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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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日経BPは宋文洲さんの記事が好きだったのもあって昔は読んでたんですが、最近はまったく読んでませんでした。が、メルマガ?でエコナ関連の記事があるというので読んでみました。

「エコナ クッキングオイル」販売中止の波紋(日経BPネット)

好意的に読み進めても当たり前以下のことしか書いてなくて、正直、2か月調べてこの程度しか書けないサイエンスライターってなんなの?って思っちゃいました。今までに行われてきた議論を本当に読んだのかしら、といった感じです。
しかも、消費者委員会の第三回の議事録に書いてあるのですが、第二回の、みんなが「これはひどい」と言いまくったエコナの再審査の件は会議の30分前ぐらいに急遽議論することが決まったらしくほとんどの人がその場で資料を渡されてそれを見ながら発言していたそうです。
そりゃ基本情報も踏まえていないような議論になるわよね、とちょびっと同情しました。
消費者庁はもう少し「科学的な議論」というものを考えた方がいいと思いますよ。

さて、500文字の制限ギリギリまでコメント書いてきました。

2か月も時間があったにしては内容がお粗末すぎです。

記者は科学ジャーナリストということですが、生化学についてもう少し勉強された方がいいと思います。
TAG(トリアシルグリセロール)が消化の過程でDAG(ジアシルグリセロール)を生じることは既知の事実ですよ。エコナの「特殊さ」はDAGだからではなく、1,3-DAGを多く含むことなんです。

花王がデータ公開を拒否しているという方、
どこぞの記事を真に受けたかは存じませんが、花王は2008年に論文として報告しています。お金さえ払えば読めますのでどうぞご検証ください。

以上は花王のHPに記載されている事実です。
花王のHPすらまともに読まなくてエコナに関する記事が書けるのでしょうか。

また、グリシドールはIARCでGroup2Aですが、グリシドール脂肪酸エステル自体はGroup3、発がん性を分類できない(お茶と同レベル)、です。
全量がグリシドールに置き変わったとしても動物実験での無毒性量の1/250だから「摂取しても問題がないだろう」なのです。
確証がなくとも最小毒性量を超えている可能性があったならすぐにでも回収してますよ。
(むいみ)(2009年11月18日 10:18)

なんか当事者みたいな書き方になってるけど、社員じゃないよ。
さすがに2か月も追ってれば「お前ちょっとは自分で調べてみろよ!」って言いたくなります。

2か月前の9月16日以降にエコナ関連の話がブログ等で騒がれましたが、この記事はブログ以下の情報量です。
私も人様のことをとやかく言えるほどの記事を書いてないですが、とりあえず人目に触れる機会は段違いのはずなのでコメント書いてきました。500文字って難しい。
私自身、有機化学とか栄養科学は学部生レベルでの知識と独学程度しかないのですが、その程度の見識だとしても酷い、酷過ぎる。著書リストをみて思わず納得しちゃいましたが、食品系のサイエンスライター名乗っちゃまずいレベルじゃなかろうかと感じました。


さて、なぜ「騒ぐ必要がない」と言っているのか、図にして解説しようかどうしようか迷っているのですが、とりあえず最後の3行に書いてある通りだからこそ「騒ぐ必要がない」のです。
これがたとえば、いくらグリシドール脂肪酸エステルからグリシドールになる確証がない段階といっても、ワーストケースを考慮したときに最小毒性量を超える可能性があったならば速やかに回収命令が下っただろうと私は考えています。また、その場合には花王が速やかに回収する旨を発表するでしょうし、回収しない場合は私を含めて多くの方が危険性を指摘すると思います。

今回のケースもワーストケースでは基準値をオーバーするので「なんとかしたほうがいいね」という意見は共通で出ていると思います。
なぜ「なんとかしたほうがいい」のに取り立てて「騒ぐ必要がない」のかは今後、余裕があれば説明したいと思います。
というか言葉では何度も説明したのだけどやっぱり図があった方がわかりやすいですよね。構想はできてるんですが、図を描くのが面倒くさいのでやらなくてもいいかなー、となまけています。

