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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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なんだかよくわからないけれど、花王や厚労省はエコナが6年前に安全性が疑問視されてから何にもやってないじゃん、みたいな話がちょくちょく出てるので書いておく。
なんで私が花王の弁解をしなきゃいけないのかわからないけど、当事者がやると「火消し乙」になるんだろうから利害関係のない善意の(って自分で言わない!)第三者がやればいいんだろうそうなんだろう。
ちなみに他にもっといい記事があるのでそっちを紹介しておく。
DAGはどのくらい危険なのか(続々・エコナはどのくらい危険なのか)(ぷろどおむ えあらいん)
DAGの危険性(安全性)について知りたいのならこちらを読むことをおすすめする。はあ…見習いたい。



食品安全委員会の最新の報告(
高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食用油等に関連する情報
(第2報:Q&A)平成21年10月6日更新
)を参考にしながら書いていく。


6年前の平成15年6月の段階において、DAGを高濃度に含むマヨネーズタイプの食品の審査が行われ、その際にDAG(エコナ)の安全性の根拠として「ラットを用いた2年間の発がん性試験において、発がん性を示す所見は認められない」ことと「炭素数14以上の長鎖の脂肪酸を2本持つようなDAGは細胞膜を透過しないという報告もある」ことから安全性に関しては問題ないとされ、平成15年9月に特定保健用食品として認可を受けている。

それ以前の平成10年5月に厚生省から食用油として特定保健用食品の認可を受けているのだけれど、ページが見つけられない。トクホの認可を取り下げたので「国立健康・栄養研究所」のページから消えてしまっていると思われる。
だけど、とりあえず一番最初に特定保健用食品としての認可を受けたとされる
ヤクルトのページを見てみると「安全性に関する評価」と「有効性に関する評価」が行われているのがわかる。
認可を受けている食品を一通り見てみたが、「安全性に関する評価」と「有効性に関する評価」はその規模は置いておいてすべてにおいて確認されていることがわかる。
特定保健用食品は、これらの科学的知見が確認され、試験結果が妥当であると判断されて認可を受けていることを忘れてはいけない。

松永和紀さんは「より高い安全性を求められているわけではない」と書いておられたが、まったくその通りである。
より高い安全性を求められているわけではない」が「トクホ以外の食品と同程度に安全性」は確保されてしかるべきだ。そして、認可を受けているものは認可を受けていないものと比較して特にリスクが高いわけではない。


少し話が逸れてしまったので戻そう。

そもそも6年前に「ラットを用いた2年間の発がん性試験」が行われており、その結果として発がん性の危険性はないだろうと考えられた。
しかし、プロテインカイネースC(PKC:タンパク質リン酸化酵素)を活性化する物質があり、PKCが活性化されることによって皮膚に対する強い発がん促進作用を持つことが知られていた。DAGではそういう知見はなかったけれど、in vitro(試験管内での反応)においてPKCの活性化に関与していることがわかっていた。
そのため、念のためにDAGでは発がん促進作用があるかどうかを確認するために「より感度の高い実験をしなさい」と薬事・食品衛生審議会が要請した。

それらの報告を取りまとめてエコナ(マヨネーズタイプの製品)を認可したのが厚生労働省。
で、薬事・食品衛生審議会と食品安全委員会の要請を花王側に伝えたのも厚生労働省。

おそらくこれが6年前に指摘された「危険性」というやつ。

その指摘を受けて花王側はこの6年の間に以下の試験を行い、

・中期多臓器発がん性試験をラットで行い、24週間経口摂取させてプロモーション作用(発がん促進作用)があるかを確認
・消化管粘膜組織のPKC活性測定をラットで行い、PKCの活性に違いがあるかを確認
・ヒト大腸由来の培養細胞においてPLC活性測定を行い、PKCの活性に違いがあるかを確認

ジアシルグリセロール(DAG)の安全性(花王 栄養代謝の研究開発)

