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日常に潜む疑似科学的なことをメインに食指の動く方にのらりくらりと書いていく雑記です。
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なんだかよくわからないけれど、花王や厚労省はエコナが6年前に安全性が疑問視されてから何にもやってないじゃん、みたいな話がちょくちょく出てるので書いておく。
なんで私が花王の弁解をしなきゃいけないのかわからないけど、当事者がやると「火消し乙」になるんだろうから利害関係のない善意の(って自分で言わない!)第三者がやればいいんだろうそうなんだろう。
ちなみに他にもっといい記事があるのでそっちを紹介しておく。
DAGはどのくらい危険なのか(続々・エコナはどのくらい危険なのか)(ぷろどおむ えあらいん)
DAGの危険性(安全性)について知りたいのならこちらを読むことをおすすめする。はあ…見習いたい。



食品安全委員会の最新の報告(
高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食用油等に関連する情報
(第2報:Q&A)平成21年10月6日更新
)を参考にしながら書いていく。


6年前の平成15年6月の段階において、DAGを高濃度に含むマヨネーズタイプの食品の審査が行われ、その際にDAG(エコナ)の安全性の根拠として「ラットを用いた2年間の発がん性試験において、発がん性を示す所見は認められない」ことと「炭素数14以上の長鎖の脂肪酸を2本持つようなDAGは細胞膜を透過しないという報告もある」ことから安全性に関しては問題ないとされ、平成15年9月に特定保健用食品として認可を受けている。

それ以前の平成10年5月に厚生省から食用油として特定保健用食品の認可を受けているのだけれど、ページが見つけられない。トクホの認可を取り下げたので「国立健康・栄養研究所」のページから消えてしまっていると思われる。
だけど、とりあえず一番最初に特定保健用食品としての認可を受けたとされる
ヤクルトのページを見てみると「安全性に関する評価」と「有効性に関する評価」が行われているのがわかる。
認可を受けている食品を一通り見てみたが、「安全性に関する評価」と「有効性に関する評価」はその規模は置いておいてすべてにおいて確認されていることがわかる。
特定保健用食品は、これらの科学的知見が確認され、試験結果が妥当であると判断されて認可を受けていることを忘れてはいけない。

松永和紀さんは「より高い安全性を求められているわけではない」と書いておられたが、まったくその通りである。
より高い安全性を求められているわけではない」が「トクホ以外の食品と同程度に安全性」は確保されてしかるべきだ。そして、認可を受けているものは認可を受けていないものと比較して特にリスクが高いわけではない。


少し話が逸れてしまったので戻そう。

そもそも6年前に「ラットを用いた2年間の発がん性試験」が行われており、その結果として発がん性の危険性はないだろうと考えられた。
しかし、プロテインカイネースC(PKC:タンパク質リン酸化酵素)を活性化する物質があり、PKCが活性化されることによって皮膚に対する強い発がん促進作用を持つことが知られていた。DAGではそういう知見はなかったけれど、in vitro(試験管内での反応)においてPKCの活性化に関与していることがわかっていた。
そのため、念のためにDAGでは発がん促進作用があるかどうかを確認するために「より感度の高い実験をしなさい」と薬事・食品衛生審議会が要請した。

それらの報告を取りまとめてエコナ(マヨネーズタイプの製品)を認可したのが厚生労働省。
で、薬事・食品衛生審議会と食品安全委員会の要請を花王側に伝えたのも厚生労働省。

おそらくこれが6年前に指摘された「危険性」というやつ。

その指摘を受けて花王側はこの6年の間に以下の試験を行い、

・中期多臓器発がん性試験をラットで行い、24週間経口摂取させてプロモーション作用(発がん促進作用)があるかを確認
・消化管粘膜組織のPKC活性測定をラットで行い、PKCの活性に違いがあるかを確認
・ヒト大腸由来の培養細胞においてPLC活性測定を行い、PKCの活性に違いがあるかを確認

ジアシルグリセロール(DAG)の安全性(花王 栄養代謝の研究開発)

その結果としてTAG(普通の食用油)と差は見られなかったとしている。
ポイントの一つはここだと思う。
「発がん性は見られなかった」とか「PKCは活性化されなかった」とかじゃないの?って言われそうだけれど、そもそも食品に発がん性がまったくないなんてことは証明できない。せいぜい「今まで食べてきたけど安全だったよ」程度だ。
たとえば遺伝子組換え食品の評価の一つに「
実質的同等性」というのがあるのだけど、新規参入の食品の安全性評価はこれと同じような考え方になるのではないかと考えている。
DAGを高濃度に含むエコナはTAG同様に食用油として使用するのだからTAGと同程度のリスクは許容できるはずだ。TAGの安全性は「今まで食べてきたけど安全だったよ」とされているから、TAGを指標とすることに問題はないはずだ。