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エコナの話。

消費者委員会の会議が酷いということについては、私は会議の内容もほとんど知らないし、問題点の指摘がもういくつかなされてるから私は触れない。

消費者庁と消費者委員会は花王に救われた。 - 食の安全情報blog
花王に救われた消費者庁と消費者委員会 - 松永和紀blog


今回、というか現在に至るまでに「そもそもエコナを特定保健用食品として認定した厚生労働省に責任はないのか」という話があるけれど、一体何の責任を取らせようというのか。
花王が出してきたDAGに関する研究結果を見て、厚生労働省と食品安全委員会がそれを科学的に判断し妥当であるとした場合、その科学的な判断は正しいのだと思う。仮に花王が捏造したとして、それを見抜けなかったらそれは判断した側の責任なのか?違うだろう。
ある論文の査読を任され、論文の内容としては問題ないとしたPeer Reviewerは後に論文の捏造が発覚したら一緒に責任を取らされるのか?後にその論文の内容が正しくなかった場合にお前の判断は正しくなかったから責任を取れって言われるのか??

その後に問題が出たとしても、判断した当時にはなかった問題の責任を取らされるというのはフェアではない。
それは花王に対しても言える。
どうやらDAGの問題はクリアしているようだし、グリシドール脂肪酸エステルの問題はトクホ認定後に出てきた問題だ。しかも危険性は決して高くない。一体何の問題があるんだろう。
花王は確かに商売上手だと思う。売らんかなという企業体質だし、今回の件も騒ぎを最小限にするように組閣の日に当ててきたのかもしれない。それでも、企業としての体質と研究の科学的な妥当性を混ぜて考えるべきではない。花王は、というか大手のメーカーほど安全性に十分すぎるほど気を使っていると思う。

そもそもトクホの認定を取り消されるような事実はない、と私は思っている。
取り消さなければいけないような危険性って、何?


消費者が安心できれば科学的に示された事実は、安全性はかなぐり捨ててもいいのか?
じゃあなんのための「トクホ」なんだろうか。
トクホは「安全である」ことを保証するものではない。だけど、食品である以上は食品としての安全性はもちろん確保されている。
どうやらトクホの権限は厚労省から消費者庁に移ったらしい。
だとしたら、消費者庁には消費者の目線から考えるだけではなく、安全というものがどのようにして確立されているのかを真剣に考えて勉強してもらいたい。
消費者庁は消費者と一緒に闇雲に騒ぐ機関ではなく、消費者の不安を拾い上げ、安全性が脅かされている事実があるのならば企業に指導をし、安全性が確立されているのならば消費者にそれを伝え、安全性がいまだ定まっていないというのならば現状としてどのような対策が取られているかを伝えるのが仕事じゃないだろうか。
発足間もないときに大きな山に当たってしまい、メンバーの教育もまだだろうに大変だとは思う。
だけど、準備が足りないから上手くできませんでした、というのは内実を知らない人たちには通用しない。

今のところの私の印象は、実力に伴わない権力を持っているように見受けられるが、そんなのはまだ新しいのだから仕方ない。
同じ日に「消費者庁と消費者委員会は花王に救われた」なんてタイトルを見て噴いたけど、悪いけどその通りだと思う。
せいぜい、権力を振り回さないように気をつけてほしい。二度目はないと考えてもらいたい。


こういうとき、どんなリテラシーがどの程度あれば私たちはメディアに振り回されずに済むのかって考えちゃいますよね。


追記:
リンク追加しておきました。

正直な話、日用品に関しては大手企業、各省庁(今のところ消費者庁を除く)の出す情報は信頼していいと思います。
お前も花王の手先か!って話は置いといて、本当に危ないんだったらそのへんの誰かが言いだす前に企業や各省庁がお触れを出すから。でもって本気で危ないのに「危なくないよ~」なんて言ってたら私も全力で批判すると思うから。
そりゃ花王の研究者は尊敬できるし信頼できると思ってるけど、だからって批判しないわけじゃないしおかしいと思ったらおかしいって言うよ。今回も「全然大丈夫じゃね」って空気だったら「おいおい安全基準超える可能性があるんだぞ」って書いてたと思うし。
今回騒いでた人たちだって情報弱者じゃなくって安全・健康に関する危機意識の強いどこにでもいる普通の人なだけ。ただ、マスコミや消費者庁は一緒に踊っちゃダメだ。
安全とはなんぞや?そもそもどういう基準があるの?っていうのを説明してくれなきゃ。