その結果としてTAG(普通の食用油)と差は見られなかったとしている。
ポイントの一つはここだと思う。
「発がん性は見られなかった」とか「PKCは活性化されなかった」とかじゃないの?って言われそうだけれど、そもそも食品に発がん性がまったくないなんてことは証明できない。せいぜい「今まで食べてきたけど安全だったよ」程度だ。
たとえば遺伝子組換え食品の評価の一つに「
実質的同等性」というのがあるのだけど、新規参入の食品の安全性評価はこれと同じような考え方になるのではないかと考えている。
DAGを高濃度に含むエコナはTAG同様に食用油として使用するのだからTAGと同程度のリスクは許容できるはずだ。TAGの安全性は「今まで食べてきたけど安全だったよ」とされているから、TAGを指標とすることに問題はないはずだ。


6年前に行われていた危険性の指摘って、こういうことだよね。
花王は「ラットを用いた2年間の発がん性試験」をやってるじゃんかーと突っぱねることも、もしかしたらできた。
いや、そんなこと絶対にしないと思うけれど。
だけど、万が一に危険性があってはいけないから、いろいろ試験をしている。
「ラットを用いた2年間の発がん性試験」をしてるんだよ、って言えば消費者を安心させることはできただろうに、それ以上に研究している。
そういうのってどうなの。批判されるべき態度なのかな。私はそうは思わないけれど、よくわからないや。


で、今回のグリシドール脂肪酸エステルについて、もういろんなところで言われているし、私も書いた(
エコナについてメモ安全か危険かを区別できる簡単な方法はない)ので繰り返すことはしない。
ただし、花王は製品中のグリシドール脂肪酸エステル量を減らすと言っているし、製品中にあるグリシドール脂肪酸エステルの危険性については平成21年11月末までに報告されることになっていて、私も待っているところだ。

依頼している資料のうち、特に速やかな提出を求めている以下の3項目については、本年9月、第302 回食品安全委員会において厚生労働省から、本年11月末までに提出される予定であるとの報告を受けています。
① グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの毒性に関する情報収集
② グリシドール脂肪酸エステルを経口摂取した場合の体内動態試験
③ グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの遺伝毒性試験

グリシドール脂肪酸エステルが胃酸で分解されてグリシドールになるなんて怪しい話もWikipediaにあったけれど、
一応は批判済み。その結果はこれから出るはずだ。
仮にグリシドールができたとしてもヒトの細胞と反応するよりも先に他の食品と反応しそうだけれど推測の域を出ないので11月を待ちたいと思う。


 もし、花王が自ら特保を返上せず、再審査となっていたら-。もう一度、食品安全委の審査を経る必要があるため、事態は長期化していた可能性がある。

11月末を長期化というのならそうだけれど、待つことについて、何か問題があるのだろうか。
食品安全委員会は以下のように書いている。

Q8 エコナ関連商品は食べても大丈夫ですか。

これまでのところ、グリシドール脂肪酸エステルが含まれるDAG 油を用いて行われた各種試験等から得られた科学的知見からは、高濃度にDAG を含む食品に対して、緊急に対応しなければならないほどの毒性所見は得られていません。

現時点までに行われた試験の知見から判断するに、エコナを通常量摂取し続ける人に対して特に「すぐにやめなさい」と指導すべき理由は見つからないよ、と言っている。

消費者意識を理解していないと言われようが、だって本当に何が問題かわからない。

私が問題にしているのはエコナの良いところが理解されていないことではない。
特定保健用食品としての認可を受けたものはその安全性に関しても科学的な評価をされているのだ。
それなのに消費者委員会は「消費者が不安に思うから」という理由で科学的知見に基づいて行われた食品の安全性評価を無視するような決定を行ったのだ。
じゃあ、食品の安全性ってなんなの。
安心ってのは、確かな安全性に支えられるべきものじゃないの。
安全ってのは、科学的な知見に基づいたリスク評価によって判断されるものじゃないの。
今回の決定を、消費者の食の安心を守るための英断だという人もいるかもしれないけれど、その裏では食の安全性が蔑ろにされたのだと私は受け取った。
消費者庁が消費者の立場に立ち、消費者の安心のために他の省庁・企業に対して安全性確認を行うだけの組織ならば何も言わない。だけど、
消費者庁のHPにはでかでかと「安全」と書いてある。
安全を守るのならば、科学的評価をしてもらわないと困る。
消費者の声を代弁するのと、消費者と同じ目線でしか評価できないのは同じようで全然違う。
消費者の声は拾ってほしいけれど、消費者の意見があまりにも見当違いだったら、ちゃんと説明してあげるのが「消費者の安全を守り、安心を与える」ってことなんじゃないかと私は思う。