6年前に行われていた危険性の指摘って、こういうことだよね。
花王は「ラットを用いた2年間の発がん性試験」をやってるじゃんかーと突っぱねることも、もしかしたらできた。
いや、そんなこと絶対にしないと思うけれど。
だけど、万が一に危険性があってはいけないから、いろいろ試験をしている。
「ラットを用いた2年間の発がん性試験」をしてるんだよ、って言えば消費者を安心させることはできただろうに、それ以上に研究している。
そういうのってどうなの。批判されるべき態度なのかな。私はそうは思わないけれど、よくわからないや。


で、今回のグリシドール脂肪酸エステルについて、もういろんなところで言われているし、私も書いた(
エコナについてメモ安全か危険かを区別できる簡単な方法はない)ので繰り返すことはしない。
ただし、花王は製品中のグリシドール脂肪酸エステル量を減らすと言っているし、製品中にあるグリシドール脂肪酸エステルの危険性については平成21年11月末までに報告されることになっていて、私も待っているところだ。

依頼している資料のうち、特に速やかな提出を求めている以下の3項目については、本年9月、第302 回食品安全委員会において厚生労働省から、本年11月末までに提出される予定であるとの報告を受けています。
① グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの毒性に関する情報収集
② グリシドール脂肪酸エステルを経口摂取した場合の体内動態試験
③ グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの遺伝毒性試験

グリシドール脂肪酸エステルが胃酸で分解されてグリシドールになるなんて怪しい話もWikipediaにあったけれど、
一応は批判済み。その結果はこれから出るはずだ。
仮にグリシドールができたとしてもヒトの細胞と反応するよりも先に他の食品と反応しそうだけれど推測の域を出ないので11月を待ちたいと思う。


 もし、花王が自ら特保を返上せず、再審査となっていたら-。もう一度、食品安全委の審査を経る必要があるため、事態は長期化していた可能性がある。

11月末を長期化というのならそうだけれど、待つことについて、何か問題があるのだろうか。
食品安全委員会は以下のように書いている。

Q8 エコナ関連商品は食べても大丈夫ですか。

これまでのところ、グリシドール脂肪酸エステルが含まれるDAG 油を用いて行われた各種試験等から得られた科学的知見からは、高濃度にDAG を含む食品に対して、緊急に対応しなければならないほどの毒性所見は得られていません。

現時点までに行われた試験の知見から判断するに、エコナを通常量摂取し続ける人に対して特に「すぐにやめなさい」と指導すべき理由は見つからないよ、と言っている。

消費者意識を理解していないと言われようが、だって本当に何が問題かわからない。

私が問題にしているのはエコナの良いところが理解されていないことではない。
特定保健用食品としての認可を受けたものはその安全性に関しても科学的な評価をされているのだ。
それなのに消費者委員会は「消費者が不安に思うから」という理由で科学的知見に基づいて行われた食品の安全性評価を無視するような決定を行ったのだ。
じゃあ、食品の安全性ってなんなの。
安心ってのは、確かな安全性に支えられるべきものじゃないの。
安全ってのは、科学的な知見に基づいたリスク評価によって判断されるものじゃないの。
今回の決定を、消費者の食の安心を守るための英断だという人もいるかもしれないけれど、その裏では食の安全性が蔑ろにされたのだと私は受け取った。
消費者庁が消費者の立場に立ち、消費者の安心のために他の省庁・企業に対して安全性確認を行うだけの組織ならば何も言わない。だけど、
消費者庁のHPにはでかでかと「安全」と書いてある。
安全を守るのならば、科学的評価をしてもらわないと困る。
消費者の声を代弁するのと、消費者と同じ目線でしか評価できないのは同じようで全然違う。
消費者の声は拾ってほしいけれど、消費者の意見があまりにも見当違いだったら、ちゃんと説明してあげるのが「消費者の安全を守り、安心を与える」ってことなんじゃないかと私は思う。

今回のことで、悪徳商売をしている人たちに舐められないといいけれど、というのが一番心配しているところ。
ただ、立ち上げて間もないし、まだ1回目だし、私はまだまだ期待しているから頑張ってほしいと思ってる。



