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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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NYのレストランで「塩使用禁止法案」が提出されたらしいよーって話を痛いニュースで見て、そんな馬鹿な・・・と思ってソースを辿って行ったんですが、訳が間違ってるわけじゃなさそうです。
ただ、その過程でとても面白いものを見つけたので紹介したいと思います。


NYで「レストランで塩使用禁止法案」提出…高血圧など生活習慣病の抑制に(痛いニュース(ノ∀`))

NYのレストランで「塩使用禁止法案」提出(サーチナ)

NYのレストランで「塩使用禁止法案」提出(ロケットニュース24)

NY restaurants face total salt ban if politician gets his way(Telegraph)


残念ながらTelegraph(イギリスのメディア)でソースが完全に途切れたので、記者の勘違い?と思ったのですが、Felix Ortiz議員のWikipedia(英語)を見たらすでにそのことが書いてあり、アメリカのニュースソースを見つけることができました。

関連ニュース
Brooklyn Dem Felix Ortiz wants to ban use of salt in New York restaurants(NYDailyNews)
Assemblyman seeking to ban all salt in restaurant cooking(TimesUnion)


これはアメリカでも相当話題になったようで、いくつかのメディアが取り上げています。
その反応の多くはねーよwww というものです。
痛いニュースでは「アメリカおかしいんじゃねーのw」という反応が多数を占めていましたが、おかしいのはOrtiz氏だけで、アメリカでもだいたい同じ反応のようです。


さて、Wikipediaを読んでいて不思議に思った点が一つあります。
Telegraphおよび日本の記事ではBloomberg市長も支持している、とありますが、Wikipediaの記事には

New York City mayor Michael Bloomberg, who called the bill "ridiculous"

つまり、

NY市のマイケル・ブルームバーグ市長はこの法案について「おかしい」と言っている

と書いてあります。
そのソースがこちらで、精訳していないですが簡単に要約してみると、

Ortiz氏の言うこと(塩分過剰摂取のリスク)はもっともだが度が過ぎている。そもそも、私たちはまさに減塩に取り組んでいるところだ

というのです。
良かった。市長がまともで良かった!

そうなのです。
NY市では現在、ファストフードを含めたレストラン、加工食品などの減塩政策に取り組んでいるのです。
2009年から始まっていて、アメリカのメディアで取り上げられたのが2010年1月ごろです。

関連ニュース
New city plan pushes for 25% reduction of salt in nearly all food products(NYDailyNews)
Next on New York's health agenda: curbing salt intake(TIME)

アメリカでの塩分摂取量の約75%が加工食品や調理済み食品に由来しているという報告があります(参考:
疫学批評
そうすると、家庭内でどんなに塩分摂取を控えたところでたかが知れていますよね。
そこでNY市では「個人で減塩に努めなさい」と言うのではなく、食品製造業者に食品中の塩分量を減らしなさいということにしました。


さて、実際の取り組みを見てみましょう。
NY市保健精神衛生局(DOHMH:Department of Health and Mental Hygiene)は
2014年までの5年間に加工食品の塩分量を20%削減する、という方針を打ち立てました。(ニュースでは25%とありますが、こちらのページでは20%となっています)
報告当時(2009年)の加工食品中のナトリウム量を調べ、そこから2012年に約10%減らし、2014年に約20%減らしたときの目標値がそれぞれ記されています。
Restaurant Food Targets (PDF)

目標値がちょっときついかな?とも思うのですが、このような積極的な取り組みをしているのはNYだけではありません。
イギリスでは国を挙げて減塩に取り組んでいました。その結果、4年かけて塩分摂取量を10%減らすことに成功しています。イギリスでも成功してるからうちでもできるはずだ、ということですね。


このような、製造業や外食産業を巻き込んだ大きくて重要な政策について市長が知らないとなると「ええ!?」って思いますよね。
ちなみに、Bloomberg氏の発言を見つけたのは最後だったので、それまでずーっと「ええ!?」って思ってました。


