を与える(ETSの受動喫煙)
・DHPN:石綿投与2ヶ月後から、1g/kgを腹腔内投与
これでは比較できないでしょう。
一般人と比較して、石綿暴露非喫煙者が約12倍、石綿暴露喫煙者が約92倍の肺がん発症率なんですから、受動喫煙程度だったら非喫煙者あるいは軽度の喫煙者に含まれ得ると考えます。
まあ、石綿の話がしたかったんでしょうからしょうがないですけど、そうすると喫煙の話はあまり広げるべきじゃなかったのではないかなと思います。
喫煙の話をしたいのならその場合のコントロールは『喫煙のみ』+経気道肺内注入法(かそれに同等の方法)で粒子相+ガス相(10、15、30 mg)を用いるべきなんじゃないかしら。
実際に『アスベストのみ』と『DHPNのみ』はこの実験で置いてるんですから。
竹本氏は、
喫煙はイニシエーターとしての作用は不確実であるが、プロモート作用は明確であり、同時に実施したディーゼルエンジン排ガスがより強い発がん作用を示した。 喫煙と肺がんおよびその他のがん |
と言っていますが、簡単だったんですよ。
先の実験で『喫煙のみ』を置けばよかったんです。
いくらプロモート作用が強くてもイニシエーターがなければ始まりません。
イニシエーターとしての作用があることを知りたければこの実験で『喫煙のみ』の対照群を作るべきでした。
現在の知見では喫煙は肺がん、特に喫煙と肺扁平上皮がんのイニシエーターでありプロモーターであることが明らかになっています。あ、もちろん疫学ベースで。
そのことは竹本氏も認めていて、以下のように書いています。
北川らは、肺がん手術例の喫煙習性を組織型別に調査し、肺転移がんとオッズ比を比較し、従来の成績に類似した結果を得ている。喫煙者に肺がんが発生する相 対危険度は男性で非喫煙者の4.2倍、女性で2.1倍であった。組織型別にみると、男性の扁平上皮がん27.8倍以上、小細胞がん7.5倍以上、大細胞が ん5.6倍以上となるが、腺がんは1.5倍、女性の腺がんは1.3倍であり、組織型による差が大きく、喫煙と腺がんとの関係は弱いと想定した。腺がんの組 織亜型別に検討する必要性を指摘している46)。 喫煙と肺がんおよびその他のがん |
つまり、扁平上皮がんと喫煙の関係性は極めて強いが、腺がんと喫煙の関係性は極めて弱いものであるのでひとくくりに肺がんと言ってもその原因は多岐に渡る可能性がある(実際に要因は多いと思います)と言っているにすぎないのです。
最後に。
別に竹本氏は能動喫煙と肺がんおよびその他のがん、疾病の因果関係を認めていないわけじゃないんですよね。喫煙以外の要因が軽視されているけどもっとちゃんと考慮してもいいんじゃないかって言ってるだけで(とても好意的に見た見解ですよ)。
というか、擁護しきれないほど明らかな因果関係がある、って言ってしまってもいいんじゃないかと思うんですが、擁護という言い方は穿った見方をしすぎですか。
能動喫煙と肺がんおよびその他の疾病との因果関係を認めている竹本氏のデータを引用しつつ
「能動喫煙と肺がんの関連性は明らかじゃない」
って言うのはなんだかなぁって思います。
別に言ってもいいんですけど、そもそも彼らが能動喫煙と肺がんの因果関係を認めないのは疫学という調査の短所というか限界を突いてきているわけですよね。
一般的には疫学調査だろうとその他の方法だろうと中身を吟味してどのくらい信用できるかを判断するわけですけど、一部では「疫学調査だったら中身の優劣に関わらず端から相手にしない」という人もいるわけです。
で、今回のuzukit氏に関しては「疫学調査だったら中身の優劣に関わらず端から相手にしない」とはっきりと言っているわけです。
そうすると今度はなぜ竹本氏を含む喫煙科学研究財団の疫学ベースの調査を信用するのかがわかりませんよね。
私は竹本氏のデータを信用しないわけじゃないです。ちょっとクリアじゃない部分があったり結論に首をひねる部分もありますけど、データ自体は正しいと思います。
だからこそ変な解釈を勝手に含めてしまうとそのデータの信用が落ちてしまうってことがわからないんでしょうか。
っていうか最初の時点で私の中での竹内氏の評価はかなり低いところまで落ちましたよ。名前も知らない時点で(笑)
予期せぬところで予期せぬ用いられ方をされるのは可哀想ですね。
こんなところで今回は終わりにします。
氏の主張をまとめをすると、
・喫煙と肺が黒くなることの間に明確な因果関係があるとは言えない
・肺が黒くなることと大気汚染に相関関係がみられる
・肺が黒くなること(肺の汚染度)と肺がんの発生に相関関係が見られる
・しかし喫煙と肺がん(特に肺扁平上皮がん)の因果関係は明らかである