……そのうち、そのうち書くよ。
なるべく素人の目線から書けるうちに書いておきたいなあという思いはあるんだけどね。

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My News Japanのエコナ、自社研究でもガン促進を示唆 花王はデータ公開拒否
について言及しようと思ってたのだけど、私の言いたいことも含めて考えていた内容の上位互換なエントリをぷろどおむさんが先に書いてくださったので、私は書くことがなくなりました。ありがとうございます。
後半の論文の話は真面目にそういうことを書こうと考えていました。

続・エコナはどのくらい危険なのか(ぷろどおむえあらいん)


で、今回私は
日本語版Wikipediaのグリシドールのページが酷いよ!という話をしようと思います。
もちろんこれは2009/9/28現在の状態の話です。

概要と用途はEnglish版の(ほぼ)翻訳なんですよ。
English版には
「It is used as a chemical intermediate in the synthesis of glycerol, glycidyl ethers, esters and amines.」
つまり
「グリシドールはグリセロールやグリシドールエーテル、グリシドールエステル、グリシドールアミン合成の中間体ですよ」なんてことが書いてあります。

だからそのへんは良いんですけど、発癌性の部分ですよ問題は。
一段落目のIARCのリストでGroup2Aってのは正しいですよね。
以前の記事

グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成すると言われるが、はっきりしたことは分かっておらず、また生成されても、それが体内に吸収されるかどうかも分かっていない

2009年9月16日 (水) 21:53のページ

という記述が出典の示されていない極めて怪しい内容であると書きましたが、いつの間にか出典が示されてました。
それに伴って記述も、


グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成するとわかっている。{{Citation | Journal of Environ Mol Mutagen. 2005;45(1):80-9.}

2009年9月26日 (土) 04:08のページ

「わかっている」なんて強気な記述になってます。
まあいちおうリファレンスがついてるのでWikipediaの検証可能性の概念としては正しいので、実際に読んでみました。
ノートで「誌名が存在しません」と言われていて、いちおう私もそこから飛んで読ませてもらいましたが、後からPubMedで検索してみたところかろうじて検索できたのでギリギリセーフというところでしょうか。(ギリギリアウト?)

 
Identification of potential biomarkers of genotoxicity and carcinogenicity in L5178Y mouse lymphoma cells by cDNA microarray analysis:Environ Mol Mutagen. 2005;45(1):80-9.

とりあえず落とせたので調べてみました。
「グリシドール脂肪酸エステルが胃酸などの強酸条件でグリシドールになる」という話(イントロだとしても)のはずなのでとりあえず「Glycidol(グリシドール)」で検索してみてもそのまわりで義理氏ドール脂肪酸エステルの話をしてる様子がない。さらに「Ester(エステル)」でヒットせず。なんか怪しげになってきたわね、と思いつつも「Glycidyl(グリシドール脂肪酸エステルがGlycidyl esters、Glycidyl oleate、Glycidyl stearateと記述されるため)」を検索してもリファレンスに含まれる
Glycidyl ethers(グリシドールエーテル)がヒットしただけ。
その他に「acidic(酸性)」「Gastric acid(胃酸)」「Strong acid(強酸)」なんかも検索したけど、Fatty acid binding protein(脂肪酸結合タンパク質→コード遺伝子の説明)やacidic residues(酸性残基)がかろうじて引っかかってきたのみ。
工エエェェ('д`)ェェエエ工
もうあれだよね。鈍い私でも気付くけど関係ないよね。
でもまあ乗ってしまった船なのでとりあえず斜め読みしてみた。

タイトル:cDNAマイクロアレイ解析によるL5178Yマウスのリンパ腫細胞での遺伝毒性と発がん性の有望なバイオマーカーの同定

まあ、確かに関係なさそうよね。

ようは、マウスの細胞?に対して「遺伝毒性あり+発がん性あり(つまりグリシドール)」「遺伝毒性あり+発がん性なし」「遺伝毒性なし+発がん性あり」「遺伝毒性なし+発がん性なし」の物質をそれぞれ与えてそのときにreal-time RT-PCRで遺伝子の転写量の増減を見て、遺伝毒性物質に特異的な、あるいは発がん性物質に特異的な遺伝子をバイオマーカー(指標)にしましょうか、って論文(と読んだ)。
内容の妥当性はともかくとして、やりたいことはそういうことなのでグリシドールは
Aldrichから買ったって書いてある。ああ、シグマはいつもお世話になってます。