花王は今回、予想以上の大きな騒ぎになってかなりの痛手を受けたと思うけれど、その流れからエコナを自主的に取り下げるのは花王にとってなんの痛手にもならなかったと思う。
11月末までに追加報告を行えれば平成22年2月に販売再開される予定だったのだから予定通りにことが運べば2月には新たにトクホを取得して販売再開できるだろう。


評価・判断すべき立場にある消費者委員会や消費者庁が消費者と一緒にマスコミに踊らされていてはいけないのだ。




以上、一通り書きたいことは書いたと思うのだけれど、いろいろ書きたいことがありすぎてぐちゃぐちゃになってしまった。何か忘れていることがあるような、ないような。


さて、6年前にすべき対応ってなんでしょうか。
一体どんな対応がされていればみなさん、満足していたのでしょう。
花王が「うちの製品安全ですよ!!1」なんて情報をHPのトップに置いておいたら多くの消費者からは「頼みもしないのになんでこんなものをトップに持ってきてんだ、苦労自慢乙」「大企業だと簡単に研究ができていいわね」とか、もしかしたら「動物実験をしていることを大々的に宣伝するってなんなの」と思われると思うのですが。
同様に、厚生労働省や食品安全委員会は必要な報告はしていると思うのですよね。
その報告をもっと大々的に知らせた場合、「国は花王を特別扱いするのか」といった不満が噴出すると思うのですがどうでしょうか。
その他に個別に問い合わせがあったとして、それには答えていると思いますよ。
だって大事なお客様ですから。
ただ、本当に答えているかどうかは私は中の人じゃないのでわかりません。

どんな対応をしていてもたぶん、納得していないですよね。
対応していないから騒ぎになっていないのではなくて、どんな対策が取られているか知らないから騒ぎを起こしているだけです。
期待していた対応って、エコナのトクホ認可を取り下げるという一択なんですよね?
残念ながら、その他の「良い対応」ってのが思いつかなかったので、こういうときどういう対応をしたら不満が出ないのか、教えて差し上げたら次の対応の参考になるんじゃないかと思います。


別に食の安全性に詳しくなくったっていいじゃないですか。
私だって趣味でやってるようなもんだもの。
私たちが気付くようなことは誰かがとっくに気付いて対応してますよ。
文句を書き込む前にググってみるべきだと思います。
私はそれで書くのをやめたことが3割ぐらいあるので(笑)
判断できなかったら保留でもいいじゃないですか。
国や(大手)企業が出している情報は、結構正しいですよ。
明らかに間違っていたら、必ず専門家がこぞって批判するはずだから、それまで判断を保留してても大丈夫。
すぐに対処しなきゃいけないもので嘘をついても国や企業にメリットなんてないから。


あと、もし、はてなのIDコールに応えていないのならそれは気付いていないだけなのでお知らせください。
今日は、一つしか来てません。


追記
このくらいの考え方でいいんじゃない?というのを見つけたので貼っておきます。

結局、うちは「別に命の別状って程危険じゃないんでしょ?危険ならとっくに
回収を呼びかけて、販
売中止にしてるでしょ?全く問題ないと思う」ということになり
使ってます。

多少楽観視している意見ですが、この程度鷹揚に構えていられればエコナだけじゃなくて他の食品のときだって同程度の判断ができそうです。
別に、科学的リテラシーなんて必要なくない?
日本ではその程度の楽観的な判断をしても問題ないくらい、安全性は確保されていると思うよ。



さらに追記
トランス脂肪酸について
議事録を読んでみたのでちょっと書いてみる。
正確にはトランス脂肪酸のくだりを含めて3分の1までしか読んでいない。
話し言葉を文章にしているので読みにくい、というか、婉曲表現にすぎて意味を取りにくいところがあるのだけど、とても面白いので読まれることをおすすめする。

エコナクッキングオイルには、表の3-2、44ページの一番下を見ていただきますとおわかりのように、総トランス脂肪酸が5.2 %と、表の3-1 で示された他の日本で市販されている植物油の0.4 から2.3 %と比べまして、高濃度に含まれております。

なるほど、6年前の平成15年6月の時点ではエコナには約5%のトランス脂肪酸が含まれていたらしい。
エコナの摂取目安は10~12.5 gだから、12.5 gを摂取したとしてトランス脂肪酸の摂取量は0.625 gとなる。