・肺がんの種類は多岐に渡り、喫煙と扁平上皮がんの間には強い関連が認められるが、喫煙と腺がんの間には弱い関連しか見られない
・タバコに含まれる物質にはプロモート作用がある(イニシエート作用は不明確)
相関関係を因果関係と言い換えても特に支障はない気がします。
ただ、1980-1990年代の研究を2000年ごろにまとめているので、その当時としてすごく的外れなことを言ってるかというと……わかりません。
そのへんは今後調べます。
いっぺんに調べると訳がわからなくなるので……すみません。
文献調べたり考察したりは頑張ったつもりなんですけど、書くのはかなりやっつけに近いので間違い等ありましたらじゃんじゃんご指摘ください。
あと、もしかしたらどうでもいいかもしれない疑問なんですが、私が生物学的に人間の特徴を説明するときに「ヒト」って書くんですが、疫学的な話の場合は「人」の方が良いんでしょうか。
私が書き分けるのはどうでもよくないからなんですけどもちろん…うーん。
追記:タイトル修正
うわぁ!人の名前間違えるとか最低だすみません。
さらに追記:
本文まで……orz
一通り修正しましたが、まだありましたらご指摘ください。
竹内って私の住んでるアパートの名前…。竹って書くと自動的に内って書いちゃうんです本当にすみませんでした。
6/2追記:
そうそう。なんでこの記事を書いたか。その根本のコメントを載せるのを忘れていましたね。
私が竹本氏の動物実験の結果と肺が黒くなる実験を選んだ理由は以下のコメントからです。
blackrook368氏 確認しました。まあ、そもそもタバコ=肺がん発生原因つーのは恣意的な動物実験の基に産まれた事が問題なんだろうと思いますがね。私は、タバコ吸うと肺がんになると言う因果関係に関しては証明されて良い無い、とは言ってますが煙そのものが無害なんて言ってなかったりもします。結構ごっちゃにされますが…… ただ、タバコの煙に限った話では無いんですけどね。 uzukitさんのコメント |
>blackrook368氏 疫学ベースで十分であると思って無いから書いてるだけで。少なからず、一部の嫌煙者のアホを付上らせる以外の効果は 無いですし。癌の発生原因の最も大きな要因は「遺伝子」ですよね。更に言えば、タバコを吸うと肺が黒くなると言われてるあれ、埼玉医大の調査結果で因果関係が認められなかった話はご存知でしょうか。(大気汚染・職業暴露・加齢が主原因であるそうです)そういった、矛盾も色々出てる状況下、疫学の確率論ベー スの話を因果関係ありますとするのは非常に無理の有る話かと。 uzukitさんのコメント |
blackrook368=私。アカウントです。
あとは、コメントから疫学ベースの調査あるいは動物実験での結果だろうな、と予想がついたからです。
どうやらuzukit氏はlivedoorのコメント欄だけでなく知恵袋でもご活躍されているようなのでそのうち喫煙カテに質問を投下する予定ではいます。
いろいろ気になるところはあると思いますがここには書きません。145コメントちゃんと残っていますのでお時間があるならどうぞ。
喫煙者が迫害されることに関してはぷろどおむさんのタバコはなぜ迫害されるのか(ぷろどおむ えあらいん)が良い記事だと思います。それまでにも喫煙の害に関する記事は読んだことがあるんですけど、あの記事に出会ってワタクシ、目から鱗が10枚ほど落ちました。それから喫煙の害と喫煙に関する条約や条例に関して調べてみようかなと思いました。
それまでは喫煙者も嫌煙者も嫌いな嫌煙者(タバコの煙が嫌いな人)だったんですけど、もう少し踏み込んで考えてみようかなと思うきっかけになりました。
というわけでおすすめです。
6/10追記:
PubMed検索することがあったのでついでに「あれ?もしかしてKaduoなんじゃね?」と思って検索し直してみたけど「Kaduoなんてねーよ!(ノ`Д´)ノ」って怒られちゃいました。
「もしかしてもしかしてKadzuoなんじゃね?(SHIMADZU的な)」と思ったら2件ヒットした(笑)
でもKadzuo Tでは引っかかるのにKadzuo Takemotoでは引っかからないから竹本さんではないらしい。
やっぱり、ず(づ)=DZUっていうのはグローバルスタンダードなのかもしれない(笑)
でも日本人名表記で言えば、ず(づ)=ZUの方がずっと多いけどね。
探しましたよー。
失礼ながら私は竹本氏を存じ上げなかったのですごく調べました。
というかあまりにも情報が少なくてクラクラしました。
「埼玉医大 喫煙 肺」の検索結果→Yahoo! Google
特に日本パイプクラブ連盟の記事なんかはちゃんとソースつけとけ!と言いたくなります。
