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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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タバコの増税が打診されましたね。
「税金の無駄遣いをなくす」と言っている民主党はどのような決断をするのでしょうか。

たばこ1本10円上げ、1箱500円に 厚労省税制改正要望(Yahoo!ニュース)


厚生労働省は29日、政府税制調査会へ30日に提出する平成22年度の税制改正要望で、社会保障費の財源確保などのため、たばこ税を1本当たり10円引き上げるよう求める方針を決めた。実現すればたばこ1箱(20本)の値段は主力商品で現在の300円から500円に大幅値上げとなる。

さて、私は、厚生労働省が打診していることからも「健康」に重点を置いているのじゃないかと思っています。

21年度の税収見込み額は計2兆795億円。1箱500円に値上げした場合の税収増については、厚労省の研究班が20年に「最初の1年間は4400億円の増収」との試算を発表している。

増税しても、最初の1年目は税収が上がるんだし大丈夫じゃない?(でも、2年目以降は知らなーい)
って言ってるんだと感じましたが穿ちすぎですか。

税収の面のみを考慮するのならば、喫煙の影響が出るのは吸い始めてからだいぶ経った後ですから、今、吸う人が減っても医療費の削減はすぐには起こりません。当分はタバコによる税収が減りつつも医療費負担は現状維持という状況が続くでしょう。
しかし、長期的な視野を持って考えるのならば、これからしばらくマイナスになろうとも最終的にはプラスになるでしょう。出生率を上げることができれば。それはまた別の問題なのでここで取り上げても仕方ないでしょうけれど。


さて、健康増進・労働環境の改善に対して喫煙者を減らすということは理に適っています。

また、健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動:2000~2012年)の運動期間がもうあとわずかです。
これらの数値目標は2010年を目途に作られています。
2000年の健康日本21の報告書(pdf注意)の108~121ページがタバコに関する記述ですが、要点だけを書いてみると、


・タバコが健康に及ぼす影響について積極的に公開し周知徹底する
・2010年までに未成年の喫煙をゼロにする
・受動喫煙の防止:公共の場や職場での分煙の徹底、及び、効果の高い分煙についての知識の普及
・禁煙の支援:禁煙、節煙を希望する者に対する禁煙支援プログラムをすべての市町村で受けられるようにする

多くの疫学調査から、能動喫煙は肺がんだけではなく、ぜんそく、気管支炎、心臓病、脳卒中、胃潰瘍、妊婦への影響、歯周病などのリスクファクターであることが知られています。
しかし2000年当時、肺がん以外の疾病に対して、喫煙によりリスクが上昇することを知っていたのは国民の半数以下でした。日本が批准した条約において、署名した国は喫煙の害の周知の徹底する義務を持ちますので、国民の半数以下(このときは条約の効力はまだなかったんですけどね)しか認知していない状況はまずいでしょうね。
でも現時点においては、喫煙の害に関しては広く知られてきているのではないかなあと思っています。
JTさんも喫煙することのリスクをパッケージにてお知らせしていますよ、って言ってますし。


さて、ようやくタイトルの話です。
しかも一つのアンケートの結果からなのでほぼ釣りのようなタイトルですが(笑)まあいいでしょう。

アイブリッジがリサーチプラスにおいて20~59歳の首都圏在住(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)の喫煙者・非喫煙者を対象に「喫煙」をテーマにアンケート調査した結果からです。


現在吸っているタバコの価格が幾ら増税したらタバコを買うのをやめますか?

という問いに対して、平均で927.6円増税されたらタバコをやめる、という結果が出てきます。
(実際には税率が変わればタバコの値段の上昇率は下げられますが、まあ、無理でしょう)

調査結果(pdf注意)

つまり、現状の1箱300円が1箱1227円になってしまったら半数の人がやめる、ということです。
以前に取り上げたので多くは語りませんが、実際には2つのピークがあり、500~599円と1000~1999円のピークがあります。
つまり、実際には1箱が800~900円になったら43%が「タバコをやめる」と言っています。
この金額は欧米並みであり、なるほど、欧米では半分ぐらいの人がタバコの値段が上がったときにやめたのかもしれませんね。
もう一つのピークは1箱が1300~2300円の間にあります。ここまでくるとさらに35%の人が「タバコをやめる」と言っており、合わせて78%の人がタバコをやめる計算になります。
どれだけ増税されてもやめない!というツワモノも15%いるのがすごいですね。タバコが大好きなんですね。趣味にお金をかける余裕があるのならば別にいいと思います。

さて、タイトルは「タバコが1箱500円になった場合、喫煙者の6%がタバコをやめる」にしました。
1箱500円になる場合の増税額は200円です。
調査結果のグラフを見てみると、増税額が0~199円のとき、6%の人が「タバコをやめる」と言っています。
400人のうちの24人ってまた少ない数ですが、仮に299円までの層を含めたとしても13%、1割強がやめるだけなんですよね。
実際には、喫煙本数を減らすことで対処する人もいるかもしれませんが、完全にやめようと考えている人は1割強ってところです。
私としてはやめてもらって全然構わないんですけどね。
前述したように、タバコの税収が落ち込んでからしばらくは医療費負担が下がることはないでしょうし。
むしろ高齢社会なんだから上がっていく一方じゃないですか?