今回のことで、悪徳商売をしている人たちに舐められないといいけれど、というのが一番心配しているところ。
ただ、立ち上げて間もないし、まだ1回目だし、私はまだまだ期待しているから頑張ってほしいと思ってる。



花王は今回、予想以上の大きな騒ぎになってかなりの痛手を受けたと思うけれど、その流れからエコナを自主的に取り下げるのは花王にとってなんの痛手にもならなかったと思う。
11月末までに追加報告を行えれば平成22年2月に販売再開される予定だったのだから予定通りにことが運べば2月には新たにトクホを取得して販売再開できるだろう。


評価・判断すべき立場にある消費者委員会や消費者庁が消費者と一緒にマスコミに踊らされていてはいけないのだ。




以上、一通り書きたいことは書いたと思うのだけれど、いろいろ書きたいことがありすぎてぐちゃぐちゃになってしまった。何か忘れていることがあるような、ないような。


さて、6年前にすべき対応ってなんでしょうか。
一体どんな対応がされていればみなさん、満足していたのでしょう。
花王が「うちの製品安全ですよ!!1」なんて情報をHPのトップに置いておいたら多くの消費者からは「頼みもしないのになんでこんなものをトップに持ってきてんだ、苦労自慢乙」「大企業だと簡単に研究ができていいわね」とか、もしかしたら「動物実験をしていることを大々的に宣伝するってなんなの」と思われると思うのですが。
同様に、厚生労働省や食品安全委員会は必要な報告はしていると思うのですよね。
その報告をもっと大々的に知らせた場合、「国は花王を特別扱いするのか」といった不満が噴出すると思うのですがどうでしょうか。
その他に個別に問い合わせがあったとして、それには答えていると思いますよ。
だって大事なお客様ですから。
ただ、本当に答えているかどうかは私は中の人じゃないのでわかりません。

どんな対応をしていてもたぶん、納得していないですよね。
対応していないから騒ぎになっていないのではなくて、どんな対策が取られているか知らないから騒ぎを起こしているだけです。
期待していた対応って、エコナのトクホ認可を取り下げるという一択なんですよね?
残念ながら、その他の「良い対応」ってのが思いつかなかったので、こういうときどういう対応をしたら不満が出ないのか、教えて差し上げたら次の対応の参考になるんじゃないかと思います。


別に食の安全性に詳しくなくったっていいじゃないですか。
私だって趣味でやってるようなもんだもの。
私たちが気付くようなことは誰かがとっくに気付いて対応してますよ。
文句を書き込む前にググってみるべきだと思います。
私はそれで書くのをやめたことが3割ぐらいあるので(笑)
判断できなかったら保留でもいいじゃないですか。
国や(大手)企業が出している情報は、結構正しいですよ。
明らかに間違っていたら、必ず専門家がこぞって批判するはずだから、それまで判断を保留してても大丈夫。
すぐに対処しなきゃいけないもので嘘をついても国や企業にメリットなんてないから。


あと、もし、はてなのIDコールに応えていないのならそれは気付いていないだけなのでお知らせください。
今日は、一つしか来てません。


追記
このくらいの考え方でいいんじゃない?というのを見つけたので貼っておきます。

結局、うちは「別に命の別状って程危険じゃないんでしょ?危険ならとっくに
回収を呼びかけて、販
売中止にしてるでしょ?全く問題ないと思う」ということになり
使ってます。

多少楽観視している意見ですが、この程度鷹揚に構えていられればエコナだけじゃなくて他の食品のときだって同程度の判断ができそうです。
別に、科学的リテラシーなんて必要なくない?
日本ではその程度の楽観的な判断をしても問題ないくらい、安全性は確保されていると思うよ。



