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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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先日のエントリ「農水省が野菜の産地表示を止めていい」という通達を出したという噂についてから続いています。

先日のエントリでわかりにくいところがあったら教えてください、とお願いしたところ、
エントリにまとめていただきましたのでお返事させていただきます。
本来ならばコメント欄でお返事させていただくのですが、同じような誤解をしている方のためにエントリにしました。ご了承ください。
また、「国産」表示に関して詳しく知りたい方は****************の間を飛ばしていただいて構いません。

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***************************

返答エントリを書いていただきありがとうございます。
このように「どこがわかりづらかったか」を教えていただけると次にエントリを書くときの参考になりますので本当に助かります。



リンク先のエントリー記事によると、実際の文書意図は「(従来の法規どおり)市町村単位の原産地表示をしてね」という意味
http://d.hatena.ne.jp/p_wiz/20110521/p2


ここの部分、従来の法規では「都道府県名での原産地表示」が義務化されております。
「市町村名」までの表示を行うことは「可能」ですが、ここの部分は任意であり義務ではありません。
よって、文書の意図は、「従来通りの県単位の表記ではなく、手間をかけますがさらに細かく市町村単位で表示してもらえると助かります」という意味になります。
手間=コストがかかるので、強制的な命令は行えず「依頼」という形になっています。
従来通りではないからこそ、通達をしているわけですね。


「御配慮ください」について、確かに私もわかりにくな、と思います。
しかし、産地表示を細かくすることで対応する小売店もいるでしょうし、義務でない以上、産地表示を細かくせずに仕入れを行う産地を切り替えることで対応する小売店もあるでしょう。また、ポップやシールでの表示を切り替えず、消費者から質問された場合に詳しい産地を提示する、という選択肢もあります。
それら複数の選択肢がある中で「市町村単位で細かく対応してください」と対応を「限定」してしまうことは「協力依頼」という拘束力の弱い通達では不可能です

「御配慮ください」の本来の対象は消費者ですが、通達自体が小売店側に配慮されているものなのです。


「県名を省けますよ」という部分を一般国民に知らせずに、業者のみに伝わるように書いた通知にも読めます
http://d.hatena.ne.jp/p_wiz/20110521/p2


「一般的に知られている地名」とは具体的に、

(1)郡名
(2)一般に知られている旧国名(例丹波、土佐等)
(3)一般に知られている旧国名の別称(例信州、甲州等)
(4)その他一般に知られている地名(例房総、屋久島等)


参考:
生鮮食品品質表示基準Q&A(PDF)

等が考えられるそうです。
【追記】ohira-yさんに「旧国名の表示も現在の複数の県にまたがる場合は不可です。(肥前とか)都道府県別損なわれるから。」と教えていただきました。やはり都道府県よりも大きなくくりにすることはできないようです。

そもそも「一般的に知られている地名」なのに県名隠しにあたるのでしょうか?
調べればすぐにわかると思うのです。
これを「国産」と書いてしまうと産地がわからなくなってしまいますが、会津産と書いてあって北海道産だ、と考える人はどのくらいいるのでしょうか?


他の方のご意見も伺いましたが、この通達文書はプロ(農水省)からプロ(小売販売業者)への通達なので、この程度でも十分に意図は通じること、表示ルールは法律により規定されていますので、意図が把握できなかった場合は担当部署に確認するのが当たり前だろう、とのころでした。
私もそう思います。
Twitterを眺めていた限り、ちゃんと文章を読んだ人は正しく理解していました。
そもそもタイトルも「市町村単位等県を分割した区域ごとに行う出荷制限等への対応について(協力依頼)
」なのですからもう一度先入観を排除して意味の繋がりを考えながら
元の通達文書(PDF)を読んでみてください。


ただし、意図的であれ非意図的であれ、適正な表示を完璧に守ることはそこそこ難しいようです。
平成20年度の統計になりますが、生鮮食品及び加工食品の品質表示が適正に行われているかを調べたところ、原産地については84.6%が適正な表示を行っていたそうです。裏を返せば15.4%の店舗では不適正な表示もあったわけです。


以上です。
私のつたない説明では理解に至らないところもありましたでしょうが、今後も多くの方に伝わるようなエントリを書きたいと思います。

*************************************************************************************************


さて、続いて「国産」表示が増えているという報告が少なからずありますのでそれについてもお答えします。
生鮮食品の原産地の表示について簡易ではありますが表にまとめてみました。


見にくい場合は
こちらのリンク先をご覧ください。

畜産物に関する報告が結構ありますが、畜産物は元々「国産」で構わないのです。
それを知らない人が『見に行ったら「国産」になってた!』と騒いでいるのを見るとちょっと滑稽だなと感じてしまいます。「国産」の表示が偽装だと騒ぐ前に、本来のルールはどのようになっているかを調べるのが先ではないでしょうか?
少しお高くなりますが、産地名を冠したブランド肉(宮崎牛や名古屋コーチンなど)がありますので、どうしても細かい産地がわからないと嫌だという方はそちらをお買い求めになるのが確実かと思われます。
【追記】書こうと思ってすっかり忘れていましたが、国産牛に関しては2001年のBSE騒動を受けて個体識別番号が振られるようになりました。牛肉のパックに10桁の番号とバーコードがあると思います。
その番号を
牛の個体識別情報検索サービスに入力することで飼育地域等を検索することができます。