油のカロリーは1 gあたり約9 kcalなので、1日にエコナから摂取するトランス脂肪酸のカロリーは0.625×9=5.625 kcalとなる。
成人の1日平均の摂取カロリーが2000 kcalなのでエコナから摂取するトランス脂肪酸量は0.29%、
就学学童も2000 kcalってなっているが、とりあえず1日の摂取カロリーを1000 kcalと仮定した場合には0.56%となる。
WHOは食事から摂取するトランス脂肪酸の量を全カロリーの1%未満にするように勧告している。
日本人はもともとトランス脂肪酸の摂取量が少ないことがわかっていて、だいたい1日に0.7~1.3 g/人(摂取エネルギーに換算して0.3~0.6%)程度だそうだ。
トランス脂肪酸の摂取量(pdf注意)
アメリカは摂取カロリーの2.6%ほどがトランス脂肪酸だそうだから、確かに気をつけないといけない。
ところが日本ではそう躍起になってトランス脂肪酸を排除しなくてもどうやら良さそうだ。
良さそうだけれど、範囲内とはいえ、エコナを使うなら他のトランス脂肪酸に気を付けた方がいいような気がする。

ところがいつマイナーチェンジしたか知らないが、
現在のエコナクッキングオイルのトランス脂肪酸含有量は約1.3%になっている。
これって他の植物油のトランス脂肪酸含有量と変わらない。
大手の企業って、こういうところが抜け目なくて嫌よね。隙を見せたら噛みついてやるのに(笑)

さて、あと残っている問題って、最近になって判明したグリシドール脂肪酸エステルの問題だけ?
こういうほぼ解決済みの過去の問題をいまさら取り上げてくるなんてマスコミはもう少し科学リテラシーを養った方がいいんじゃないかな。
情報発信者としての責任感をもっと発揮してよ。
あと、こういういい加減な情報を鵜呑みにして疑わしきは罰せよみたいな決定を下した消費者委員会にやはり疑義をはさまざるをえない。


さて、トクホとしての有効性を検証してよってのはご勘弁ください。
私は別にエコナ自体はどうでもいいんですから。(というツンデレですね、わかります)
でも、議事録を読む限りでは「肥満気味の人や中性脂肪が多い人」にはある程度有効みたいよ?
普通体型の人にはあんまり効果がないみたい。


補足
すみません、睡魔と闘いながら書いたので誤字・脱字が多いです。
基本的に内容は変えてないのでこそこそ修正しています。

あと、
松永和紀さんの記事からの引用を直しました。
×「より安全であることを保証するものではない」

○「より高い安全性を求められているわけではない」
引用は正確に!
というか、後で調べて直そうと思って(ry すみません言い訳です気をつけます。


あ、あと、この一連の記事で
「エコナはこんなに安全なのに使わないなんて馬鹿なの?使いなさいよねっ!」
ってことを言いたいわけじゃないです。
グリシドール脂肪酸エステルに関してはまだわかっていないですし。
うちもお中元とかお歳暮とかで花王以外のメーカーの油をもらう(のを実家から送ってもらってる)のでエコナを使うことってほとんどないし、どの油を使うかなんて好みの問題だと思います。
ただ私は、安全ってものが蔑ろにされてることに怒ってるんです。

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エコナの話。

消費者委員会の会議が酷いということについては、私は会議の内容もほとんど知らないし、問題点の指摘がもういくつかなされてるから私は触れない。

消費者庁と消費者委員会は花王に救われた。 - 食の安全情報blog
花王に救われた消費者庁と消費者委員会 - 松永和紀blog


今回、というか現在に至るまでに「そもそもエコナを特定保健用食品として認定した厚生労働省に責任はないのか」という話があるけれど、一体何の責任を取らせようというのか。
花王が出してきたDAGに関する研究結果を見て、厚生労働省と食品安全委員会がそれを科学的に判断し妥当であるとした場合、その科学的な判断は正しいのだと思う。仮に花王が捏造したとして、それを見抜けなかったらそれは判断した側の責任なのか?違うだろう。
ある論文の査読を任され、論文の内容としては問題ないとしたPeer Reviewerは後に論文の捏造が発覚したら一緒に責任を取らされるのか?後にその論文の内容が正しくなかった場合にお前の判断は正しくなかったから責任を取れって言われるのか??