さて、NYでは製造業に圧力をかけても減塩を促進したいのですが、実はそんなアメリカ人よりも日本人の塩分摂取量は多いのです。
アメリカ人男性の一日の塩分摂取量が10g程度であるのに対して、日本人男性は12g前後摂取しています。
日本には漬物がありますし、味噌も醤油もいわば塩です(塩分濃度はそれぞれ10%、15%程度)。
そんな日本人は食塩を過剰摂取しやすく、また塩分の過剰摂取による疾病のリスクが他の国と比べて高いです。

たとえば胃がん、胃潰瘍、高血圧などの疾病の他に、
高血圧からくる心疾患、動脈硬化、脳卒中、腎臓疾患などのリスクも高くなります。


それでも、日本でもまったくなんの努力がされていないわけじゃありませんよ。
一日の塩分摂取量を10g未満(女性では8g未満)が望ましいとされていますが、ここ10年で1g、30年前と比較しても2g減らすことに成功しています(
参考1参考2:Garbagenewsより)
ただしWHOでは一日5g以下が望ましいとしています
なので、実はあと半分減らしたいわけですね。

日本では家庭内での塩分摂取量が25%ということはないでしょう。たぶんもっと大きな割合を占めていると思います。だから、右に倣えが必ずしも正しいとは言えません。
でも、もしかしたらこのような大胆な政策が参考になる地域があるかもしれません。たとえば東京とか。



Ortiz氏の提出した法案は極端でしたが、塩分の過剰摂取のリスクについてはまったく正しいことを言っています。そして、塩分過剰摂取のリスクを正しく理解したうえでNYは減塩政策を実行しています。
NY市のこの取り組みは、塩分摂取量の約75%が加工品や外食であるNYの特徴をよくとらえており、成功すれば効果が期待できそうです


悪いところは反面教師として受け取り、良いところは積極的に真似するのが賢い方法ですね。
アメリカm9(^Д^)プギャーしてる間に周りはどんどん先へ行ってしまいます。
NY市の取り組みから学ぶことは多いはず。私たちも減塩についてもうちょっと考えてみたいですね。



なんだか賢い日本人の方が随分と多いようだったので、ちょっとムキになって書いてみました。



ところで、日本での取り組みをほとんど知らないので補足してくれる方がいらっしゃるとありがたいです。



追記
日本にだってお馬鹿なことをつい口走っちゃうお馬鹿な議員さんは結構いますよね。
そんな感じ。
法律を守らない市長だったり、自由奔放な知事だったり、極端に思想の偏った議員だったり、自治体主催の食品添加物の講演会で安部司氏を呼んじゃったり。あるよねー。

あと、加工食品というのは自宅で食べるシリアルとか食パンとかマーガリンとか梅干しとかいろいろ含むのではないかと思います。あれ。そうすると日本でも結構加工食品が多いのかしら。
そのへんの調査がないか探してみると面白そうですね。調べてみようと思います。

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最近の話なのですが、再現性が取れないんです、と後輩と学生さんから相談されてそれぞれ違うアドバイスをしたので参考までに書いておきます。
別に9割方完成していた記事を消しちゃったからその代わりなわけじゃないです。
めちゃめちゃ筆が乗ってた時にバッテリーが切れて「あ。」とかそんなんじゃないです。


後輩くんの場合。
私の研究を引き継いでもらいました。


後輩くん「先輩の実験の再現性が取れないんです。僕の操作が悪いんでしょうか。こういう結果が出るのはなんでなんでしょう?」

「(知らんがなw) うーん、とりあえず試料を取ってきた株が正しいかを確認してみるべきかな。プライマーとかあるはずだからPCRで良いと思うよ」

後輩くん「先生たちにも『とりあえず株が正しいかチェックしなさい』と言われました」

「うんうんそうだろう。君の場合、私のデータと矛盾する結果が出てるんだけど、いちおう君の実験単独では再現性が取れてるわけだから操作がまずいっていうのはないと思う。それでもなんで先生が『とりあえず株が正しいか……』って言ったか、わかるかな?」

