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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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砂糖に依存性が?砂糖に依存性が?その2の続き。

本記事は2008年12月16日に作成。


(いきなり追記)
証明されたという記述が気になったので。
他のブログやら日記を見てると科学的に証明されたという言葉が一人歩きしているように見えます。
証明されたと言ってますが、論文ではestablishとかevidenceとかdemonstrateとかは使ってません。(demonstrateは「~の兆候を
示す」という意味では使っていても証明の意味では使っていません)
たいていは論文ではWe suggestとかWe findとか使います。(自分たちでは結果に確信があってもです。ケチをつけられるし、簡単にひっくり返されますからねぇ…)
今回の論文でもmay~かもしれないとsuggest~を提案する、示唆するとちゃんと書いてあります。
Hoebel教授ご本人が取材に対して(あるいは会議で)なんと言っていたのかはわかりませんが、論文自体に言いすぎているところはないとだけ言っておきます。
といっても1本しか読んでないんですが。(ある程度査読というシステムを信用しているので。ただし雑誌のレベルは確認しておいた方がいいと思います)

ただし、学術の世界では対外的には慎重に、対内的(同僚じゃなくてお上に対して)には積極的に報告する傾向にあることも付け加えておきますね。

この論文で合ってるのかわからないけどとりあえず少し読んでみた。

雑音がうるさかったのであまり丁寧ではないですが一旦区切りをつけるために必要最低限だけ。

とその前に、空腹時に砂糖を大量摂取するという記述について。

Rats were maintained on 12-h deprivation followed by 12-h access to a 10% sucrose solution and chow for 28 days, then fasted for 36 h.
本実験では28日間、10%スクロース溶液と固形飼料を12時間おきに(12時間摂食+12時間断食)与えたのち36時間絶食させた。

という私の訳が違うんなら以下の私の解釈はまったくの役立たずになります。
ということを念頭に置いてどうぞ。

拍手[0回]


Abstract(一部要約)

After daily bingeing on a sucrose solution, food deprivation induces anxiety and accumbens dopamine/acetylcholine imbalance.

糖質の過剰摂取は依存性の兆候を示し、依存性薬物の摂取と同じ神経路を活性化するかもしれない。
実験群では対照群と比較して
マウス用高架式十字迷路のアーム部分での滞在時間が短かった。これは試験群が対照群に比べて不安症状にあることを示唆している。
また、Microdialysis(微小透析)により
側坐核のShellにおいて、細胞外のアセチルコリンが増加しドーパミンの放出が減少した。
これらの症状は低血糖に起因して現れたものではなく、
naloxoneを用いたときの効果に似ており、オピオイド(アヘン)類縁物質の禁断症状が見られた。

続いてMateria&Methodの一部


 
実験1:糖質過剰摂取のラットは絶食の間、不安になるか(不安衝動に駆られるか)

すべての群において12時間点灯、12時間消灯で実験を行った。

300~450gのラット個体を用いた。
■実験群:N=9、10%スクロース溶液+固形飼料を12時間おきに与えた。
The main experimental group (intermittent sugar+chow; n=9) weremaintained on a diet of 12-h deprivation followed by 12-h access to a 10% (w/v) sucrose solution plus standard rodent chow
□対照群:N=7、固形飼料を自由に与えた。
A control group (ad libitum chow; n=7) was allowed ad libitum access to standard rodent chow.
その他:N=?、固形飼料は12時間おきに与え、10%スクロース溶液は自由に与えた。
Other groups (intermittent chow and ad libitum sugar)

水は各群で自由に与えた。実験群においては消灯後4時間後から飼料を与え始めた。(おそらく夜行性だからだろう)


28日目の最後に、実験群は12時間の断食があり、その後に24時間絶食させた(計36時間)。対照群は固形飼料を取り上げてから36時間断食させたのちに実験を行った。
高 架式十字迷路はアームが4つあり、そのうち2つは不透明の高い壁があり、残りの2つには囲いが一切ない。赤色光の中で実験を行い、囲いのないアームの滞在時間を調べた。判定は頭部と前肢が、囲いのないアーム、囲いのあるアーム、中央にある時間をそれぞれ合計した。実験はビデオに撮影し、観察者(判定者)は 盲検法で判定した。

さらに続いてFig.1の解説。ただしちょっと統計に疎いので統計の話は省きます。



■=実験群
□=対照群
グレー=その他


 
Fig.1A:スクロース溶液の摂取量

Fig.1B:固形飼料の摂取量

Fig.1C:摂取カロリーの総計

標準誤差は上下のバーで示してある。

Fig1Aから、一日のスクロース摂取量は3-7g、約5.5g程度であることがわかる。ちなみに本文から読み取れなかったので目分量。

Fig1Cから、どの個体群でも摂取カロリーはほとんど変わらないことがわかる。

Fig1Bから、実験群だけが固形飼料の摂取量が少ないことが見て取れる。



Fig1Aからスクロースの摂取量が割り出せる。少ない日で30 ml/日摂取している。これを体重当たり(450gの個体)で換算すると約 6.7 g/kg、体重50 kgのヒトに換算すると約335 g/日となる。Aのグラフから平均摂取量を55 mlとすると(本文から読み取れないので)体重 50 kgのヒトで約610 g/日摂取しなければならない。
WHOによると成人の砂糖の摂取量総摂取カロリーの10%が砂糖だとすると一日50-70 gが良いとされている。実際にどのくらい摂取しているかわからないが相当な過剰摂取であると思われる。
ただし、ラットの糖代謝系とかをよく知らないのでヒトへの換算の仕方がこれでいいのかがわからない。

