忍者ブログ
日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
[235]  [234]  [231]  [230]  [228]  [226]  [225]  [224]  [222]  [220]  [218
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

My News Japanのエコナ、自社研究でもガン促進を示唆 花王はデータ公開拒否
について言及しようと思ってたのだけど、私の言いたいことも含めて考えていた内容の上位互換なエントリをぷろどおむさんが先に書いてくださったので、私は書くことがなくなりました。ありがとうございます。
後半の論文の話は真面目にそういうことを書こうと考えていました。

続・エコナはどのくらい危険なのか(ぷろどおむえあらいん)


で、今回私は
日本語版Wikipediaのグリシドールのページが酷いよ!という話をしようと思います。
もちろんこれは2009/9/28現在の状態の話です。

概要と用途はEnglish版の(ほぼ)翻訳なんですよ。
English版には
「It is used as a chemical intermediate in the synthesis of glycerol, glycidyl ethers, esters and amines.」
つまり
「グリシドールはグリセロールやグリシドールエーテル、グリシドールエステル、グリシドールアミン合成の中間体ですよ」なんてことが書いてあります。

だからそのへんは良いんですけど、発癌性の部分ですよ問題は。
一段落目のIARCのリストでGroup2Aってのは正しいですよね。
以前の記事

グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成すると言われるが、はっきりしたことは分かっておらず、また生成されても、それが体内に吸収されるかどうかも分かっていない

2009年9月16日 (水) 21:53のページ

という記述が出典の示されていない極めて怪しい内容であると書きましたが、いつの間にか出典が示されてました。
それに伴って記述も、


グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成するとわかっている。{{Citation | Journal of Environ Mol Mutagen. 2005;45(1):80-9.}

2009年9月26日 (土) 04:08のページ

「わかっている」なんて強気な記述になってます。
まあいちおうリファレンスがついてるのでWikipediaの検証可能性の概念としては正しいので、実際に読んでみました。
ノートで「誌名が存在しません」と言われていて、いちおう私もそこから飛んで読ませてもらいましたが、後からPubMedで検索してみたところかろうじて検索できたのでギリギリセーフというところでしょうか。(ギリギリアウト?)

 
Identification of potential biomarkers of genotoxicity and carcinogenicity in L5178Y mouse lymphoma cells by cDNA microarray analysis:Environ Mol Mutagen. 2005;45(1):80-9.

とりあえず落とせたので調べてみました。
「グリシドール脂肪酸エステルが胃酸などの強酸条件でグリシドールになる」という話(イントロだとしても)のはずなのでとりあえず「Glycidol(グリシドール)」で検索してみてもそのまわりで義理氏ドール脂肪酸エステルの話をしてる様子がない。さらに「Ester(エステル)」でヒットせず。なんか怪しげになってきたわね、と思いつつも「Glycidyl(グリシドール脂肪酸エステルがGlycidyl esters、Glycidyl oleate、Glycidyl stearateと記述されるため)」を検索してもリファレンスに含まれる
Glycidyl ethers(グリシドールエーテル)がヒットしただけ。
その他に「acidic(酸性)」「Gastric acid(胃酸)」「Strong acid(強酸)」なんかも検索したけど、Fatty acid binding protein(脂肪酸結合タンパク質→コード遺伝子の説明)やacidic residues(酸性残基)がかろうじて引っかかってきたのみ。
工エエェェ('д`)ェェエエ工
もうあれだよね。鈍い私でも気付くけど関係ないよね。
でもまあ乗ってしまった船なのでとりあえず斜め読みしてみた。

タイトル:cDNAマイクロアレイ解析によるL5178Yマウスのリンパ腫細胞での遺伝毒性と発がん性の有望なバイオマーカーの同定

まあ、確かに関係なさそうよね。

ようは、マウスの細胞?に対して「遺伝毒性あり+発がん性あり(つまりグリシドール)」「遺伝毒性あり+発がん性なし」「遺伝毒性なし+発がん性あり」「遺伝毒性なし+発がん性なし」の物質をそれぞれ与えてそのときにreal-time RT-PCRで遺伝子の転写量の増減を見て、遺伝毒性物質に特異的な、あるいは発がん性物質に特異的な遺伝子をバイオマーカー(指標)にしましょうか、って論文(と読んだ)。
内容の妥当性はともかくとして、やりたいことはそういうことなのでグリシドールは
Aldrichから買ったって書いてある。ああ、シグマはいつもお世話になってます。


これ、関係ないです。
万が一にそういう事実があるのならそういう論文を引っ張ってきてくれないと。
とりあえずEnglish版のグリシドールの項目にはこんな記述はないですし。
English版の
外部リンクにあるMSDSに「Incompatibilities with Other Materials: Metals, strong oxidizing agents, strong acids, bases.」とあります。
ええと、「これらの物質と混ぜてはいけません:金属、強い酸化剤、強酸、塩基(塩基性にするなってこと?)」ってところかな。混ぜた場合、グリシドールとしての安定性が保てませんってことでしょう。そらそうだ。反応性の高いエポキシ構造だし。
ぷろどおむさんが
エントリで「胃液=塩酸と水が大量に存在している状況下で,グリシドールが安定に存在していられるのか??という素朴な疑問が生じる」と書いておられるのはそういう意味だと読みました。

グリシドール脂肪酸エステルの形になってもエステル結合よりもエポキシ構造の方が先に壊れそうな気がするけど、と素人の私は考えます。そのへん脂肪酸がつくだけでやっぱり大きく異なってくるんでしょうか?
足場は違うけど、エステル結合が胃酸で切れるんならリパーゼはなんのために分泌されてんのよって思っちゃいます。


なんにせよはっきり言えることは、あの論文は「グリシドール脂肪酸エステルが胃酸などの強酸下でグリシドールを精製することがわかっている」なんてことを言う論文じゃないってことです。そもそも科学文で「わかっている」って相当強い言葉を使うなんてよっぽどじゃないと(ry
そうすると、Wikipediaにはいろいろ論文なんかが検証できるようにくっついてるけど、もしかしてそれらも検証してみないといけないってことかしら。……しーらね。
今回は始めから成り行きを見守ってたから「おかしくね?」ってのがわかったけれど、他のなんて専門家でない限り無理ですよ。いや、専門家でも明らかにおかしいもの以外はスルーしちゃうんじゃないかな。Wikipediaの情報としての信頼性ってそこまで高くないし。


というわけで誰かよろしくお願いします。
真面目にWikipediaの編集、会話の仕方がわかりません。
ブログは貼っちゃダメだろうし。
とりあえずAkanijiさんがリンク貼ってて下さったので論文読めました。ありがとうございます。


さて、いろいろ苦手なので突っ込みどころがいっぱいかもしれません。特に英語弱いです。
突っ込みよろしくお願いしますm(_ _)m

拍手[3回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
カレンダー
05 2017/06 07
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
最新コメント
(09/07)
(08/12)
(06/15)
(06/15)
(06/11)
(06/11)
(05/24)
(05/24)
(05/24)
(05/23)
カウンター
アクセス解析
Copyright © azure blue All Rights Reserved.
Designed by 10p
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]