後輩くん「それは……先輩の実験操作の方が信頼できるから、ですか……?」

いやいや違う違う。私は実験結果を4つ出したけど、それぞれの結果は矛盾しないし私(たち)の立てた仮説とも整合性が取れる。それに過去の論文や報告とも矛盾しないんだよ。だけど、君の出した2つの結果は一部が矛盾するだけでなく、私の結果を含む過去の知見とも矛盾してしまうんだよ。だから、とりあえず『君の出したデータが間違っている可能性を排除しましょう』という意味で株をチェックしよう、という話になるんだよ」
「それでも株が正しければおそらく君の操作に問題はないだろうから、君の結果は正しいんだと思う。だから、私の実験を含めた過去の知見と整合性が取れなくても君の出した結果はおそらく事実なんだろうから、そのときはどういう仮説が成り立つか考えよう」

「あ、でもその試料の取り方が私と違うから、念のために遠心でのWashの回数を1回から3回にしてみてね」



学生さんの場合。
修論の書き方がわからないと言われました。
大丈夫か、あと1か月しかないぞ!

学生さん「先生に修論をどうまとめるか簡単に書きだしなさいって言われたんですけど、考察のところをどう書いたらいいんでしょう」

「(これはまたあっさり投げたなw)今までにいくつか実験してるよね。とりあえずそれぞれの結果について言えることを過去の研究や論文を引用していいから説明してみる。その後にそれぞれの個別の考察をまとめたら何が言えるかを考えてみる。だから実は緒論なんかは最後でもいい」

学生さん「そうなんですけど、どういう順番で説明したらいいか……実験した順番じゃないんですよね」

「そうだね。相手に理解してもらうのが大事だから『どの順番なら伝えやすいか』を考えてみよう。その順番が実験順だったらそれでも良いのだけど、以前に『実験順に説明しても聴いてる方はわからない』と指摘されたよね」

学生さん「そうなんです。だからどうまとめていいか」

「あなたが修論でどういう結論を述べたいか、によるかな。たとえば卒論では、in vitroにおいてXという酵素はA、B、C、Dという(共通のドメインを持つ)酵素の活性を阻害するけれど『in vivoではAという酵素の活性のみ阻害している』という結論だったよね。今あるデータで、AとCの関連性の話をしたいのか、それともXの話をしたいのかによっても並べ方は変わってくるよ」

学生さん「ええと……、XがAだけじゃなくて、in vivoでもA~Dすべての活性阻害に関わってる、と言いたい、らしいです(←先生が言ってるからまだよく理解できていない)」

「うんうんなるほど。そうしたらまずA~Dの働きや欠損株でどのような形態になるかを説明して、その後でXを欠損させたり過剰発現したときの話をする。卒論のときとどう違うのかをさらに説明する、で良いんじゃないかな」

学生さん「あと、先輩方の研究を載せてもいいというので、これとこれとこれも足したいんですけど、並べ方もわからないしO先輩のデータの再現性が取れないんです」

(データの確認)

「Oくんの結果と矛盾するけど、3種類の株で同じ結果が出てるしあなたの結果は正しいような気がする……」
「Aには厳密に言うと二つの異なる働きがあるって論文をこの前投稿したよね?Hさんのデータとあなたの仮説を合わせるとあなたの結果の方が整合性が取れる、気がする。……うん、今までの知見とも合うし、Oくんの結果はあのときはあれで正しいようにみえたけどここまでデータが出てくるとあなたの結果の方が正しいんじゃないかな。あなたの方がいろいろ試してみてるんだし」

学生さん「うー……たぶん、ちょっとわかってきたような気がします。また相談してもいいですか?」

「あ、はい。あんまり参考にはならないかもしれないけどいつでも相談してください」



ちなみに私の場合。
先輩の再現性確認実験を行って、10のうち1つが再現性が取れなくてものすっごくいろんな方法で再現性を取ろうとして結局「先輩の方が間違ってるね」で落ち着きました。

矛盾する結果を覆すためには、その結果が出た実験以外にもいろいろ試す必要があります。
同じ実験をしただけではどちらが正しいのか判断しようがありませんよね?
私の場合はとある欠損株でとある酵素の局在を調べていたのですが、
・抗体で検出して蛍光顕微鏡観察
という実験以外にも
・細胞表層と上清の酵素の存在量確認(Western)
・転写量の比較(Northern)
などを行いました。
そこまでしてようやく納得してもらえました。