Fig1B およびFig1Cから、実験群での固形飼料の摂取が少ない分のカロリーをスクロース溶液で補っていることがわかる。反対に、コントロール?としてあるはず のその他の群と対照群を摂取カロリー固形飼料の摂取量で比較するとほとんど変わらないことから、その他の群はスクロース溶液をほとんど摂取してないので はないか、という疑問が浮上する。では何に対するコントロールなのか??(以前の報告ではこの系で不安行動を測るのを失敗してるので測っていない)



うーん、あんまりうまく訳せてなくて省略もしてあるし、わからない語句がいくつかあるのですが、今まで読んだところで気になるところが2つあります。

1.実験群と対照群とその他の置き方が微妙。
実 験群に12時間の断食を強いるなら対照群にも12時間の断食を強いるべきでは?その他の群はまさしく12時間サイクルで断食(スクロース溶液は与えてもほ とんど摂取していないので与えてないに等しい?)させているのでコントロールにふさわしい気がするものの、不安行動を見ていない(高架式十字迷路での実験 をしていない)。アセチルコリンやドーパミンの量を測定していても片手落ちでは?
しかもよく見てみると実験2では当たり前のように12時間断食を前提としてスクロースありorなしの実験が行われている。全実験通して同じコントロールを置くべきでは?

2.
オピオイド受容体について。
Fig.2以降はまったく見てないので断片からの憶測です(ちゃんと述べようと思うならやっちゃダメ)。
naloxoneに近いのならばμ受容体と親和性が強いことになる。
κ受容体が鎮静や不快感、幻覚やせん妄、ADH分泌低下などの作用があるのに対して、μ2受容体は呼吸抑制、徐脈、血圧低下、多幸感、悪心などの作用があり、同じオピオイド受容体でもかなり違うことがわかる。そして今回言われているのは後者である。
ということで、多幸感というのは当たってるんじゃないかな。だって糖分摂取すると幸せになれるもん。脳に影響、というよりは身体的影響の方かな。


当初の私の疑問に答えてみましょうか。

①大量摂取ってどれくらい?
個体差はあるものの約5.5 g。ヒトに換算すると約610 g/50 kgぐらい。
②砂糖以外の条件は大丈夫?
うーん。私としては微妙だけど、これを他の人が見たら妥当であるというかもしれない。最後まで斜め読みした感じではそれなりの実験をしてるように見える。ただしコントロールの置き方に疑問を感じる。
③後遺症って具体的にどんな症状?
しっかり読んでないのでわかりません。
④=①それは人間が摂取可能な量なんでしょうね?
難しいところ。純粋な砂糖として考えるのなら摂取できないと思う。本当に砂糖の過剰摂取を見てるんだなぁという感じ。


番 外:この実験はスクロースで行われているので当然、白い砂糖(上白糖)はダメ、黒い砂糖(黒砂糖)は良いという趣旨のことが言いたいわけでは全然ないで す。だって黒砂糖にもショ糖(スクロース)は80%以上含まれていますからね。黒砂糖を上白糖の1.25倍使えば同じです。
なぜ実験で上白糖と黒砂糖を使わないかといえば不純物の影響を取り除きたいからです。純粋な砂糖成分=スクロースの影響を見るため、ですね。

GIGAZINEの記事のタイトルは煽りすぎなものの最後の一文、

今回の研究結果は重大だが、これらの機序を人間に適応するにはさらなる研究が必要とのこと。将来的には過食症などの分野で生かされる可能性が高いそうです。

は正しいです。
Abstractには「これ(おそらく糖分の過剰摂取)はいくつかの摂食障害の要因かもしれない」と書いてあったので。

しかし、科学的に証明ってほど大それたものじゃないかなぁ。


追記:
そうだよ、なぜ私は
食品安全blogに行かないのか。
注意喚起:人間はラットではない
砂糖の魅力は味だけではない
なんかが気になりました。動物実験に関しては専門外なので専門家の見解が気になります。

1月8日追記:
スクロースになんか効果があるらしいってのはわかったので、この後に対照実験としてアスパルテームとかアセスルファムKとかスクラロースなどの人工甘味料で実験してみてほしいです。
そうしたら甘味の受容によるのか糖分(スクロース、ブドウ糖など)の摂取によるのかがわかるかな?と。やっぱり見ていると「砂糖、危険」みたいな認識が多いので心配です。10%の砂糖水を6Lって飲めないですよ?まず濃い。で、水を6Lとか無理。
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