さらに追記
トランス脂肪酸について
議事録を読んでみたのでちょっと書いてみる。
正確にはトランス脂肪酸のくだりを含めて3分の1までしか読んでいない。
話し言葉を文章にしているので読みにくい、というか、婉曲表現にすぎて意味を取りにくいところがあるのだけど、とても面白いので読まれることをおすすめする。

エコナクッキングオイルには、表の3-2、44ページの一番下を見ていただきますとおわかりのように、総トランス脂肪酸が5.2 %と、表の3-1 で示された他の日本で市販されている植物油の0.4 から2.3 %と比べまして、高濃度に含まれております。

なるほど、6年前の平成15年6月の時点ではエコナには約5%のトランス脂肪酸が含まれていたらしい。
エコナの摂取目安は10~12.5 gだから、12.5 gを摂取したとしてトランス脂肪酸の摂取量は0.625 gとなる。

油のカロリーは1 gあたり約9 kcalなので、1日にエコナから摂取するトランス脂肪酸のカロリーは0.625×9=5.625 kcalとなる。
成人の1日平均の摂取カロリーが2000 kcalなのでエコナから摂取するトランス脂肪酸量は0.29%、
就学学童も2000 kcalってなっているが、とりあえず1日の摂取カロリーを1000 kcalと仮定した場合には0.56%となる。
WHOは食事から摂取するトランス脂肪酸の量を全カロリーの1%未満にするように勧告している。
日本人はもともとトランス脂肪酸の摂取量が少ないことがわかっていて、だいたい1日に0.7~1.3 g/人(摂取エネルギーに換算して0.3~0.6%)程度だそうだ。
トランス脂肪酸の摂取量(pdf注意)
アメリカは摂取カロリーの2.6%ほどがトランス脂肪酸だそうだから、確かに気をつけないといけない。
ところが日本ではそう躍起になってトランス脂肪酸を排除しなくてもどうやら良さそうだ。
良さそうだけれど、範囲内とはいえ、エコナを使うなら他のトランス脂肪酸に気を付けた方がいいような気がする。

ところがいつマイナーチェンジしたか知らないが、
現在のエコナクッキングオイルのトランス脂肪酸含有量は約1.3%になっている。
これって他の植物油のトランス脂肪酸含有量と変わらない。
大手の企業って、こういうところが抜け目なくて嫌よね。隙を見せたら噛みついてやるのに(笑)

さて、あと残っている問題って、最近になって判明したグリシドール脂肪酸エステルの問題だけ?
こういうほぼ解決済みの過去の問題をいまさら取り上げてくるなんてマスコミはもう少し科学リテラシーを養った方がいいんじゃないかな。
情報発信者としての責任感をもっと発揮してよ。
あと、こういういい加減な情報を鵜呑みにして疑わしきは罰せよみたいな決定を下した消費者委員会にやはり疑義をはさまざるをえない。


さて、トクホとしての有効性を検証してよってのはご勘弁ください。
私は別にエコナ自体はどうでもいいんですから。(というツンデレですね、わかります)
でも、議事録を読む限りでは「肥満気味の人や中性脂肪が多い人」にはある程度有効みたいよ?
普通体型の人にはあんまり効果がないみたい。


補足
すみません、睡魔と闘いながら書いたので誤字・脱字が多いです。
基本的に内容は変えてないのでこそこそ修正しています。

あと、
松永和紀さんの記事からの引用を直しました。
×「より安全であることを保証するものではない」

○「より高い安全性を求められているわけではない」
引用は正確に!
というか、後で調べて直そうと思って(ry すみません言い訳です気をつけます。


あ、あと、この一連の記事で
「エコナはこんなに安全なのに使わないなんて馬鹿なの?使いなさいよねっ!」
ってことを言いたいわけじゃないです。
グリシドール脂肪酸エステルに関してはまだわかっていないですし。
うちもお中元とかお歳暮とかで花王以外のメーカーの油をもらう(のを実家から送ってもらってる)のでエコナを使うことってほとんどないし、どの油を使うかなんて好みの問題だと思います。
ただ私は、安全ってものが蔑ろにされてることに怒ってるんです。

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