すべてに共通することは、判断するのは私や彼らですが、その判断の基準は私や彼らの外側にあるということです。


たとえば後輩くんの例。
私の出した結果ですが、その判断の根拠は「私の実験操作が信頼できるから」とか「私が正しいと思うから」ではありません。判断の基準は「私」にはなくて、今までの研究や論文にあります。
基準がにはないのでが判断してもそれが正しいかどうかを誰か(第三者)が判断することができます。
これは次の学生さんの例で確認できます。
学生さんとOくんのデータを第三者の私が確認しています。
ぶっちゃけて言うのなら私はOくんの方が優れた研究者だと思っています(ごめんなさい)。しかし学生さんの結果の方が正しいだろう、と私は判断しました。そう判断するための基準が私の中ではなくて外側にあるからです。彼らに対する私の評価とか仮説の好みとかはまったく関係ありません。おそらく学生さんがちゃんと理解してまとめて説明できればみんな学生さんの方が正しい(妥当な結果)だろうと言うと思います。



研究における科学的な手続きというのは、大雑把にいうとそんなものです。
分野によっても多少異なりますが、
1.自分の出したデータ内での整合性
2.過去の先輩のデータとの整合性
3.過去から現在まで蓄積された知見との整合性
は合わせる必要があります。
合わない場合は私が行ったように合わないことを証明する必要性が生じます。


たとえば、

「私が正しいと思うから正しいのだ」
「私がそういう結果を出した(そういう体験をした)から正しいのだ」

と言われた場合、それは確かに主観的には正しいのです。
「私」にとってはそれは「事実」なのです。
それは、科学の領域以外では十分に成り立ちます。
私もあなたも両方正しい、こういうことは十分に起こりうるのです。
ところが科学研究の場合はそれが成り立ちません。
「私」の外側にある基準に照らし合わせてみるとどうも整合性が取れない。そういう場合はどちらかが間違っています。
そしてたいていは「私」が間違っています。
だから「私」が間違っているかどうかの確認を研究者は真っ先に行います。
それをしないで「いや私は正しいんだ」という人は研究者としてどうだろう?と思うし、科学の名を汚すなと私は言います。
お前のやってることは科学じゃねーんだよ、と。


最後に今までの話を覆すようですが、特に研究が活発な分野では論文になっているからといって絶対正しいとは限らない、というのも頭の片隅に置いておくと考察の幅を狭めないかもしれません。
しかし、間違いを指摘する場合にも、その論文を間違いとする場合にはそれを上回るデータ、つまり証拠が必要である、というのは覚えておいてください。
しかも、間違いを指摘したのが間違いだった、と言う場合もなくはないので、ほとんどの場合は決定的な証拠が積み重なるまでは直接的な指摘は行われません。

だから面倒くさいのですけどね……。



あ、あと、学生さんにもっと役に立ちそうなアドバイスをすると、誰かに相談をするときは株のgenotypeや簡単なプロトコル、図や表など、とにかく資料はたくさん持っていきましょう。
二つ以上の遺伝子を潰すと、自分以外は図やgenotypeを見ないと株の素性を理解できないだろう、と考えておいてください。仮に先生や先輩や後輩が理解できていたとしても、卒論・修論発表、学会発表のときはそれをしなきゃいけないので普段からわかりやすさには留意しましょう。
また、理解している人同士でも資料があったほうが間違いや勘違いは減ります。
そのためにデータは常にまとめておきましょう。

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日経BPは宋文洲さんの記事が好きだったのもあって昔は読んでたんですが、最近はまったく読んでませんでした。が、メルマガ?でエコナ関連の記事があるというので読んでみました。

「エコナ クッキングオイル」販売中止の波紋(日経BPネット)