これ、関係ないです。
万が一にそういう事実があるのならそういう論文を引っ張ってきてくれないと。
とりあえずEnglish版のグリシドールの項目にはこんな記述はないですし。
English版の
外部リンクにあるMSDSに「Incompatibilities with Other Materials: Metals, strong oxidizing agents, strong acids, bases.」とあります。
ええと、「これらの物質と混ぜてはいけません:金属、強い酸化剤、強酸、塩基(塩基性にするなってこと?)」ってところかな。混ぜた場合、グリシドールとしての安定性が保てませんってことでしょう。そらそうだ。反応性の高いエポキシ構造だし。
ぷろどおむさんが
エントリで「胃液=塩酸と水が大量に存在している状況下で,グリシドールが安定に存在していられるのか??という素朴な疑問が生じる」と書いておられるのはそういう意味だと読みました。

グリシドール脂肪酸エステルの形になってもエステル結合よりもエポキシ構造の方が先に壊れそうな気がするけど、と素人の私は考えます。そのへん脂肪酸がつくだけでやっぱり大きく異なってくるんでしょうか?
足場は違うけど、エステル結合が胃酸で切れるんならリパーゼはなんのために分泌されてんのよって思っちゃいます。


なんにせよはっきり言えることは、あの論文は「グリシドール脂肪酸エステルが胃酸などの強酸下でグリシドールを精製することがわかっている」なんてことを言う論文じゃないってことです。そもそも科学文で「わかっている」って相当強い言葉を使うなんてよっぽどじゃないと(ry
そうすると、Wikipediaにはいろいろ論文なんかが検証できるようにくっついてるけど、もしかしてそれらも検証してみないといけないってことかしら。……しーらね。
今回は始めから成り行きを見守ってたから「おかしくね?」ってのがわかったけれど、他のなんて専門家でない限り無理ですよ。いや、専門家でも明らかにおかしいもの以外はスルーしちゃうんじゃないかな。Wikipediaの情報としての信頼性ってそこまで高くないし。


というわけで誰かよろしくお願いします。
真面目にWikipediaの編集、会話の仕方がわかりません。
ブログは貼っちゃダメだろうし。
とりあえずAkanijiさんがリンク貼ってて下さったので論文読めました。ありがとうございます。


さて、いろいろ苦手なので突っ込みどころがいっぱいかもしれません。特に英語弱いです。
突っ込みよろしくお願いしますm(_ _)m

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追記:一応決着はついたのでタイトルを変更します。


Chikirinさんのところの
エコナ問題からの学びに対して

blackrook368 , , なんか危うい。言ってることの骨組みは間違っちゃいないけど「自然」とか「不自然」とか「人工物」とか「工業製品」とか、そういう安易な分け方が安全なものを危険と、危険なものを安全と認識するんだけど。

とコメントをつけておいたらid:ddyさんから

ddy id:blackrook368 じゃあ安全なものとそうでないものを区別する方法を具体的に教えろ。言っとくが、この件は「科学」「国家」「大企業」に安全が保証されたものが実は危険だったという話だぜ。

という要請があったので書いておく。


私は件の記事は骨格部分は同意してる。
ただし、

砂糖より、「人工甘味料」っていう物質の方が圧倒的に「不自然」だし「不健康」だ。

なんてのは人によるとしか言えない。
糖分を摂りすぎないのが一番いいんだけれど、たとえば
砂糖代用品使用が長期体重コントロールを助けるなんて報告もあって、人工甘味料が必ずしも不健康であるかと言うとそうでもない。
リスクとベネフィットを天秤にかけてみて自分にはどちらが良いのかを判断するしかない。
それを「人工甘味料」は「不自然」で「不健康」であると言えちゃうのはなんというか無責任な自然志向に傾いているように見受けられる。
白砂糖が危険であるという言説だって「不自然」だというところから出てるし。
これが行きすぎると「人工甘味料」は「不自然」だから危険、きび砂糖や黒糖やはちみつは「自然」だから安全なんて話にもつながりかねない。
自然物=安全、人工物=危険なんてことはもちろんChikirinさんは書いていないのだけれど、そう受け取られかねない書き方だったから「なんか危うい」って書いた。