どういう試算で出たのかは知りませんが、今回の要望は

税収<<健康

という考えのもとに出てきたものだと思うのですよね。
っていうか、厚労省は毎年のように「タバコを増税しろー」って言ってるみたいじゃないですか。
どう考えても税金の優先順位低いですよね、厚労省的に。
それを政府の税制調査会がどう考えるのか、財務省がどう対応するかはまた別の問題じゃないかなあと思います。だって厚労省は税率を決める立場にありませんよね。税制管理するのは財務省であり国税庁でしょう?


政治に関しては詳しくないので、思ったことを書いているだけですが、みなさん、行政が一枚岩だと思ってるんですか?私には全然そんなふうには見えないけどなあ。
むしろ一枚岩だったら文句を言う場所が一か所で楽ですよね。その分、しがらみも少なそうで楽そうだ、あっはっは。


追記:
いくらか文章を訂正・追加しました。文意は変わってないはず。

6%の人がタバコをやめるから、何?ってのが言いたいんじゃなくて、税金の面からしかみんな指摘しないので別の視点を提供したかったので書いてみました。完璧に釣りタイトルじゃないかっ!
いやー。過去の記事を見てたら「案外、やめないんじゃないかな」と思ったので。
あと、タバコの増税を叫んでいる人は当然、税収が落ち込む可能性も考慮していると思ったのだけど、違うのでしょうか?だから喫煙者が言う「税収が減るよ」ってのは私にとっては脅しでもなんでもないんですよね。



10/31追記:
ちゃんと読んでなかったのですが、先の資料にちゃんと書いてありましたね。


山口らの推計によると、2010年に男女の喫煙率が半減した場合、74歳までの
肺がんによる累積死亡確率は、男性では2010年には依然増加傾向を示すが、2020
年の段階では若干の減少が実現できることが明らかとなった。ただし、この場合でも、女
性については2020年までに累積死亡確率の増加を抑えることはできない。つまり、20
10年までに喫煙率を半減できた場合でも、肺がん死亡率を大きな減少に導くことは困
難であり、その効果が現れるまでには数十年を要すると考えられた。

2000年の健康21の報告書、194ページ(pdf)

単純に、増税したからってすぐに医療費負担減となって還ってくるわけではないってことはもちろん理解したうえであの要望をしているわけです。

あと、純粋に間違えましたが、200円増税して1箱500円になったら税率が77.8%になりますね。
現在のタバコの税率は約63%
現在のタバコの税額が1箱189.16円、それに増額分200円が足されて389.16円。
税率据え置きで200円増税するとしたら、タバコの値段はだいたい620~630円ぐらいになります。
200円ではなくて320円上がりますね。
ってことはもしかしたら6%じゃないかもしれないですね…。うむむ。
でも税率据え置きなんてしたらJT叩かれそうだなあ…原価は上がってないけど、値段が上がって消費が落ち込むなら1箱ずつの売り上げを上げるしかないのに。

すみません、経済感覚ないので突っ込み募集中です。

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無題
こんばんわ。
知恵袋ではいつもお世話になっています。

健康日本21のタバコ規制をめぐる政治的攻防については下記のリンクが詳しいです。
http://www.tobaccofree.jp/J/PDF/TFJ_J_PS.pdf

上記リンクは国立がんセンターや日本医師会などが中心になって04年に取りまとめた『ニッポンの「たばこ政策」への提言』というレポートの一部です。p10(通しページでp276)から健康日本21について書かれています。それ以外にも日本の喫煙規制をめぐる政治的な流れが良くまとまっていると思いますから、興味があれば読んでみてください。タバコ規制に関してJTに過大な期待を抱くことは危険であることもわかるかと思います。

既読でしたらスミマセン。
gakakoiriw4827 2009/11/05(Thu)20:42:19 編集
無題
gakakoiriw4827さん、こんにちは。
こちらこそ知恵袋ではよく回答を拝見させていただいています。

有用な情報をありがとうございます。
私自身は健康日本21についてまだほとんど調べていませんからとてもありがたいです。仮に既読であったとしても私以外のブログ読者も多くの資料を見ることはとても有益なことだと思うので気にしないでください。

JTも多くの従業員を抱える企業ですから、いくらタバコ以外の産業を持つとはいえタバコの廃止に積極的であるとは考えられません。また、できなくてもしょうがないかな、とは思っています。
私がJTに望むことは多くなく、せいぜいが「自分の販売しているもののリスクを多くの消費者に正しく伝えてほしい」程度です。
むいみ 2009/11/07(Sat)12:57:30 編集
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