好意的に読み進めても当たり前以下のことしか書いてなくて、正直、2か月調べてこの程度しか書けないサイエンスライターってなんなの?って思っちゃいました。今までに行われてきた議論を本当に読んだのかしら、といった感じです。
しかも、消費者委員会の第三回の議事録に書いてあるのですが、第二回の、みんなが「これはひどい」と言いまくったエコナの再審査の件は会議の30分前ぐらいに急遽議論することが決まったらしくほとんどの人がその場で資料を渡されてそれを見ながら発言していたそうです。
そりゃ基本情報も踏まえていないような議論になるわよね、とちょびっと同情しました。
消費者庁はもう少し「科学的な議論」というものを考えた方がいいと思いますよ。

さて、500文字の制限ギリギリまでコメント書いてきました。

2か月も時間があったにしては内容がお粗末すぎです。

記者は科学ジャーナリストということですが、生化学についてもう少し勉強された方がいいと思います。
TAG(トリアシルグリセロール)が消化の過程でDAG(ジアシルグリセロール)を生じることは既知の事実ですよ。エコナの「特殊さ」はDAGだからではなく、1,3-DAGを多く含むことなんです。

花王がデータ公開を拒否しているという方、
どこぞの記事を真に受けたかは存じませんが、花王は2008年に論文として報告しています。お金さえ払えば読めますのでどうぞご検証ください。

以上は花王のHPに記載されている事実です。
花王のHPすらまともに読まなくてエコナに関する記事が書けるのでしょうか。

また、グリシドールはIARCでGroup2Aですが、グリシドール脂肪酸エステル自体はGroup3、発がん性を分類できない(お茶と同レベル)、です。
全量がグリシドールに置き変わったとしても動物実験での無毒性量の1/250だから「摂取しても問題がないだろう」なのです。
確証がなくとも最小毒性量を超えている可能性があったならすぐにでも回収してますよ。
(むいみ)(2009年11月18日 10:18)

なんか当事者みたいな書き方になってるけど、社員じゃないよ。
さすがに2か月も追ってれば「お前ちょっとは自分で調べてみろよ!」って言いたくなります。

2か月前の9月16日以降にエコナ関連の話がブログ等で騒がれましたが、この記事はブログ以下の情報量です。
私も人様のことをとやかく言えるほどの記事を書いてないですが、とりあえず人目に触れる機会は段違いのはずなのでコメント書いてきました。500文字って難しい。
私自身、有機化学とか栄養科学は学部生レベルでの知識と独学程度しかないのですが、その程度の見識だとしても酷い、酷過ぎる。著書リストをみて思わず納得しちゃいましたが、食品系のサイエンスライター名乗っちゃまずいレベルじゃなかろうかと感じました。


さて、なぜ「騒ぐ必要がない」と言っているのか、図にして解説しようかどうしようか迷っているのですが、とりあえず最後の3行に書いてある通りだからこそ「騒ぐ必要がない」のです。
これがたとえば、いくらグリシドール脂肪酸エステルからグリシドールになる確証がない段階といっても、ワーストケースを考慮したときに最小毒性量を超える可能性があったならば速やかに回収命令が下っただろうと私は考えています。また、その場合には花王が速やかに回収する旨を発表するでしょうし、回収しない場合は私を含めて多くの方が危険性を指摘すると思います。

今回のケースもワーストケースでは基準値をオーバーするので「なんとかしたほうがいいね」という意見は共通で出ていると思います。
なぜ「なんとかしたほうがいい」のに取り立てて「騒ぐ必要がない」のかは今後、余裕があれば説明したいと思います。
というか言葉では何度も説明したのだけどやっぱり図があった方がわかりやすいですよね。構想はできてるんですが、図を描くのが面倒くさいのでやらなくてもいいかなー、となまけています。

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自分のブログに遺伝子組換え作物に関する記事がほとんどないことに愕然としたので、いろいろ書こうと思っているのですが、すぐには書けないので自分が以前に知恵袋で質問・回答したものを貼り付けておきます。
あと、自分の分野ともかぶっているので初期から回答しているのですが、ときどき間違ってます。気をつけて。