「黒い肺」はかなり衝撃的なので、確かに肺ガンになりそうだとか、たばこは体に悪いと思わせるアピールには効果的である。 ところが、この写真は極めて怪しい。 埼玉医大の研究によれば、人間の体内の細胞は新陳代謝によって日々更新されるから、肺も同じで、タール分が蓄積していって肺が真っ黒になるなんてことは有りえない。肺が黒くなるのには別の要因があって、喫煙が原因ではなく、大気汚染・職業暴露・加齢が主たる原因らしい。 |
このページに書いてあることはおかしいことだらけで、禁煙ファシズムを糾弾する前に(能動)喫煙と疾病の関連性についてもっとよく考えた方がいいと思います。まあ、今回は「肺が黒くなる」話とそれに関連する話だけを取り上げるのでその他は無視します。
タールの蓄積量が細胞の新陳代謝の速度を上回れば肺だって黒くなるでしょうに。
『喫煙と肺がん』『喫煙と肺の汚染』『肺の汚染と肺がん』のそれぞれの因果関係を一緒くたに語るべきではないというのは前回に話したので省略します。
っていうか、コピペするのは良いですけどリンク元をちゃんと提示するかソースを貼っておきましょうよー。
まったくルーズなんですから―。
さて「竹本さん」という下りが初めて出るのはたばこ事業等審議会懇談会(第6回)議 事 録の記事です。詳しくは前回の記事をご覧ください。
この間に、まあなんやかんやあってご本人が書かれたページ喫煙と肺がんおよびその他のがんにたどり着くわけです。
そこの記述に
町並らは、東京大学の連続剖検例を用い、男性37例および女性24例を対象として、非喫煙群(喫煙指数:1日喫煙本数×喫煙年数=0)、軽喫煙群(喫煙指数=1~400)、中喫煙群(喫煙指数=401~1,000)、重喫煙群(喫煙指数=1,001~)の気管支・肺を形態学的、組織学的に比較した。胸膜面の炭粉沈着と喫煙との関係は軽度であるが、気腫性変化は喫煙により頻度が増し、その程度も強くなった。左右主気管支粘膜病変は、男性に多く、喫煙群にやや多い傾向を示した。 強調は引用者による |
とあります。
この記述が元になっているんじゃないかと思うのですが、他にソースをご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。お願いします。
つまり61名の男女の肺の汚染度を比較してみたところ、喫煙と肺の汚染度に強い相関関係は見られなかった、ということですね。
次に肺が黒くなることに関する喫煙以外の要因についてです。
肺が黒くなるのには別の要因があって、喫煙が原因ではなく、大気汚染・職業暴露・加齢が主たる原因らしい。 禁煙ファシズムにもの申す |
の根拠となる人での研究は見当たらなかったんですが、犬での研究ならされています。
もちろん疫学調査ですけど。
引用がちょっと長くなります。
竹本ら12)および片山ら13)は肺癌の発生に及ぼす大気汚染物質の影響を明らかにするため、喫煙お よび職業の影響を無視できる犬肺を対象とした研究を行っている。この研究では、1991年に川崎市で廃犬として処置された、年齢、飼育地区の明確な犬肺について、幼犬(0~2歳)、成犬(3~5歳)、老犬(6歳以上)に分け、飼育地区を住宅地区、商業地区、工業地区に区分し、肺の一定部位と病変が疑われる 部位の病理組織標本を調査した。肺の汚染度、肺の腫瘍性病変および肺の病変のない部位の金属 (Fe,Cu,Ca,Mg,Zn,Cd,Ni,Co,Cr,Pb)の分析を行い、1975~1980年に川崎市の廃犬1,000余匹について行った調査の 成績と比較している。1991・1992年の調査で検討された対象犬数は224匹であった。
1975~1980年の調査では、各地区とも年齢を経るにしたがい肺の汚染度が増加し、成老犬では住宅地区と工業地区とで肺の汚染度に差がみられた。 1991・1992年の調査では、年齢が経るにしたがい肺の汚染度は進行しているものの、前回の調査に比べその程度は軽減していた。 すなわち、幼犬では3地区とも無汚染肺が増加、成犬では住宅・商業地区で汚染度の軽いものが増加、老犬でも同様に汚染度の軽減がみられた。工業地区で汚染 度の強いものがみられたが、概して地区間の差は少なくなり、また、住宅地区についてはとくに地域間の差が大きく、商業地区に比較して高度汚染肺が多い傾向 さえみられている。 |
続けて大気汚染と肺の腫瘍に関する報告
肺の腫瘍については、1975~1980年の調査では 1,000 匹中良性腫瘍7例、悪性腫瘍7例(計 14 例)がみられ、悪性腫瘍はいずれも高度汚染肺にみられている。1991・1992年の調査では、224 匹中良性腫瘍1例、悪性腫瘍1例で、いずれも工業地区の老犬にみられている。これらの結果について竹本らは、固定発生源による大気汚染の低減化、各地区の大気汚染の差の縮小を反映したものとしている。 同上 |