その後に問題が出たとしても、判断した当時にはなかった問題の責任を取らされるというのはフェアではない。
それは花王に対しても言える。
どうやらDAGの問題はクリアしているようだし、グリシドール脂肪酸エステルの問題はトクホ認定後に出てきた問題だ。しかも危険性は決して高くない。一体何の問題があるんだろう。
花王は確かに商売上手だと思う。売らんかなという企業体質だし、今回の件も騒ぎを最小限にするように組閣の日に当ててきたのかもしれない。それでも、企業としての体質と研究の科学的な妥当性を混ぜて考えるべきではない。花王は、というか大手のメーカーほど安全性に十分すぎるほど気を使っていると思う。

そもそもトクホの認定を取り消されるような事実はない、と私は思っている。
取り消さなければいけないような危険性って、何?


消費者が安心できれば科学的に示された事実は、安全性はかなぐり捨ててもいいのか?
じゃあなんのための「トクホ」なんだろうか。
トクホは「安全である」ことを保証するものではない。だけど、食品である以上は食品としての安全性はもちろん確保されている。
どうやらトクホの権限は厚労省から消費者庁に移ったらしい。
だとしたら、消費者庁には消費者の目線から考えるだけではなく、安全というものがどのようにして確立されているのかを真剣に考えて勉強してもらいたい。
消費者庁は消費者と一緒に闇雲に騒ぐ機関ではなく、消費者の不安を拾い上げ、安全性が脅かされている事実があるのならば企業に指導をし、安全性が確立されているのならば消費者にそれを伝え、安全性がいまだ定まっていないというのならば現状としてどのような対策が取られているかを伝えるのが仕事じゃないだろうか。
発足間もないときに大きな山に当たってしまい、メンバーの教育もまだだろうに大変だとは思う。
だけど、準備が足りないから上手くできませんでした、というのは内実を知らない人たちには通用しない。

今のところの私の印象は、実力に伴わない権力を持っているように見受けられるが、そんなのはまだ新しいのだから仕方ない。
同じ日に「消費者庁と消費者委員会は花王に救われた」なんてタイトルを見て噴いたけど、悪いけどその通りだと思う。
せいぜい、権力を振り回さないように気をつけてほしい。二度目はないと考えてもらいたい。


こういうとき、どんなリテラシーがどの程度あれば私たちはメディアに振り回されずに済むのかって考えちゃいますよね。


追記:
リンク追加しておきました。

正直な話、日用品に関しては大手企業、各省庁(今のところ消費者庁を除く)の出す情報は信頼していいと思います。
お前も花王の手先か!って話は置いといて、本当に危ないんだったらそのへんの誰かが言いだす前に企業や各省庁がお触れを出すから。でもって本気で危ないのに「危なくないよ~」なんて言ってたら私も全力で批判すると思うから。
そりゃ花王の研究者は尊敬できるし信頼できると思ってるけど、だからって批判しないわけじゃないしおかしいと思ったらおかしいって言うよ。今回も「全然大丈夫じゃね」って空気だったら「おいおい安全基準超える可能性があるんだぞ」って書いてたと思うし。
今回騒いでた人たちだって情報弱者じゃなくって安全・健康に関する危機意識の強いどこにでもいる普通の人なだけ。ただ、マスコミや消費者庁は一緒に踊っちゃダメだ。
安全とはなんぞや?そもそもどういう基準があるの?っていうのを説明してくれなきゃ。

……そのうち、そのうち書くよ。
なるべく素人の目線から書けるうちに書いておきたいなあという思いはあるんだけどね。

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コメントを書こうとしたら500文字制限がありました…。
っていうか、うだうだ調べながらコメントを考えてたらコメント欄が閉じてますた。
ということでトラックバックを送ってみたいと思います。

追記分)リンクを貼っておきます。魚拓です。
『有害指定表示成分』1
『有害指定表示成分』2
『有害指定表示成分』3

以下、書こうとしていたコメントです。



はじめまして。
たまに知恵袋でお見かけするのですが、今回2点ほど疑問に思うところがありましたのでコメントさせていただきますね。

まず、有害指定表示成分とは数からみても厚生労働省(旧厚生省)が定めたいわゆる「旧表示指定成分」のことですね。現在も103種類の表示指定成分が医薬部外品に表示義務として定められています。
2001年4月から化粧品(薬用化粧品を除く)は全成分表示を配合量の多い順に記載しなければいけないことになっています(1%以下のものは順不同です)。