そういう趣旨でコメントをつけたわけだけど、それに対して「安全なものとそうでないものを区別する方法を具体的に教えろ」と言われたので言っておく。

ググれ(ry

何の知識もない素人が判断できるような絶対的な基準があれば専門家なんて必要ないわ。


「言っとくが、この件は「科学」「国家」「大企業」に安全が保証されたものが実は危険だったという話だぜ」ということだが全然違う。

「科学」のお墨付きとしては「危険なものになる可能性がある」であって「危険」ではない。グリシドール脂肪酸エステルは
IARCのリスク評価では緑茶と同程度の発がんリスク。
「国家」のお墨付き(トクホ)としては「体に脂肪がつきにくい」なわけであって「発がん性物質が入ってない」ではない。
「大企業」の花王はDAGについて中期発がん性試験までしていて、その結果は問題なし。

で、
この件について荒削りなメモだけども「安全基準からするとアウトだけど危険じゃないじゃん」という趣旨の記事を私は書いてる
危険って、何が危険だったの?教えてください。


普段生活するうえで安全基準については確かに知っている必要がないかもしれないけれど、「科学」や「国家」や「大企業」の発表が信じられないのならば自分で「調べる」しかない。
で、エコナについては発表の内容と世間での受け取られ方に大きな溝があるように感じたから私は自分で調べて書いたわけ。で、DAGについても今、英語の論文を読んでますが、何か。
私は化学屋さんじゃないし、食品関連も素人だから独学で勉強していますが、勉強してない人でもすぐに確実に判断できる方法を教えろとか、舐めてるの?そんなんあったら勉強してない。

とりあえず食品の安全基準については安全基準の量のすぐ横に危険な量があるわけじゃなくて、最低でも10~100倍の開きがあることは知っておいても損がないと思うよ。


で、コメントには文字数制限がないので言いたいことがあればどうぞ。


追記:
ddyさん、けんか腰にけんか腰でごめんなさい(笑)
別にそこまで憤ってもないし怒ってもないです。
ただ、何かを白と黒で分けるのは簡単だけど実は全然良い方法じゃなくて、危険じゃないエコナで大騒ぎしたり危険じゃない合成洗剤を徹底的に避けるようになったり危険じゃない砂糖を「危険なんです!」って(善意で)広めたり、消化器系が弱いのに酵素が良いとか言って生野菜食べたり、とにかく「自然」と「不自然」で区切るのは「安全」と「危険」で区切ってしまうようになる第一歩だってことが書きたかったわけです。
私は伝え方が下手だし売られたけんかは残らず買うしがさつですが(笑)別にdisりたいからやってるわけじゃないです。
私はChikirinさんの政治とか経済的な観点からの記事は好きだし目から鱗を何枚も落としたけど、そういう期待があったからこそ周りへの影響を考えてあの記事は「危うい」ってつけました。
危ういだけであってまだ非科学なわけじゃないと思うんだよね、個人的に。ただそんなこと100文字に書けないだけで。

なんていうかよくわからないけれどこの記事でddyさんの疑問に答えられてるんならいいんですが、わからないところを残したまんまだと体に毒ですぜ。
聞かれればもちろん答えるけれど、例えるならば「ピアノを弾いたことないど素人がすぐに月光を弾ける方法を教えてくれよ」と言われたと考えてみればいいかもしれない。そんな天才ももしかしたらいるかもしれないけど、少なくとも全員は無理だし私ももう弾けるかどうか危うい。

信用できる専門家の意見を鵜呑みにすることは「科学」や「国家」や「大企業」の発表を信じるのとそう変わらないから、自分で判断したいのなら勉強するしかなくて、勉強するのならば近道なんてないです。
そして、近道を教えてくれないならお前の指摘は意味がないというのも(ddyさんはそんなこと言ってないけれども)、たぶん正しくないです。

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なんていうか、エコナに関する風評が恐ろしいほど酷い。

花王、「エコナ」全製品を販売自粛 9月17日から (産経新聞-Yahoo!ニュース)
花王が「エコナ」全製品を販売自粛…発がん性がある恐れ(痛いニュース)とそのはてなブックマーク
今のところもっとも詳しいまとめ(だけどちょっと混ぜすぎ落ちつけ)↓
「エコナ」は本当に安全だったのか?販売自粛の原因である「グリシドール脂肪酸エステル」とは?(GIGAZINE)