注意点および疑問点
1.犬と人では口の位置が違うため地面からの位置が違う
2.大気汚染の度合を厳密に測定してない(あるいは示していない)
まあ、1975~1980年は改善されつつあったと言っても今より大気汚染の影響は大きかったでしょうね。
大気汚染による腫瘍形成率は1.4%か。
喫煙の肺がんへの寄与率をあまり知らないもので、これって多いのか少ないのかわからないなぁ。
そもそも1991・1992年の報告では老犬で見られているわけだけど、老化の影響は考慮しなくていいのでしょうか。
この報告で老犬と言っているのは、老犬の方が長い期間大気汚染に曝されてきた、と言いたいのでしょうけど、ファクターが2つになっているような気がします。
私自身はがんの原因として老化をもっとも普遍的な(環境要因に左右されないという意味での)ファクターとしてとらえていますので、このへんは厳密にしてほしいなぁと感じています。
んー。
ここまで言っておいてなんですが、大気汚染と肺の汚染の因果関係は明らかだと思います。
1963年(高度経済成長期の終わりごろ)に九州大の人が学会で報告してますし。→大気汚染と野犬肺の汚染度について
また、竹本氏は人に対しても昭和61年~平成4年(1986~1992年)に「居住地および職業と肺がんの関連性」」に関して疫学調査を行っているんですよね。
竹本ら7)-12)および片山ら13)は、1986年から1990年にかけ、埼玉県西部地区(川越、所沢、 飯能市など8市、6町、1村、総人口約 127 万人)の1985・1986年度の肺癌死亡者 350 名、および一部地区の1987・1988年度の死亡者 215 名とその対照者(地区、年齢をマッチされた肺癌以外の死亡者)の家族(主として配偶者)に面接し、死亡者の居住歴、居住地の環境、喫煙歴、既往歴、食習慣 等の調査を行った。またこの調査では、剖検、手術例については組織型を調査し、さらに肺組織が得られたものについては、病変のない部位の重金属 (Fe,Cu,Ca,Mg,Zn, Ni,Co,Pb,Cr)の測定を原子吸光法により行っている。この結果、この地区の肺癌死亡者のうち男子では 60.3 %、女子では 62.8 %が移住者であり、定住者よりも移住者のほうが肺癌発生率が高いと予想されること、また移住者の前住地は男子では 72.6 %、女子では 63.0 %が東京都内、川崎市であること、死亡年齢は移住者のほうが若年にずれる(男子:1.8 歳、女子:5歳)ことが明らかにされた。喫煙については、喫煙率、喫煙指数とも肺癌群のほうが対照群より有意に高いが、定住者群と移住者群とのあいだには差がみられなかったことなどから、前住地の要因暴露(大気汚染、職業)が影響を与えている可能性が高いことが指摘されている。 同上 |
簡単に要約すると、ある地域で肺がん発生率を比較したところ
・喫煙者の肺がん発症率は非喫煙者より有意に高い
・肺がんでの死亡者の割合は移住者の方がやや高かった(男:60.3%、女:62.8%)
・移住者の約7割は東京都内(広っ!)や川崎市から
・移住者の方が肺がんでの死亡年齢が2-5歳低い
・喫煙率に定住者群と移住者群で差が見られなかった
・つまり喫煙以外にも肺がんの(リスクを上昇させる)ファクターがある
・居住地での環境要因の差が原因だと思われる
・それはおそらく大気汚染である
ってことかな。
原著にあたれないのでこの説明から読み解くしかないんですけどそんなに間違った要約はしてないと思います。
たださ、喫煙科学研究財団の人たちがもともと受動喫煙やETS(環境タバコ煙)を軽視してるからそれを考慮していないのかもしれないけど、都市部は人口密度が高いのでETSに曝される可能性が高くなり受動喫煙の度合いも高い可能性があるよね。そういう調査が行われてないか今度調べてみよう。
この結果から大気汚染が肺がんのファクターであると言っちゃっていいのかな。
まあ推測できない結果ではないとは思うんですけど。
で、大気汚染もがんの要因として考慮されていないわけじゃないですよね。
リンク先13枚目のスライドをご覧ください(pdfです)
当然、大気汚染や職業なんかもリスクとして考えられているわけです。
ただ、識者の間では大気汚染や職業よりもタバコによるリスクが最も高いと考えられており、それを支える根拠として疫学的な因果関係が証明されているわけですよね(ただ、私は詳しくないので今後調べる予定ではいます)。
個人的には喫煙と肺がんの因果関係はこの調査よりもずっとクリアに示されていると思うんだけどなぁ。
続く。