【質問】
遺伝子組換え作物についてどう思われますか?(生活/料理カテ)
遺伝子組換え作物についてどう思われますか?(サイエンス/バイオテクノロジーカテ)
遺伝子組換え作物(GMO)に関する意識調査。

植物の形質転換に関する質問(サイエンス/バイオテクノロジーカテ)
アグロバクテリウム法やパーティクルガン法は目的遺伝子がランダムに挿入される。
しかし、特定の領域を組換える方法も研究されているらしいです。

【回答】
遺伝子組み換え大豆について質問します。(生活/料理カテ)
遺伝子組換えの表示について、基本編。
混入率5%のどうしようもない問題はあるとして、知らないうちに食べさせられているということはありえません。

遺伝子組み換え食品と学問の自由(サイエンス・宿題カテ)
この回答に沿って記事を組み立てていこうかな、とうっすら考えています。
・遺伝子組換え食品は今までの品種改良とは何が違うのか?
・遺伝子組換え技術の使われた食品にはどういう種類(農薬耐性や栄養添加)があるか?
・遺伝子組換え技術を用いた研究って具体的にどんなものか?
・遺伝子組換え食品の問題点とは何か?

遺伝子組み替え食品による人体実験は何時完了?(サイエンスカテ)
間違った情報を見たことによる不安の発露。
ちなみに、回答にはないですが、Bt毒素は活性化しないだけでなく、ヒトにはレセプターもないので作用しません(後知恵乙)

遺伝子組み換え食品に付いて質問です。(サイエンス/バイオテクノロジーカテ)
Btの恐怖第二弾。BAコメを読んで、安全性を強調しすぎたかも、と反省。

遺伝子組み換え作物は本当に安全なのでしょうか(ニュース・政治/国際情勢カテ)
と私は思っています(何)
混入率1%未満を目指して分別流通を行うならば、完全に別のラインを作らなきゃいけなくなると思うのですが、そうするとコストがかかると思います。
低価格で同程度のクオリティにこだわるのならばコスト的に1%未満は無理なんじゃないかなあ?

遺伝子組み換え食品とは、何のために作られた物なんですか?? (サイエンス/バイオテクノロジーカテ)
遺伝子組換えパパイヤの話。同情作戦乙。
アメリカでは遺伝子組換えパパイヤと非組換えパパイヤはそれぞれ味が違い、別品種として扱われているはずです。

遺伝子組み換え不分別のブドウ糖について(生活/料理カテ)
なんと以前に回答していました(笑)
精製度により不純物が混ざる可能性はある、と回答しました。

遺伝子操作の法律規定に関して(ニュース・政治/社会問題カテ)
カルタヘナ法など、遺伝子組換え技術の規制に関する話。
遺伝子組換え技術を用いた研究は、かなり厳しいルールの下に行われています。

【その他】
重複している内容など。
パッケージの遺伝子組み換えに関する記述は信じてもいいか
遺伝子組換え食品を食べたら副作用がある?
遺伝子組換え大豆を使用した商品はある?また、表示偽装とか大丈夫かな?
遺伝子組換えの大豆って大丈夫かな?


他にもあるはずなんですが、検索ではBA以外のがヒットしなかったのでこのくらいで。
っていうかお前はどこの回し者ですか(笑)

自分の知識の範囲(+検索)で書いているので、間違いも含まれているかもしれませんが、そんなに致命的な間違いはしていないと思います。
サイエンスカテには私よりも優れた回答者が多いので、見ていて参考になりますよ!(と知恵袋を持ちあげてみる)

現在問題にされていることや消費者意識も含めてわかりやすいように、少しずつ分解して説明していきたいとは考えていますが、ちょっとどうなるかわからないので今のところはこのへんで。


※なお、表記に関して「遺伝子組換え」と「遺伝子組み換え」のブレがありますが、初期は質問や食品流通の観点から「組み換え」表記を使うことが多かったのですが、たいていの場合は「組換え」は研究や作物自体に言及するときに使い、「組み換え」は法令上の文章や食品流通上の表示に言及するときに用いています。

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タバコの増税が打診されましたね。
「税金の無駄遣いをなくす」と言っている民主党はどのような決断をするのでしょうか。