農産物については都道府県名を表示することになっていますから、産地が不明であるときは店員さんに訊ねてみると良いでしょう。
ポップに複数産地(「香川産、茨城産」等)を表示することについて「混ぜ売り」だとおっしゃる方がいますが、これもルール上認められた正しい方法です。
現行の規定では、特売品などで山積み販売を行う場合、複数産地の商品を同時に扱う場合は原産地を全て記載することになっています。ただし、特売品は飛ぶように売れるので、常に多い順に表示するのは難しいようです。
この場合でも「香川産、茨城産」という表示は認められますが、「香川産、他」という表示は認められません。生鮮食品の場合はすべての産地の表示を行わなければいけません。
ポップと個別包装の表示が違う場合について、消費者が正確に判断を下せる状況にないので、その場合は店員さんに訊ねてみて、間違った方を訂正してもらってください。
(参考:
厚生労働省の生鮮食品の表示についてのアンケート


次に加工品について。
加工食品品質表示基準」(PDF)より必要な部分だけ説明します。

「原料原産地名」について、主な原材料(原材料に占める重量の割合が最も多い生鮮食品で、かつ、当該割合が50%以上であるもの)について国産品ならば国産である旨を表示すること

その際、農産物に関しては都道府県名その他一般に知られている地名を書くこともできます。畜産物も同様です。

具体例を以下にまとめました。


 
見にくい場合はこちらの表示をご覧ください。


ここまで読んでいただいて、それでも「やっぱり表示がおかしい!」というときは、
食品表示110番にご連絡ください。
先ほども示しましたが、食品の原産地が100%完璧に記載できているかというとそうではありません。しかし、積極的な偽装というよりは過失・間違いである場合の方が多いと思います。まずは小売店側に確認を取り、正しい情報提示を心がけてもらうようにしましょう。



最後に。
私が言いたいことは2点です。
・産地を偽装してはいけません
・農水省はそのような指導しませんしできません。
(暗示的な意味でもできません。法律=ここではJAS法の方が規律として上位なので)

確かに、産地を正しく表示しない小売店がいるかもしれません(主に故意ではなく過失で)。ただし、それを農水省が指示した、あるいは許したなどという陰謀論にくっつけてはいけません。
あと、農水省が他に行っている対応がクソいことと、ルールを捻じ曲げることを混同するのもダメです。
消費者である私たちも、正しく冷静に判断するように心がけましょう。

JAS法は「品質に関する適正な表示」「消費者の商品選択に資するための情報表示」をを目的としている法律です。
食品表示にはこのほかにも食品衛生法による表示ルールもあり、こちらは「飲食に起因する衛生上の危害発生の防止」を目的としています。

せっかく食品表示に興味を持ったのですから、少し勉強してみるのも良いと思います。
以下に参考リンクを載せておきますので一緒にどうぞ。



本文以外の参考リンク:
【PDF】
知っておきたい食品の表示(消費者庁)
食品表示ガイドブック(福井県)←文字が小さいの残念ですけどおすすめ!



【追記】
ツイッターで農畜産物の放射線の測定値が知りたいという意見を見ました。
調べればいいのに、というのは簡単ですが、私もあまり気にしていなかったのでプチリンク集を作ることにしました。
測定値は自分で見てね。

≪農産物および畜産物の放射性物質の計測結果≫
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
・その他の地域は
経産省の放射線計測値のページから飛んで探してください。

【追記】
(財)食品流通構造改善促進機構が公開している食品の放射能検査データというデータベースを教えていただきました。
さっそく使ってみましたが、感覚的に使えて、しかも視覚的に把握できるのでわかりやすいです。

良いものを教えてもらいました。ありがとうございます。


さらっと見た感じ、ほとんどの地域でND(検出限界未満)とか低い値なんですけど「一時期制限されていた」というだけで避けられるのは残念かもしれませんね。
あとは賢い消費者のみなさまが測定値と相談してご自分の生活スタイルと相談してお買い物をお楽しみください。

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無題
くわしくわかりやすい解説有難うございました。食品の放射線検査結果については食品流通構造改善促進機構がボランティアでデータベース化し、こちらで公開しています。http://yasaikensa.cloudapp.net/
品目別だけでなく市町村レベルで産地別検索ができ、出荷制限がかかった品目の追跡調査結果まで見ることができます。更新も速く、厚生労働省の報道発表がでた翌日には反映されます。
nao URL 2011/05/23(Mon)20:35:42 編集
naoさんへ
ありがとうございます。
まさしくこういうのが欲しかったのです。
エントリに追記しておきます。

今後もよろしくお願いします。
むいみ 2011/05/24(Tue)00:51:40 編集
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