この記事に載せている情報は少し古いように思います。
現在私たちが利用する、シャンプーやリンス、コンディショナーやボディーソープ、乳液、化粧水等はほぼすべて全成分表示であり、決して無添加の名の下に記載していないわけではありません。特に大手メーカーほど遵守しているように見受けられます。


次に、有害物質一覧とされて成分、用途、有害作用などを書かれていますが、この「有害作用」とは「製品に含まれる量で起こす作用」ということでしょうか。それとも「原料(原液)の時点で大量に曝露したときの作用」ということでしょうか。
前者であれば、そのような作用があれば製品としてはエコナよりも相当危険極まりないのですぐに出荷停止にすべきですし、後者であればもはや製品に含まれる物質の性質とかけ離れていると言わざるをえません。

どのような化学物質も摂り過ぎれば毒になります。
食塩の急性毒性量は私たちが普段摂取している量の10~100倍程度です。ところが化粧品に含まれているこれらの成分の急性毒性量は多く見積もっても1000分の1程度でしょう。
私たちが日常生活で利用している製品には「すべての人が」なんらかの症状を起こすと推定されている量の100~1000分の1しか含まれていません。
薬として効く成分も、摂りすぎれば毒にしかならないのですよ。
摂取量(曝露量)によって作用が変わることを理解するべきだと思います。

ただしアレルギーは別です。
他の人ではなんでもない量でも強い症状が出てしまうために注意が必要なのです。
旧表示指定成分リストはそのために作られました。
ところが、1980年代以降に多くの表示指定成分で皮膚刺激性、皮膚吸収性、遺伝毒性、変異原性などが調べられ、それらの試験をクリアしたものは残り、クリアできなかったものは今は使えません。旧指定成分が今もなお使えるということは、それらの試験をクリアしているということなのです。

大事なのはアレルギーを引き起こす物質を特定し、上手に避けることではないでしょうか。


少し厳しい言い方をしているかもしれません。
ただ、これだけはわかってほしいのですが、多くの人に安全なものを使ってほしいと思うのは、私もまったく同じ気持ちを持っています。
だからこそ、批判は徹底的に調べてから行うのが良いと思います。
素人が思いつくことは、たいてい専門家も思いついてとっくに対処していますよ。



以上です。
経皮毒や無添加についてはタグの「天然志向/合成批判」にいろいろ書いていますので、時間があれば読んでみても良いかもしれません。
いや、おすすめできるほどの出来ではないのですが…ごにょごにょ。


追記:
はっ…トラックバックのURLは記事のURLと違う…だと?
届いてないかもです。
リンクかあ。リンクするとあっちに流れちゃうからなあ…。うーん。考えておきます。



追記2:
ええと、魚拓貼りました。
そっちへどうぞ。
自分が女だからって侮られることが嫌いなのに女の子に対して甘いのは、ある意味では女を差別してるってことなんだろうなあ…はぁ。
だけど善意の行動なんだもん。
これが男だったら「ああん?関係ねぇな」とか言えちゃうだろうことも容易く想像できる自分に自己嫌悪。

拍手[2回]

JTに問い合わせてみた(問い合わせ編)の件ですが、早速返答をいただきました。
日曜日に送信して火曜日、中1日しか空いてません。
今までいろんな企業に問い合わせてきましたが最速です。
大事なのは返答の適切さなので迅速さを評価する予定はありませんが、まずは返答をいただけたことを感謝いたします(中には返答すらいただけないところもあるので)。
また、問い合わせとは言え最低限手紙の体裁を取るべきだったかと反省しております。


さて、いちおう返答をいただいたのですが、文面を素直に読むのならばJTは厚労省の発表を認めていると言っていいと思います。

JT.jpg









※すみません、またクリックしてくださいませ。
あと、メアドはどうでもいいんですが、本名で問い合わせているので黒塗りにさせていただきました。ご了承ください。

 日本国内で流通されるたばこ製品につきましては、たばこ事業法に基づく財務 省令により、注意文言を表示することが義務付けられており、刷記する注意文言および刷記面積等、その刷記方法が定められております。弊社ではこれを遵守しております。
喫煙と健康の関係については、弊社としても喫煙が特定の疾病のリスクファクターであることを認識しております。注意文言は、喫煙が特定の疾病のリスクフ ァクターであることをより具体的に表現しているものと理解しております。
弊社は、個々の成人の方々が喫煙するかしないかをご自身で判断いただくための適切な情報提供を支持いたしており、こうした観点からの注意文言についても 大変重要なものであると考えております。