たばこ1本10円上げ、1箱500円に 厚労省税制改正要望(Yahoo!ニュース)


厚生労働省は29日、政府税制調査会へ30日に提出する平成22年度の税制改正要望で、社会保障費の財源確保などのため、たばこ税を1本当たり10円引き上げるよう求める方針を決めた。実現すればたばこ1箱(20本)の値段は主力商品で現在の300円から500円に大幅値上げとなる。

さて、私は、厚生労働省が打診していることからも「健康」に重点を置いているのじゃないかと思っています。

21年度の税収見込み額は計2兆795億円。1箱500円に値上げした場合の税収増については、厚労省の研究班が20年に「最初の1年間は4400億円の増収」との試算を発表している。

増税しても、最初の1年目は税収が上がるんだし大丈夫じゃない?(でも、2年目以降は知らなーい)
って言ってるんだと感じましたが穿ちすぎですか。

税収の面のみを考慮するのならば、喫煙の影響が出るのは吸い始めてからだいぶ経った後ですから、今、吸う人が減っても医療費の削減はすぐには起こりません。当分はタバコによる税収が減りつつも医療費負担は現状維持という状況が続くでしょう。
しかし、長期的な視野を持って考えるのならば、これからしばらくマイナスになろうとも最終的にはプラスになるでしょう。出生率を上げることができれば。それはまた別の問題なのでここで取り上げても仕方ないでしょうけれど。


さて、健康増進・労働環境の改善に対して喫煙者を減らすということは理に適っています。

また、健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動:2000~2012年)の運動期間がもうあとわずかです。
これらの数値目標は2010年を目途に作られています。
2000年の健康日本21の報告書(pdf注意)の108~121ページがタバコに関する記述ですが、要点だけを書いてみると、


・タバコが健康に及ぼす影響について積極的に公開し周知徹底する
・2010年までに未成年の喫煙をゼロにする
・受動喫煙の防止:公共の場や職場での分煙の徹底、及び、効果の高い分煙についての知識の普及
・禁煙の支援:禁煙、節煙を希望する者に対する禁煙支援プログラムをすべての市町村で受けられるようにする

多くの疫学調査から、能動喫煙は肺がんだけではなく、ぜんそく、気管支炎、心臓病、脳卒中、胃潰瘍、妊婦への影響、歯周病などのリスクファクターであることが知られています。
しかし2000年当時、肺がん以外の疾病に対して、喫煙によりリスクが上昇することを知っていたのは国民の半数以下でした。日本が批准した条約において、署名した国は喫煙の害の周知の徹底する義務を持ちますので、国民の半数以下(このときは条約の効力はまだなかったんですけどね)しか認知していない状況はまずいでしょうね。
でも現時点においては、喫煙の害に関しては広く知られてきているのではないかなあと思っています。
JTさんも喫煙することのリスクをパッケージにてお知らせしていますよ、って言ってますし。


さて、ようやくタイトルの話です。
しかも一つのアンケートの結果からなのでほぼ釣りのようなタイトルですが(笑)まあいいでしょう。

アイブリッジがリサーチプラスにおいて20~59歳の首都圏在住(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)の喫煙者・非喫煙者を対象に「喫煙」をテーマにアンケート調査した結果からです。


現在吸っているタバコの価格が幾ら増税したらタバコを買うのをやめますか?

という問いに対して、平均で927.6円増税されたらタバコをやめる、という結果が出てきます。
(実際には税率が変わればタバコの値段の上昇率は下げられますが、まあ、無理でしょう)

調査結果(pdf注意)

つまり、現状の1箱300円が1箱1227円になってしまったら半数の人がやめる、ということです。
以前に取り上げたので多くは語りませんが、実際には2つのピークがあり、500~599円と1000~1999円のピークがあります。
つまり、実際には1箱が800~900円になったら43%が「タバコをやめる」と言っています。
この金額は欧米並みであり、なるほど、欧米では半分ぐらいの人がタバコの値段が上がったときにやめたのかもしれませんね。
もう一つのピークは1箱が1300~2300円の間にあります。ここまでくるとさらに35%の人が「タバコをやめる」と言っており、合わせて78%の人がタバコをやめる計算になります。
どれだけ増税されてもやめない!というツワモノも15%いるのがすごいですね。タバコが大好きなんですね。趣味にお金をかける余裕があるのならば別にいいと思います。