グリシドール脂肪酸エステルの人体内での動向を観測できず、エステラーゼにより分解を受けるかもわからず、分解産物であるグリシドールがGroup2A(ヒトでの発がん性が恐らくある、実験的にはマウス・ラットで変異原性が確認されているが、ヒトでは曝露量が低く判定ができない)であること。
ワーストケースを想定した(グリシドール脂肪酸エステルが全部グリシドールに分解される)場合、グリシドールの摂取量が動物実験での無毒性量(NOAEL)と比べても250倍程度しか開きがないこと。本来ならば10000倍あるべきだけれど、その基準値から約40倍のずれがあること。
だからグリシドール脂肪酸エステルおよびグリシドールを測定する技術がないならばそれらの危険因子は排除した方がいいということ。

これを見て、ああ確かによくわからないけれどそういう危惧があり、なおかつ不純物(グリシドール脂肪酸エステル)を取り除く技術があるのならばまあ回収した方がいいかもね、と思いました。


それとは別にDAGに発がん促進作用があるのではないかと考えられていることも自体を混乱させている。
エコナが特定保健用食品として認可を受けたのは「DAGの吸収過程で中性脂肪を再構成しにくい、だから脂肪がつきにくい」ということなので、DAGの安全性に関しては見直す必要があると思う。
しかし今回の件はそれとはまったく別の問題で、まあDAGじゃないければ不純物として生成されなかっただろうから同じ問題だと言うかもしれないけれど、やっぱり分けて考えるべきなんじゃないの。

グリシドール脂肪酸エステルをパーム油以下に下げてもDAGの問題はやはり考慮すべきだと思うよ。

で、おそらく、これはエコナがトクホだったからここまで大騒ぎになったと思うのね。(「花王だから」ってのもあるかも)
これがトクホじゃないものだったら大騒ぎしないでしょ。
だってポテトチップスにだってアクリルアミド含まれてますよ、奥さん。
だけど、健康エコナは「脂肪がつきにくい」とは言ってたけど「がんを抑制します」なんて言ってないし、なんていうかネーミングがアレなところもあるけど、みなさんのエコナに対する「健康」の定義広すぎませんかって思った。


もうちょっと調べてから書く予定だけど(それまでに誰か書かないかなー)、とりあえず
部屋の掃除→ラジウムの話→エコナの話
になるので期待はしないでください。


ところで、グリシドールのWikipediaの項目は2009年9月16日に作られたのだけど、2人目のIPユーザーによって突如として「グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸や高温で分解しグリシドールを生成する。」という記述が加えられ、それが現在の最新版まで形を変えて(「グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成すると言われるが、はっきりしたことは分かっておらず、また生成されても、それが体内に吸収されるかどうかも分かっていない」)生きているけど、出典が示されていない極めて怪しい内容。
最初は脚注2かと思ったけどどうも違うらしい。
出典を明示してほしいのだけど、相手はIPユーザーだし、私は編集の仕方を知らないし(少なくともいきなり消しちゃいけないってのは知ってるけど)どうしようもないのでとりあえず出典のない怪しい記述であることは書いておく。


追記:
はてなブックマークをよく見るんですが、自分のエントリがあってワロタ。

えっと、nekoluna先生が、

グリシドールはげっ歯類で発がんを起こすけど グリシドール脂肪酸エステルはげっ歯類で発がんがみられずIARCでGroup3となってることもかいてあげてー」

とおっしゃっているので書いておきます。というか確実に転載です(笑)
オレイン酸グリシジル(
Glycidyl oleate)やステアリン酸グリシジル(Glycidyl stearate)のことですね、先生!
確かにGroup3になってます。
1987年って結構古いな。IARCの報告(英文、pdf注意)
そもそもIARCで発がん性評価がされているということはそれなりに試験が行われているということですね。

現在、エコナにグリシドール脂肪酸エステルが含まれていることはわかっていますが、グリシドールに分解されているかはよくわかっていません。仮に含まれていたとして、しかもグリシドール脂肪酸エステルが全部分解されてグリシドールになってたとしても実験動物での無毒性量よりも少ない量しか摂取していません。
ただし最悪の場合を想定して発がん性物質(グリシドール)が生成されていたとすると、安全基準には足りません。
どういうことかというのは、リンク先を見てください
摂取量を考えると、NOAELよりも少ないんだけど、「MOE≦UFs」だから「リスクの懸念あり」なんです。OK?


ちくしょう、なんだかんだいろいろ調べちゃったよ。
とりあえず、特に大騒ぎするほどのことじゃないんだけど、なんかみんなが大騒ぎしてたから書いてみたよ。

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