素直に読むのならば、

・JTは喫煙が特定の疾病のリスクファクターであることを認識している
・「特定の疾病のリスクファクター」とはタバコに表示する義務のある注意文言に具体的に書いてある
・これらの情報を提示することで喫煙者自身で喫煙の是非を判断していただいている

ということです。
すみませんうろ覚えの未確認ですが、タバコの注意文言は厚生労働省の公開しているページへ誘導しているはずです。
ということはJTは厚生労働省の提示する喫煙のリスクをすべて認めているということになります。


が、そうすると喫煙と健康のページのあの煮え切らない書き方はなんなのでしょう。

喫煙と健康、たばこ対策についてのJTの考え方を掲載したページをご紹介いただきましたのでまずはじっくり読んでみることにします。
喫煙と健康に関するJTの考え方
たばこ対策に対するJTの考え方、会社のコメント

「喫煙と健康に関するJTの考え方」はあらかた読んでいたのですが「たばこ対策に対するJTの考え方、会社のコメント」についてはまったく手つかずで、さらに申し訳ありませんが今日はすべてを読んでいる時間を取れません。
ひとまず返答をいただいたこと、JTは厚生労働省の公表している喫煙のリスクを認めているであろうことをご報告いたします。
資料を読み終わりましたらまた追記の形で書き足す予定です。
まだ2、3しか読んでませんが、また問い合わせると思います。
大筋で認めていてもどのくらいの確度で認めているのかはまた別の問題になってきそうです。
ただ、健康リスクのあるものを商売にしている以上、あまりはっきりとしたことは言えないのかもしれませんね。


さて、正直に言うと拍子抜けしています。
英語の論文とか読まなきゃダメかなーと思ってたんですよね。
それと同時に少しホッとしています。
厚労省のデータを一切認めてないなんてことになったらJTにお問い合わせしまくるところでした(笑)

 今後とも、弊社事業に対しまして、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

と締めくくられておりますが、もちろんそのつもりです。
私自身は、JTが喫煙のリスクについて正しい情報を発信している限りはJTの企業としての在り方を批判するつもりはありません。

拍手[0回]

My News Japanのエコナ、自社研究でもガン促進を示唆 花王はデータ公開拒否
について言及しようと思ってたのだけど、私の言いたいことも含めて考えていた内容の上位互換なエントリをぷろどおむさんが先に書いてくださったので、私は書くことがなくなりました。ありがとうございます。
後半の論文の話は真面目にそういうことを書こうと考えていました。

続・エコナはどのくらい危険なのか(ぷろどおむえあらいん)


で、今回私は
日本語版Wikipediaのグリシドールのページが酷いよ!という話をしようと思います。
もちろんこれは2009/9/28現在の状態の話です。

概要と用途はEnglish版の(ほぼ)翻訳なんですよ。
English版には
「It is used as a chemical intermediate in the synthesis of glycerol, glycidyl ethers, esters and amines.」
つまり
「グリシドールはグリセロールやグリシドールエーテル、グリシドールエステル、グリシドールアミン合成の中間体ですよ」なんてことが書いてあります。

だからそのへんは良いんですけど、発癌性の部分ですよ問題は。
一段落目のIARCのリストでGroup2Aってのは正しいですよね。
以前の記事

グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成すると言われるが、はっきりしたことは分かっておらず、また生成されても、それが体内に吸収されるかどうかも分かっていない

2009年9月16日 (水) 21:53のページ

という記述が出典の示されていない極めて怪しい内容であると書きましたが、いつの間にか出典が示されてました。
それに伴って記述も、


グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成するとわかっている。{{Citation | Journal of Environ Mol Mutagen. 2005;45(1):80-9.}

2009年9月26日 (土) 04:08のページ

「わかっている」なんて強気な記述になってます。
まあいちおうリファレンスがついてるのでWikipediaの検証可能性の概念としては正しいので、実際に読んでみました。
ノートで「誌名が存在しません」と言われていて、いちおう私もそこから飛んで読ませてもらいましたが、後からPubMedで検索してみたところかろうじて検索できたのでギリギリセーフというところでしょうか。(ギリギリアウト?)

 
Identification of potential biomarkers of genotoxicity and carcinogenicity in L5178Y mouse lymphoma cells by cDNA microarray analysis:Environ Mol Mutagen. 2005;45(1):80-9.