さて、タイトルは「タバコが1箱500円になった場合、喫煙者の6%がタバコをやめる」にしました。
1箱500円になる場合の増税額は200円です。
調査結果のグラフを見てみると、増税額が0~199円のとき、6%の人が「タバコをやめる」と言っています。
400人のうちの24人ってまた少ない数ですが、仮に299円までの層を含めたとしても13%、1割強がやめるだけなんですよね。
実際には、喫煙本数を減らすことで対処する人もいるかもしれませんが、完全にやめようと考えている人は1割強ってところです。
私としてはやめてもらって全然構わないんですけどね。
前述したように、タバコの税収が落ち込んでからしばらくは医療費負担が下がることはないでしょうし。
むしろ高齢社会なんだから上がっていく一方じゃないですか?


どういう試算で出たのかは知りませんが、今回の要望は

税収<<健康

という考えのもとに出てきたものだと思うのですよね。
っていうか、厚労省は毎年のように「タバコを増税しろー」って言ってるみたいじゃないですか。
どう考えても税金の優先順位低いですよね、厚労省的に。
それを政府の税制調査会がどう考えるのか、財務省がどう対応するかはまた別の問題じゃないかなあと思います。だって厚労省は税率を決める立場にありませんよね。税制管理するのは財務省であり国税庁でしょう?


政治に関しては詳しくないので、思ったことを書いているだけですが、みなさん、行政が一枚岩だと思ってるんですか?私には全然そんなふうには見えないけどなあ。
むしろ一枚岩だったら文句を言う場所が一か所で楽ですよね。その分、しがらみも少なそうで楽そうだ、あっはっは。


追記:
いくらか文章を訂正・追加しました。文意は変わってないはず。

6%の人がタバコをやめるから、何?ってのが言いたいんじゃなくて、税金の面からしかみんな指摘しないので別の視点を提供したかったので書いてみました。完璧に釣りタイトルじゃないかっ!
いやー。過去の記事を見てたら「案外、やめないんじゃないかな」と思ったので。
あと、タバコの増税を叫んでいる人は当然、税収が落ち込む可能性も考慮していると思ったのだけど、違うのでしょうか?だから喫煙者が言う「税収が減るよ」ってのは私にとっては脅しでもなんでもないんですよね。



10/31追記:
ちゃんと読んでなかったのですが、先の資料にちゃんと書いてありましたね。


山口らの推計によると、2010年に男女の喫煙率が半減した場合、74歳までの
肺がんによる累積死亡確率は、男性では2010年には依然増加傾向を示すが、2020
年の段階では若干の減少が実現できることが明らかとなった。ただし、この場合でも、女
性については2020年までに累積死亡確率の増加を抑えることはできない。つまり、20
10年までに喫煙率を半減できた場合でも、肺がん死亡率を大きな減少に導くことは困
難であり、その効果が現れるまでには数十年を要すると考えられた。

2000年の健康21の報告書、194ページ(pdf)

単純に、増税したからってすぐに医療費負担減となって還ってくるわけではないってことはもちろん理解したうえであの要望をしているわけです。

あと、純粋に間違えましたが、200円増税して1箱500円になったら税率が77.8%になりますね。
現在のタバコの税率は約63%
現在のタバコの税額が1箱189.16円、それに増額分200円が足されて389.16円。
税率据え置きで200円増税するとしたら、タバコの値段はだいたい620~630円ぐらいになります。
200円ではなくて320円上がりますね。
ってことはもしかしたら6%じゃないかもしれないですね…。うむむ。
でも税率据え置きなんてしたらJT叩かれそうだなあ…原価は上がってないけど、値段が上がって消費が落ち込むなら1箱ずつの売り上げを上げるしかないのに。

すみません、経済感覚ないので突っ込み募集中です。

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