とりあえず落とせたので調べてみました。
「グリシドール脂肪酸エステルが胃酸などの強酸条件でグリシドールになる」という話(イントロだとしても)のはずなのでとりあえず「Glycidol(グリシドール)」で検索してみてもそのまわりで義理氏ドール脂肪酸エステルの話をしてる様子がない。さらに「Ester(エステル)」でヒットせず。なんか怪しげになってきたわね、と思いつつも「Glycidyl(グリシドール脂肪酸エステルがGlycidyl esters、Glycidyl oleate、Glycidyl stearateと記述されるため)」を検索してもリファレンスに含まれる
Glycidyl ethers(グリシドールエーテル)がヒットしただけ。
その他に「acidic(酸性)」「Gastric acid(胃酸)」「Strong acid(強酸)」なんかも検索したけど、Fatty acid binding protein(脂肪酸結合タンパク質→コード遺伝子の説明)やacidic residues(酸性残基)がかろうじて引っかかってきたのみ。
工エエェェ('д`)ェェエエ工
もうあれだよね。鈍い私でも気付くけど関係ないよね。
でもまあ乗ってしまった船なのでとりあえず斜め読みしてみた。

タイトル:cDNAマイクロアレイ解析によるL5178Yマウスのリンパ腫細胞での遺伝毒性と発がん性の有望なバイオマーカーの同定

まあ、確かに関係なさそうよね。

ようは、マウスの細胞?に対して「遺伝毒性あり+発がん性あり(つまりグリシドール)」「遺伝毒性あり+発がん性なし」「遺伝毒性なし+発がん性あり」「遺伝毒性なし+発がん性なし」の物質をそれぞれ与えてそのときにreal-time RT-PCRで遺伝子の転写量の増減を見て、遺伝毒性物質に特異的な、あるいは発がん性物質に特異的な遺伝子をバイオマーカー(指標)にしましょうか、って論文(と読んだ)。
内容の妥当性はともかくとして、やりたいことはそういうことなのでグリシドールは
Aldrichから買ったって書いてある。ああ、シグマはいつもお世話になってます。


これ、関係ないです。
万が一にそういう事実があるのならそういう論文を引っ張ってきてくれないと。
とりあえずEnglish版のグリシドールの項目にはこんな記述はないですし。
English版の
外部リンクにあるMSDSに「Incompatibilities with Other Materials: Metals, strong oxidizing agents, strong acids, bases.」とあります。
ええと、「これらの物質と混ぜてはいけません:金属、強い酸化剤、強酸、塩基(塩基性にするなってこと?)」ってところかな。混ぜた場合、グリシドールとしての安定性が保てませんってことでしょう。そらそうだ。反応性の高いエポキシ構造だし。
ぷろどおむさんが
エントリで「胃液=塩酸と水が大量に存在している状況下で,グリシドールが安定に存在していられるのか??という素朴な疑問が生じる」と書いておられるのはそういう意味だと読みました。

グリシドール脂肪酸エステルの形になってもエステル結合よりもエポキシ構造の方が先に壊れそうな気がするけど、と素人の私は考えます。そのへん脂肪酸がつくだけでやっぱり大きく異なってくるんでしょうか?
足場は違うけど、エステル結合が胃酸で切れるんならリパーゼはなんのために分泌されてんのよって思っちゃいます。


なんにせよはっきり言えることは、あの論文は「グリシドール脂肪酸エステルが胃酸などの強酸下でグリシドールを精製することがわかっている」なんてことを言う論文じゃないってことです。そもそも科学文で「わかっている」って相当強い言葉を使うなんてよっぽどじゃないと(ry
そうすると、Wikipediaにはいろいろ論文なんかが検証できるようにくっついてるけど、もしかしてそれらも検証してみないといけないってことかしら。……しーらね。
今回は始めから成り行きを見守ってたから「おかしくね?」ってのがわかったけれど、他のなんて専門家でない限り無理ですよ。いや、専門家でも明らかにおかしいもの以外はスルーしちゃうんじゃないかな。Wikipediaの情報としての信頼性ってそこまで高くないし。


というわけで誰かよろしくお願いします。
真面目にWikipediaの編集、会話の仕方がわかりません。
ブログは貼っちゃダメだろうし。
とりあえずAkanijiさんがリンク貼ってて下さったので論文読めました。ありがとうございます。


さて、いろいろ苦手なので突っ込みどころがいっぱいかもしれません。特に英語弱いです。
突っ込みよろしくお願いしますm(_ _)m

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